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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5 |
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管理番号 | 1264254 |
審判番号 | 不服2012-5794 |
総通号数 | 155 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2012-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-03-29 |
確定日 | 2012-10-02 |
意匠に係る物品 | 携帯用魔法びん |
事件の表示 | 意願2010- 12819「携帯用魔法びん」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、2010年(平成22年)5月25日の意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「携帯用魔法びん」とし、形態を願書及び願書に添付した図面に記載のとおりとしたものである(別紙第1参照)。 これに対し、原審が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして拒絶の理由に引用した意匠は、独立行政法人工業所有権情報・研修館が2007年8月24日に受け入れた、『ZOJIRUSHI 象印 総合カタログ 2007』 第42頁(下線は当審が付記。引用意匠が掲載された頁は41頁であり、誤記と認める。)所載、マグボトル(ステンレスマグボトル「タフマグ」品番SM-AE35)の形状の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第 HC19018533号)であって、その形態は、同カタログの写真版に現されたとおりのものである(別紙第2参照)。 そこで、本願意匠と引用意匠との類否を検討すると、本願意匠の意匠に係る物品は「携帯用魔法びん」であり、引用意匠の意匠に係る物品は「マグボトル」であって、表記は異なるが、共に飲料等の保温又は保冷に用いる携帯可能な容器と認められるものであるから、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、その形態においても、全体を容器本体と着脱可能な蓋部からなる略円筒体とし、容器本体は、下部が僅かに末広がり状に拡径した形状で、周面に切り替え線を有し、蓋部は、上面の外周縁を曲面としている、等の点が主に共通する。 しかしながら、蓋部の具体的な態様において、本願意匠は、蓋部全体を蓋本体と着脱可能な蓋カバーとで構成し、蓋本体は上縁に金属光沢を有する細幅のリング部材を周回させ、蓋カバーは上面を平坦面とし、外周縁を丸面状に小さく面取りして、その一部に取り外しを容易にするための小突起を設けているのに対し、引用意匠は、蓋本体に直接蓋カバーを取り付けたもので、リング部材はなく、蓋カバーの上面を緩やかに膨出する曲面とし、外周縁をやや大きな丸面状に面取りして、外周縁に突起は設けていない、等の点が主に相違する。 そして、上記の共通する態様がこの種物品分野においてはありふれており、さほど特徴的な態様とはいえないのに対して、蓋部は、通常の観察視点である斜め上方向から見て最も観察されやすい上部に位置すると共に、開蓋時などの使用時において頻繁に指先が触れる部位でもあることから看者の注意を惹きやすい部位であるところ、この蓋部における相違、とりわけ、本願意匠が蓋本体の上縁に金属光沢を有する細幅のリング部材を周回させた点は、先行公知意匠に照らして本願意匠の特徴をなすものとして看者の視覚を捉えるものであるから、これらの相違が相俟った視覚効果は共通点を凌ぎ、両意匠に異なる美感を起こさせているというべきである。 したがって、本願意匠は引用意匠と類似せず、原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願について、他に拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2012-09-18 |
出願番号 | 意願2010-12819(D2010-12819) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(C5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 温品 博康 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
早川 治子 橘 崇生 |
登録日 | 2012-10-12 |
登録番号 | 意匠登録第1455117号(D1455117) |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 大塚 雅晴 |
代理人 | 前田 厚司 |
代理人 | 田中 光雄 |