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審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 F4
管理番号 1315711 
審判番号 不服2015-22851
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-25 
確定日 2016-05-27 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2014- 28541「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成26年(2014年)12月19日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり,「赤色で着色した部分(ポンプ部)以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び本意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,願書に記載した本意匠に類似する意匠と認められず,意匠法第10条第1項の規定に該当しない,としたものである。
本意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成26年(2014年)12月19日に意匠登録出願されたものであって,平成27年7月17日に意匠権の設定の登録がなされ,平成27年8月17日に意匠公報が発行された意願2014-28540号(意匠登録第1531245号)の意匠であり,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形態は,願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりのもので,「赤色で着色した部分(ポンプ部)以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下「本意匠部分」という。)としたものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当する意匠であるか否かについて,本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が本意匠に類似するか否かを検討し,判断する。
なお,両意匠の対比にあたっては,意匠に係る物品はもとより,本願が物品の部分について意匠登録を受けようとするものであるから,本願部分と本意匠部分について,その用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲を対比し,それらを踏まえて,本願部分と本意匠部分(以下「両部分」という。)の形態を対比する。

1.共通点及び相違点の認定
(1)共通点の認定
意匠に係る物品は,ともに「包装用容器」であるから一致し,また,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は,ともに赤色で着色した部分であるポンプ部(以下,「ポンプ部」という。)を除いた容器本体部及びキャップ部からなるものであるから一致する。
そして,形態は,主に,以下の(A)ないし(C)の点が共通する。
(A)容器本体部とその上部(主にポンプ部)を覆うキャップ部からなる全体を略縦長直方体形状としたものであり,容器本体部とキャップ部を嵌合した際の境界部分が水平な直線として表れているものである。
(B)容器本体部は,底面部について,左右幅を少し狭めた略菱形の平坦面(接地面)が残るように,四方の稜線部に,底面視上下両側角部から左右両側角部に向けて徐々に幅広となる面取りを施して,傾斜面としたものであって,正面(及び背面)から見ると底部の左右両角部は反り上がり,傾斜面と周側面との稜線部は,緩やかな凸弧状の曲線となっている。
(C)キャップ部は,平面について,平面視左右両角部を結ぶ対角線上を正面視水平な稜線部とし,その稜線部を境にして前方及び後方へそれぞれ下方に傾斜させ,その傾斜面と周側面間の稜線部(平面の4辺)を,正面(及び背面)から見て,ごく緩やかな凹弧状としたものである。

(2)相違点の認定
形態について,主に,以下の(イ)及び(ロ)の点が相違する。
(イ)構成比率について,本願部分は,全体の高さと正面視横幅の比率を約7対2,容器本体部の高さとキャップ部の高さの比率を約2対1としたものであるのに対して,本意匠部分は,全体の高さと正面視横幅の比率を約9対4,容器本体部の高さとキャップ部の高さの比率を約1対1としたものである。
(ロ)キャップ部について,本願部分は,キャップ部の全体が透光性を有するものであり,内部の態様が一定程度透けて見え,また,肉厚の程度により透過率が異なり濃淡が表れているものであるのに対して,本意匠部分は,透光性を有するものではなく,内部の態様が透けて見えないものである。

2.共通点及び相違点の評価
以下,共通点及び相違点が存在する形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点についての評価
共通点(A)ないし(C)からなる態様は,両部分の全体の形状を特徴付けるものであり,看者に共通の印象を強く与えるものであるから,これらの共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は大きい。
(2)相違点についての評価
相違点(イ)は,構成比率の相違であるが,当該物品分野の意匠において一般的に見られる範囲内の改変による相違にすぎないものであるから,相違点(イ)が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点(ロ)は,キャップ部が透光性を有するものであるのか否か(内部の態様が透けて見えるものであるのか否か)の相違であるが,当該物品分野の意匠において,キャップ部全体が透光性を有するものはありふれた態様であり,本願部分のキャップ部も,単に全体を透光性を有するものとしたまでのものであり,表面の濃淡も単なる肉厚の程度によるものであるから,特段特徴のある態様ということはできず,軽微な相違と認められるから,相違点(ロ)が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。
そうすると,相違点(イ)及び(ロ)はいずれも両部分の類否判断に及ぼす影響は小さく,これら相違点が相俟ったとしても,両部分を非類似とするものではない。

3.類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品はもとより,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲についても一致するものであり,両部分の形態についてもその共通点の類否判断に及ぼす影響が相違点のそれを凌駕するものであり,看者に共通の美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,本意匠に類似するものと認められる。

そうすると,本意匠は,平成26年(2014年)12月19日に意匠登録出願され,平成27年7月17日に意匠権の設定の登録がなされ,平成27年8月17日に意匠公報が発行されたものであるから,平成26年12月19日に意匠出願された本願は,その出願の日が,意匠法第10条第1項に規定する「その本意匠の意匠登録出願の日以後であって,本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報の発行の日前である場合」に該当する。
よって,本願意匠は,意匠法第10条第1項の規定に該当する意匠と認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第10条第1項の規定に該当する意匠であるから,本意匠の関連意匠として意匠登録を受けることができるものであり,本願は,原査定の拒絶の理由によっては拒絶することができない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-05-11 
出願番号 意願2014-28541(D2014-28541) 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (F4)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山永 滋 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 正田 毅
江塚 尚弘
登録日 2016-06-17 
登録番号 意匠登録第1554394号(D1554394) 
代理人 五味 飛鳥 
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