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審決分類 審判 判定  同一・類似 属さない(申立不成立) C3
管理番号 1356889 
判定請求番号 判定2019-600012
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠判定公報 
発行日 2019-12-27 
種別 判定 
判定請求日 2019-04-25 
確定日 2019-11-11 
意匠に係る物品 コードレスクリーナースタンド 
事件の表示 上記当事者間の登録第1608951号の判定請求事件について,次のとおり判定する。 
結論 イ号意匠の図面及びその説明により示された「コードレスクリーナースタンド」の意匠は,登録第1608951号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属しない。
理由 第1 手続の経緯
平成29年12月20日 意匠登録出願(意願2017-29693)
平成30年 6月22日 意匠権の設定の登録(第1608951号)
平成31年 4月25日 判定請求
令和 1年 5月30日 手続補正書提出
令和 1年 6月19日付け 審尋(判定請求人に対して)
令和 1年 6月27日 回答書提出

第2 判定請求人の請求の趣旨及び理由
1 請求の趣旨
請求人は,イ号意匠及びその説明書に示す意匠は,登録第1608951号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属する,との判定を求め,その理由として,要旨以下のとおりの主張をした。

2 請求の理由
(1)判定請求の必要性
本件判定請求人は,本件判定請求に係る登録意匠「コードレスクリーナースタンド」(以下「本件登録意匠」という。)の意匠権者である。
請求人は,イ号意匠に係るコードレスクリーナースタンドが国内で販売され請求人の意匠権が侵害されているとの認識に至り,本件判定被請求人 株式会社クローバーが現在販売しているイ号意匠(甲第2号証)のコードレスクリーナースタンドは,本件登録意匠の意匠権に属するものであると通知したが,本件判定被請求人は,「イ号意匠は,本件登録意匠に類似する意匠の範囲に属さない。」と主張した。
上記事由により特許庁による判定を求める。

(2)本件登録意匠の説明
本件登録意匠は,登録第1608951号の願書及び図面に記載のとおり,意匠に係る物品を「コードレスクリーナースタンド」とし,実線で表された部分を部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本件部分」という。)としたものである。
ア 本件部分の用途及び機能について
本件部分は,コードレスクリーナースタンドのブラシ収納棚の筐体外郭及び筐体内郭部である。コードレスクリーナースタンドにおけるブラシ収納棚の正面・平面・底面・側面における棚板実装部における外郭形状と,ブラシ収納部における内郭形状を決するものである。
イ 本件部分の位置,大きさ及び範囲について
本件部分は,筐体外郭部及び筐体内郭部の円弧状より成り立つ。より詳細には下記(ア)ないし(ク)を含む範囲を占めている。
(ア)筐体の正面部縁部を占める部分。
(イ)筐体の平面部縁部を占める部分。
(ウ)筐体の側面部縁部を占める部分。
(エ)筐体の底面部縁部を占める部分。
(オ)上記(イ)(エ)表面部,筐体の全長略1/8内側にて,筐体の全長略1/6を占める部分。
(カ)上記(イ)(エ)表面部,上記(オ)と結合された凹部,筐体の全長略1/14の半環状の貫通外郭部を占める部分。
(キ)上記(イ)(エ)表面部,上記(カ)と結合された環状部,筐体の全長略1/8の環状の貫通外郭部を占める部分。
(ク)上記(イ)(エ)表面部,上記(キ)と結合された環状部,筐体の全長略1/4の環状の貫通外郭部を占める部分。
ウ 本件部分の形態について
本件部分は,以下の態様を備えている。
(あ)上記(ア)は,平面状よりなりたち,上記(イ)(エ)に対し直角水平直線状に形成されており,上記(ウ)に対し直角垂直直線状に形成され,上記(イ)(ウ)(エ)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(い)上記(イ)は,平面状よりなりたち,上記(ア)(ウ)に対し直角水平直線状に形成され,上記(ア)(ウ)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(う)上記(ウ)は,平面状よりなりたち,上記(イ)(エ)に対し直角に水平直線状に形成されており,上記(ア)に対し直角に垂直直線状に形成され,上記(ア)(イ)(エ)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(え)上記(エ)は,平面状よりなりたち,上記(ア)(ウ)に対し直角に水平直線状に形成され,上記(ア)(ウ)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(お)上記(オ)は,円弧線をなし,(カ)との交角が鋭角をなし,上記(イ)(エ)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている(以下「第1円弧部」という。)。
(か)上記(カ)は,半円形状をなし,第1円弧部との交角が鋭角をなすよう形成され,上記(イ)(エ)に対し垂直貫通をなす直角半円状に形成されている(以下「第1凹部」という。)。
(き)上記(キ)は,円弧線をなし,半円部との交角が鋭角をなすように形成され,上記(イ)(エ)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている(以下「第2円弧部」という。)。
(く)上記(ク)は,円弧線をなし,(キ)との交角が鋭角をなし,上記(イ)(エ)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている(以下「第2凹部」という。)。
(け)(ア)ないし(ク)について,図面上,色彩は施されていない。また願書及び図面中に,色彩及び素材に関する記述はない。

