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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 C4 |
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管理番号 | 1318110 |
審判番号 | 不服2016-2991 |
総通号数 | 201 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2016-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-02-29 |
確定日 | 2016-07-26 |
意匠に係る物品 | 歯ブラシ |
事件の表示 | 意願2015-6451「歯ブラシ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)3月25日の意匠登録出願であり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「歯ブラシ」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分は,部分意匠として登録を受けようとする部分である。」としたもの(以下,本願意匠において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)である(別紙第1参照)。 第2 原審の拒絶の理由 原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,この種歯ブラシにおいて,全体が,把持部とネック部とブラシ台部とからなり,ブラシ台部に形成された毛束群の正面視形状において,毛束の高さを中央が高く,外側が低い山形状に形成し,側面視中央部の毛束群の高さを両側の毛束群の高さより高く形成したものが,本願意匠の出願前に公然知られている【意匠1】。 同様に,毛束群の正面視形状において,中央部分の毛束群の先端側を平坦面に形成したものが,本願意匠の出願前に公然知られている【意匠2】。 本願部分の意匠は,その出願前公然知られた【意匠1】の意匠の中央部分の毛束群の先端形状を,当業者にとってありふれた手法を用いて,【意匠2】の意匠のように,平坦形状に形成したまでのものにすぎないから,きわめて容易に意匠の創作をすることができたものと認められる,というものである。 【意匠1】 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1475698号の意匠 (意匠に係る物品:歯ブラシ)の本願部分に相当する部分の意匠 (別紙第2参照) 【意匠2】 特許庁発行の公開特許公報記載 特開2007-068685 【図1】ないし【図3】に表された本願部分に相当する部分の意匠 (別紙第3参照) 第3 当審の判断 以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。 1.本願意匠の形態 本願部分は,歯ブラシの先端側のヘッド部分に植毛した毛束群から成るブラシ部であり,その形態は, (1)毛束群を,中央の行(2行目)を6列,その両脇の外側の行(1行目と3行目)を,中央の6列に対して半束分ずらして,5列としたものであって, (2)ブラシ部の上端面を,長手方向で中央に近づくに連れて高くなるようにして,全体で山形に傾斜させたもので, (3)中央の行の中寄り(2列目から5列目)の4束の毛束を外側の行の毛束より高くして突出させ,中央(3列目と4列目)の2束の毛束の上端を水平面にし, (4)外側の行の中央(3列目)の毛束の上端を水平面にしているものである。 2.本願意匠の創作の容易性について この種物品分野において,(1)毛束群を,中央の行を6列,その両脇の外側の行を5列としたものは,例を挙げるまでもなく,極ありふれた態様であり,(2)ブラシ部の上端面を,長手方向で中央に近づくに連れて高くなるようにして,全体で山形に傾斜させ,かつ,中寄りの毛束の上端を水平面にしたものは,本願出願前から公知の意匠2に表れており,(3)中央の行の中寄りの毛束を外側の行の毛束より高くして突出させた態様は,本願出願前より公知の意匠1に表れており,これらの態様については,本願出願前より見られる態様であるから,これらの態様に対しては,創作が容易でなかった理由は認められないが,中央の行の中寄りの4束の毛束を外側の行の毛束より高くして突出させ,かつ,その中央の2束の毛束の上端を水平面にすると同時に,外側の行の中央の1束の毛束の上端を水平面にした態様が,本願出願前に見られないものであり,この点については,当業者であれば容易にできる変形,あるいは,本願意匠の属する分野において常套的な変更によるものといえないから,本願意匠は,公知の形態に基づいて容易に創作ができたものということはできない。 3.結び したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2016-07-11 |
出願番号 | 意願2015-6451(D2015-6451) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(C4)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 弘樹 |
特許庁審判長 |
本多 誠一 |
特許庁審判官 |
刈間 宏信 橘 崇生 |
登録日 | 2016-08-19 |
登録番号 | 意匠登録第1559088号(D1559088) |
代理人 | 貝塚 亮平 |