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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 D3
管理番号 1288627 
審判番号 不服2013-19689
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-09 
確定日 2014-05-13 
意匠に係る物品 エレベーター用天井灯 
事件の表示 意願2011- 28984「エレベーター用天井灯」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成23年(2011年)12月14日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「エレベーター用天井灯」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである。(別紙第1参照)

2.原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,当該物品分野において,天井板に等間隔に並行なスリットを設け,当該スリット内部に発光面を設けることは広く行われており(例えば,参考意匠1及び2参照),また発光面をスリット端部からやや内側に設けることも既に見られるものであるところ(例えば,参考意匠2参照),本願の意匠は,周知形状の矩形状板に,上記スリットを三本並行に設け,スリット内部やや内側に発光面を設けたまでのものであり,容易に創作できたものと認められる,というものである。

参考意匠1(別紙第2参照)
意匠登録第0674898号の意匠

参考意匠2(別紙第3参照)
意匠登録第1361480号の意匠

3.請求人の主張の要旨
拒絶理由通知において,参考意匠1及び参考意匠2を例として,「当該物品分野において,天井板に等間隔に並行なスリットを設け,当該スリット内部に発光面を設けることは広く行われている」と述べられているが,本願意匠と参考意匠1とは筐体の形状が,また,本願意匠と参考意匠1及び参考意匠2とは発光体の態様が異なるものである。
また,拒絶査定において,意匠登録第1403410号(以下,「参考意匠3」という。(別紙第4参照))を例として,「細溝状の凹陥部の奥に帯板状の発光体を設けたものは,本願出願前より既に見られる」と述べられているが,参考意匠3の発光体は,略四角錐台状のLEDを多数一列に並べたものであり,本願意匠の「凹陥部の奥(底部)に,細幅板状(帯板状)の発光体(発光ダイオード)を形成」したものとは,顕著な差異がある。
よって,本願意匠は,3箇所に横一直線状に設けた細溝状の凹陥部の奥(底部)に細幅板状(帯板状)の発光体(発光ダイオード)を設けたものであり,直進性の光を発する発光ダイオードの特性を生かし,溝状部から光が「帯状の光」として視認される意匠的効果が発揮されるものであって,参考意匠2のように,平面から凸状に突き出した発光体から発する光は全方向に拡散する態様のものとは,発光体の取り付け方及び溝状部から発せられる光の意匠的効果が明らかに異なるものである。
以上から,本願意匠は参考意匠1ないし参考意匠3をもとに,当業者が容易に創作することができた意匠ではない。よって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しない意匠であり,登録を受けることができる意匠である。

4.当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

(1)本願意匠の形態
本願意匠は,全体を略正方形板状体とし,その板状体を正面視略2:3:3:2の比で横に4分割する位置に細溝状の凹陥部を3条形成し,その凹陥部の奥(底部)に透光板を形成したものであり,透光板は本体の横幅の約4/5の細長長方形状とし,この左右に透光板と同一面となるように,板体を形成したものである。

(2)本願意匠の創作の容易性について
原審の拒絶の理由において,天井板に等間隔に並行なスリットを設け,当該スリット内部に発光面を設けることは広く行われているとして,参考意匠1及び参考意匠2を示しているが,参考意匠1の願書及び内部機構を省略した正面図中央縦断面図及びA-A拡大図の記載によれば,参考意匠1において等間隔に並行に設けられているものは,天井用照明器具を構成する全体が透光性を有するカバー部に設けられた「溝」であって,本願意匠のスリットとは異なるものであるから,本願意匠の態様が参考意匠1の態様から当業者であれば容易に創出し得るものということはできない。
また,参考意匠2の内部機構を省略したA-A’線端面図より,参考意匠2において等間隔に並行に設けられているものも,筐体表面から凸状に突出した発光体が並行に配列されているものであって,本願意匠のスリットとは異なるものであるから,参考資料1と同様に参考資料2についても,本願意匠の態様が参考資料2の態様から当業者であれば容易に創作することができたものとはいうことができない。
なお,原審の拒絶査定において,細溝状の凹陥部の奥に帯板状の発光体を設けた例として,参考意匠3を挙げているが,本願意匠と比較した場合,凹陥部が長さ方向に対して端部まで形成されている点等,細部においては相違しており,参考意匠3があったとしても,本願意匠の態様が参考資料1及び参考資料2の態様から容易に導き出すことができたものとはいえない。
したがって,全体が略正方形板状体からなり,その板状体を正面視略2:3:3:2の比で横に4分割する位置に細溝状の凹陥部を3条形成し,その凹陥部の奥(底部)に透光板を形成し,この透光板は本体の横幅の約4/5の細長長方形状とし,この左右に透光板と同一面となるように板体を形成した本願意匠の態様は,先行意匠には見られない本願意匠独自の態様を持つものであるから,本願意匠は,公知の形態に基づいて容易に創作ができたものということはできない。

5.むすび
以上のとおりであるから,本願については,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。


審決日 2014-04-24 
出願番号 意願2011-28984(D2011-28984) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (D3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐々木 朝康 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 綿貫 浩一
江塚 尚弘
登録日 2014-06-13 
登録番号 意匠登録第1502264号(D1502264) 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 吉田 親司 
代理人 石川 義雄 
代理人 小出 俊實 

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