(3)イ号意匠の説明
イ号意匠は,甲第2号証に示すとおりであり,意匠に係る物品は「コードレスクリーナースタンド」である。
ア イ号意匠における本件部分に相応する部分の認定
本件登録意匠との類比考察における知見を図るため,本件部分,本件登録意匠【甲第1号証】と本件相当部,イ号意匠物品【甲第2号証】に示す。
イ号意匠における本件部分に相応する部分(以下「本件相当部分」という。)は,下記(A)ないし(G)と認定できる。
(A)は,筐体の正面部を占める部分であって,本件部分の(ア)に相当する形状を有する部分である。
(B)は,筐体の平面部を占める部分であって,本件部分の(イ)に相当する形状を有するものである。
(C)は,筐体の側面部を占める部分であって,本件部分の(ウ)に相当する形状を有する部分である。
(D)は,筐体の底面部を占める部分であって,本件部分の(エ)に相当する形状を有する部分である。
(E)は,筐体の底面部を占める部分であって,本件部分の(オ)に相当する形状を有する部分である。
(F)は,筐体の底面部を占める部分であって,本件部分の(カ)に相当する形状を有する部分である。
(G)は,筐体の底面部を占める部分であって,本件部分の(キ)に相当する形状を有する部分である。
イ 本件相当部分の用途及び機能について
本件相当部分は,コードレスクリーナースタンドの筐体の外郭及び内郭であって,コードレスクリーナースタンドにおける外郭形状と,ブラシ収納棚設置部における外郭形状を決するものである。
ウ 本件相当部分の形態について
本件相当部分は,以下の態様を備えている。
(a)上記(A)は,平面状よりなりたち,上記(B)(D)に対し直角水平直線状に形成されており,上記(C)に対し直角垂直直線状に形成され,上記(B)(C)(D)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(b)上記(B)は,平面状よりなりたち,上記(A)(C)に対し直角水平直線状に形成され,上記(A)(C)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(c)上記(C)は,平面状よりなりたち,上記(B)(D)に対し直角に水平直線状に形成されており,上記(A)に対し直角に垂直直線状に形成され,上記(A)(B)(D)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(d)上記(D)は,平面状よりなりたち,上記(A)(C)に対し直角に水平直線状に形成され,上記(A)(C)との交角が鋭角をなすように形成されている。
(e)上記(E)は,円弧線をなし,(F)との交角が鋭角をなし,上記(B)(D)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている。
(f)上記(F)は,半円形状をなし,上記(E)との交角が鋭角をなすよう形成され,上記(B)(D)に対し垂直貫通をなす直角半円状に形成されている。
(g)上記(G)は,円弧線をなし,上記(F)との交角が鋭角をなすように形成され,上記(B)(D)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている。

