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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D3
管理番号 1288629 
審判番号 不服2013-16684
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-08-29 
確定日 2014-05-13 
意匠に係る物品 発光ダイオード照明器具 
事件の表示 意願2011- 20954「発光ダイオード照明器具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする,平成23年(2011年)9月14日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「発光ダイオード照明器具」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとするものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであり,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,日本国特許庁発行の意匠公報(発行日:平成21年(2009年)11月2日)に記載された意匠登録第1372769号(意匠に係る物品,天井直付け灯)の意匠であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠の対比
まず,本願意匠の意匠に係る物品は,天井面に直付け,又は埋め込み固定して使用される「発光ダイオード照明器具」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「天井直付け灯」であるが,いずれも天井面に直付けされる天井用照明器具であるから,本願意匠及び引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,共通する。

次に,両意匠の形態を対比すると(以下,対比のため,引用意匠も本願意匠の図面の向きに合わせることとする。),両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

まず,共通点として,
(A)全体は,略横長台形柱状の照明器具本体部(以下,「本体部」という。)の下部に,本体部より一回り大きな略長方形板状の照明器具発光部(以下,「発光部」という。)を配設したものであって,
(B)本体部は,側面視略等脚台形状としている点,
(C)発光部は,底面視において,縦横比が約6:1の長方形状とし,その枠内には透光性を有する長方形状の透光部(以下,「透光部」という。)を配設している点,
が認められる。

他方,相違点として,
(ア)本体部の態様について,本願意匠は,側面視において,上底と下底の長さの比が約1:2の上が窄まった台形状としているのに対して,引用意匠は,同比が約1:1.2の上がわずかに窄まった台形状とし,台形状の側面部材を本体部の左右端部に冠着している点,
(イ)発光部の態様について,本願意匠は,正面視において,発光部と本体部の高さの比が,約1:1.5であるのに対して,引用意匠は,同比が,約1:4である点,
(ウ)発光部の底面部における枠体の態様について,本願意匠は,縦横の枠体の幅がほぼ同じで,一体に形成された枠体としているのに対し,引用意匠は,縦横の枠体の幅の比が約2:1で,長手方向において発光部より細幅の横枠が,縦枠の上に重なった形態の枠体としている点,
(エ)透光部の態様について,本願意匠は,2枚の部材を並設しているのに対し,引用意匠は,1枚の部材を配設している点,
が認められる。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

まず,共通点(A)の全体の態様,並びに,共通点(B)及び共通点(C)の各部の態様は,この種物品分野においては,他にも見られるありふれた態様であるので,この共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であると言わざるを得ない。
そして,これら共通点は,全体としてみても,両意匠の類似性についての判断を決定付けるまでには至らないものである。

これに対し,相違点(ア)本体部の態様については,使用時には目に付きにくい部位に係るものであり,両意匠の側面視の形態自体も同じ等脚台形状であるので,この相違点(ア)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。
次に,相違点(イ)発光部の態様については,この種物品分野において格別特徴のあるものとはいい難いが,厚みのある板体とした本願意匠の態様は,フラットな引用意匠のものとは需要者に別異の印象を与えるものであるから,この相違点(イ)が両意匠の類否判断に一定程度の影響を与えていると言える。
また,相違点(ウ)発光部の底面部における枠体の態様については,該部位は常に観察される部位であり,その態様も,縦枠と横枠の幅の比の相違と,縦枠と横枠の構成の相違とが相まって,需要者に別異の印象を与えるものであるから,この相違点(ウ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいと言える。
そして,相違点(エ)透光部の態様については,この種物品分野において格別特徴のあるものではなく,需要者に別異の印象を与える程のものではないから,この相違点(エ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。
さらに,これらの各相違点に係る態様が相まって生じる視覚的効果は,意匠全体として見た場合,上記共通点を凌ぎ,需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと言うことができる。

3.小括
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品については共通するものであるが,形態においては,両意匠の間には共通点が複数存在するものの,相違点の印象が共通点の印象を大きく凌駕しており,意匠全体としては視覚的印象を異にするものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

第4 むすび

以上のとおりであるから,原査定の引用意匠をもって,本願意匠を意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,本願については,原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-04-24 
出願番号 意願2011-20954(D2011-20954) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐々木 朝康加藤 真珠 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 中田 博康
江塚 尚弘
登録日 2014-06-13 
登録番号 意匠登録第1502562号(D1502562) 
代理人 中井 宏行 

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