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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5 |
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管理番号 | 1286511 |
審判番号 | 不服2013-20072 |
総通号数 | 173 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2014-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-10-16 |
確定日 | 2014-04-01 |
意匠に係る物品 | 飲料容器 |
事件の表示 | 意願2011-19929「飲料容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成23年(2011年)9月2日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「飲料容器」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) 2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,下記のとおりである。(別紙第2参照) 電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日) 2010年 4月19日 受入日 特許庁意匠課受入2010年 4月30日 掲載者 スターバックス・コーポレイション 表題 Enlarged View 掲載ページのアドレス http://www.starbucksstore.com/products/SkuPopUp.asp?SKU=275140 に掲載された「タンブラー」の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HJ22001695号) 3.当審の判断 (1)意匠に係る物品について 本願意匠の意匠に係る物品は,「飲料容器」であり,引用意匠に係る物品は,「タンブラー」の意匠であって,表記は異なるが,本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)は共に,飲物を入れる容器であることから,両意匠の意匠に係る物品は,共通する。 (2)両意匠の形態について 両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。 (2-1)両意匠の共通点 略円筒状の本体上部に,略円板状の蓋と栓体が載っており,全体形状が周面の中央部を緩やかに細くした,縦長さと横幅の比率が約3:1の,縦長鼓形とした点が共通している。 (2-2)両意匠の相違点 それに対して,具体的構成態様において,(A)各部の構成につき,本願意匠は,蓋が栓体に対して着脱可能であり,かつ栓体が容器本体に対して着脱可能であるのに対し,引用意匠は,蓋と栓体が一体不可分であるのか,栓体と容器本体が一体不可分であるのか,不明である点,(B)本体下部につき,本願意匠は,一体でやや大きなカーブを描いて底部につながっているのに対して,引用意匠は,薄い円盤状の別部材を設けている点,(C)蓋につき,本願意匠は,上面が緩やかに膨出しており,周面から上面へとつながる上角部が曲線であって,引用意匠よりやや厚みがあり,軟らかい印象を与えるものであって,かつ,4方向90度の間隔で縦溝を設けているのに対して,引用意匠は,上面の態様が不明または平らで,上角部が角張っており,本願意匠よりやや薄く,シャープな印象を与えている点,(D)栓体につき,本願意匠は,有底円筒状であって,その上縁部に鍔状部(つばじょうぶ)を設けたもので,円筒状外周面には容器本体につながる雄ねじを形成し,円筒状内周面には蓋につながる雌ねじを形成し,底部には,約6分の1円弧状のスリットを3か所均等に空けたものであって,鍔状部は蓋の厚さよりやや薄く,引用意匠よりやや厚みがあるのに対して,引用意匠は,内部構造が不明であって,蓋の厚さの半分強ほどの厚みで,本願意匠よりやや薄い点,において主な相違点が認められる。 (3)類否判断 両意匠を比較した場合,共通点は,両意匠の形態全体の骨格的な態様をなし,一定程度の共通する印象を与えると言えるが,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決定するものとすることはできない。 これに対して,具体的態様である相違点(A)は,両意匠の使い勝手に関わってくる構成部品の部品点数の相違であって,この差は,両意匠の類否判断に大きな影響を与えると考えられる。相違点(B)は,外観の相違であって,両意匠の類否判断における影響は一定程度認められる。相違点(C)は,蓋を開け閉めする時を含め,一番目につきやすい箇所の相違であって,両意匠に異なる印象を生じさせているものであって,両意匠の類否判断に大きな影響を与えると認められる。相違点(D)は,両意匠の使い勝手に関わってくる一構成部品の形態の相違であって,この差は,両意匠の類否判断に大きな影響を与えると考えられる。 以上のとおりであって,相違点がもたらす印象は,前記共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。 したがって,両意匠は,意匠に係る物品は共通しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。 4.結び 以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,同法同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2014-03-14 |
出願番号 | 意願2011-19929(D2011-19929) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(C5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 裕和、温品 博康 |
特許庁審判長 |
原田 雅美 |
特許庁審判官 |
富永 亘 橘 崇生 |
登録日 | 2014-04-11 |
登録番号 | 意匠登録第1497190号(D1497190) |
代理人 | 大西 正夫 |