(4)本件登録意匠とイ号意匠との比較説明
ア 意匠に係る物品について
両意匠は,意匠に係る物品が「コードレスクリーナースタンド」で一致している。
両意匠は,「コードレスクリーナースタンド」としての機能及び用途を有する点において相違はなく,物品の類比を左右するものではない。
イ 本件部分及び本件相当部分の機能及び用途について
共通点:本件部分及び本件相当部分(以下「両部分」という)の機能及び用途について,両部分は,コードレスクリーナースタンド正面視・側面視における外郭形状と,ブラシ収納設置部の内郭形状を概ね決するものである点において概ね共通している。
差異点:本件部分に形成された第2凹部は電動ブラシを収納する際にブラシ後部の電動配線を格納する部分が形成されているが,本件相当部分にはこれに相当する効果を有する部分がない。
ウ 両部分の位置,大きさ及び範囲について
両意匠は,両部分の位置,大きさ及び範囲において共通している。
イ号意匠は本件部分を,ほぼそのまま含んでいる。
エ 両部分の形態について,下記の共通点,差異点が認められる。
(ア)共通点
共通点1:(A)について,平面状よりなりたち,(B)(D)に対し直角水平直線状に形成されており,(C)に対し直角垂直直線状に形成され,(B)(C)(D)との交角が鋭角をなすように形成されている点。
共通点2:(B)について,平面状よりなりたち,(A)(C)に対し直角水平直線状に形成され,(A)(C)との交角が鋭角をなすように形成されている点。
共通点3:(C)について,平面状よりなりたち,(B)(D)に対し直角に水平直線状に形成されており,(A)に対し直角に垂直直線状に形成され,(A)(B)(D)との交角が鋭角をなすように形成されている点。
共通点4:(D)について,平面直線状よりなりたち,(A)(C)に対し直角に水平直線状に形成され,(A)(C)との交角が鋭角をなすように形成されている点。
共通点5:(E)について,円弧線をなし,(F)との交角が鋭角をなし,(B)(D)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている点。
共通点6:(F)について,半円形状をなし,(E)との交角が鋭角をなすよう形成され,(B)(D)に対し垂直貫通をなす半円状に形成されている点。
共通点7:(G)について,円弧線をなし,(F)との交角が鋭角をなすように形成され,(B)(D)に対し垂直貫通をなす円弧状に形成されている。
共通点8:(E)(G)については同一円周を有する点。
共通点9:支柱に対し,筐体が水平直角に実装されている点。
(イ)差異点
差異点1:本件部分の筐体幅に対し,本件相当部分は筐体幅が拡張形成されている点。
差異点2:本件部分は,平面(ウ)より底面(エ)に貫通した第2凹部が形成されているのに対し,本件相当部分には形成されていない点。
差異点3:本件部分側面の平面に対し,本件相当部分は円弧状の凹部が形成されている点。

(5)イ号意匠が本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属する理由の説明
ア 本件登録意匠に関する先行周辺意匠
・意匠登録第1553690号(甲第3号証の1)
・意匠登録第1567024号(甲第3号証の2)
本件登録意匠と,上記の公知意匠,先行意匠とを対比すると筐体に水平垂直に実装された棚板と内部の円弧重複貫通形状の態様において,従来にはない新規な意匠であると認められる。なお,イ号意匠は請求人による先行意匠である。
イ 本件登録意匠の要部
本件登録意匠と,上記の公知意匠,先行意匠とを対比すると,下記の態様が,従来にはない新規なものであると認められる。
コードレスクリーナースタンドの正面配置における外郭部に四方長形のブラシ収納部の棚板である筐体が支柱に対し,垂直水平に設けられ,筐体内郭部に,「第1円弧部(オ)」,「第2円弧部(キ)」,「第1凹部(カ)」,「第2凹部(ク)」が結合した環状外周がブラシ収納をなす内郭形状に組み合わされた筐体が本件登録意匠となる態様。
筐体正面及び筐体側面の形態は,需要者によるコードレスクリーナースタンドの外郭像の認識を左右する重要な部分である,そのような部分に設けられる意匠は,需要者の注意を強く惹く意匠部分となる。またブラシ収納は,コードレスクリーナースタンドのインターフェイスとなる支柱部正面に設けられるものであることから,より需要者の注意を惹きやすい意匠部分である。
以上より,上記の態様が,本件登録意匠全体の基調を決する要部であるというべきである。
ウ 本件登録意匠とイ号意匠との類比考察
(ア)両意匠の共通点について
(ア-1)両部分の位置,大きさ及び範囲について
上記のとおりイ号意匠は本件部分を,ほぼそのまま含んでおり,両部分の位置,大きさ及び範囲においての重複した共通性は極めて顕著であって,この点が類比判断に与える影響は大きいというべきである。
(ア-2)両部分の機能及び用途について
両部分の機能及び用途のうち,コードレスクリーナースタンド正面・側面視おける外郭形状と,ブラシ収納における筐体内郭形状を概ね決し,支柱正面に水平直角に実装するという点の共通性は,コードレスクリーナースタンドの外観形状を特徴付けるものであって,両部分の主たる役割といえることから,類比判断において重視すべき点である。
(ア-3)両部分の形態について
共通点1ないし9は,コードレスクリーナースタンド正面・側面における外郭形状と,ブラシ収納部の内郭形状を概ね決する部分であって,需要者の注意を惹き,両意匠のブラシ収納での機能形態に強い共通性を付与するものである。
よって,共通点1ないし9は,本件登録意匠の要部をなすコードレスクリーナースタンドにおけるブラシ収納棚を形成するものであり,新規かつ視覚的に顕著なもので,需要者の注意を強く惹くことから,両意匠の類比判断に大きな影響を与えるものである。
(イ)両意匠の差異点について
(イ-1)両部分の位置,大きさ及び範囲について
両部分に見られる筐体横幅拡張と複数展開は,付加的なものに過ぎないものであり,類比判断に与える影響は微弱である。
(イ-2)両部分の機能及び用途について
本件登録意匠と同一機能,同一用途である。
(イ-3)両部分の形態について
差異点1は,限られた一部分における差異に過ぎないものであり,共通点のもとに重複し,両意匠の類比判断に与える影響は微弱である。
差異点2は,筐体横幅拡張と複数展開は,付加的なものに過ぎないものであり,類比判断に与える影響は微弱である。
差異点3は,筐体固定に用いられる切削部分であり,本件部分の範囲内に属し,意匠での類比判断に与える影響は微弱である。
(イ-4)本件部分は願書及び図面において素材に関して何ら言及しておらず素材を特定したものではない。イ号意匠においてプリント化粧合板素材を用いた点は,特段新規な特徴となるものではない。以上より,色彩及び素材は,意匠での類比判断において考慮されるものではない。
(ウ)両意匠の類比
以上に述べたとおり,共通点が本件部分の要部にあたり,両意匠に強い共通性を付与しているのに対し,差異点はいずれも微弱な要素である。
よって,両意匠を全体的に対比観察した場合,共通点が差異点をはるかに凌駕し,需要者の視覚を通じて共通の美観と同一機能を与えており,イ号意匠は本件登録意匠に類似するというべきである。
したがって,イ号意匠は,本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属し,本件請求の趣旨どおりの判定を求める。

3 証拠方法
甲第1号証 意匠登録第1608951号 公報の抜粋
甲第2号証の1 イ号意匠物品全体における本件相当部実装における
全体斜視(実写画像)
甲第2号証の2 イ号意匠物品全体における本件相当部実装における
実物取扱説明書より抜粋
甲第2号証の3 イ号意匠物品全体における本件相当部実装における
実物取扱説明書より抜粋
甲第2号証の4 本件相当部 上段筐体の正面図・平面図・側面図・
底面図
甲第2号証の5 本件相当部 上段筐体の正面部・平面部・側面部・
底面部(実写画像)
甲第2号証の6 本件相当部 下段筐体の正面図・平面図・側面図・
底面図
甲第2号証の7 本件相当部 上段筐体の正面図・平面図・側面図・
底面図(実写画像)
甲第2号証の8 本件相当部・棚板部・上段・下段 平面斜視・
底面斜視(実写画像)
甲第3号証の1 意匠登録第1553690号
甲第3号証の2 意匠登録第1567024号

<イ号物品の通信販売サイト>
「Amazon.Co.jp」
店舗名:グッズアベニュー
運営会社:株式会社コンポジット
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:ottostyle.jp コードレス掃除機
クリーナー用木製スタンド 壁に穴を開けずに設置
できる専用ツールも収納可能 V10 V8 V7
V6 DC74 DC62 DC61 DC59
DC58 DC45 DC35 シリーズ対応
製造元リファレンス:al2537

「楽天ショッピング」
店舗名:マックスシェアー
販売者:株式会社 クローバー
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:【1年保証】ダイソン専用コードレススタンド
クリーナー掃除機スタンド ダイソンスタンド
V11/V10/V8/V7/V6/DC74/
DC62/DC61/DC59/DC58
シリーズ専用掃除機スタンド
ダイソン専用スタンド付属品収納[送料無料]
URL:https://item.rakuten.co.ip/maxshare/a12537/

「楽天ショッピング」
店舗名:プランB
販売者:株式会社 クローバー
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:<1年保証>ダイソン専用コードレススタンド
クリーナー掃除機スタンド ダイソンスタンド
V11/V10/V8/V7/V6/DC74/
DC62/DC61/DC59/DC58
シリーズ専用掃除機スタンド
ダイソン専用スタンド付属品収納[送料無料]
URL:https://item.rakuten.co.ip/happyll/al2537/

「Yahoo ショッピング」
店舗名:マックスシェアーヤフー店
販売者:株式会社 クローバー
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:ダイソン スタンド ダイソンスタンド 収納 便利
クリーナースタンド ダイソン スタンド 掃除機
収納 木製 壁掛け おしゃれ コードレスクリーナ
ー 送料無料
JANコード/ISBNコード:4571451291744

「Yahoo ショッピング」
店舗名:バーゲンプライス
販売者:株式会社 ワンダラー
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:クリーナースタンド ダイソン スタンド 掃除機
収納 木製 壁掛け おしゃれ コードレスクリーナ
ー 送料無料
JANコード/ISBNコード:4571451291744

「Yahoo ショッピング」
店舗名:クレイジープライス
販売者:株式会社 クローバー
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-4-4フィールド北参道6F
商品タイトル:ダイソン スタンド ダイソンスタンド 収納 便利
クリーナースタンド ダイソン スタンド 掃除機
収納 木製 壁掛け おしゃれ コードレスクリーナ
ー 送料無料
JANコード/ISBNコード:4571451291744


第3 被請求人の答弁の趣旨及び理由
特許庁より被請求人に対し,令和1年7月19日に判定請求書副本及び手続補正書副本並びに回答書副本を発送し,期間を指定して答弁書の提出を求めたが,被請求人からの応答はなかった。


第4 当審の判断
1 本件登録意匠
本件登録意匠は,その願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「コードレスクリーナースタンド」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりであり,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。部分意匠を受けようとする棚板の拡大図の平面図,底面図を示している。」(以下,当該部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本件部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。

そして,具体的には,本件部分は,コードレスクリーナーを収納するスタンドに設けた4段の棚板部分であり,その「用途及び機能」,「位置,大きさ及び範囲」並びに「形状」を以下のとおりとしたものである。
なお,願書に添付した図面は,正投影図法により記載されているところ(意匠法施行規則第3条様式第6備考8),「平面図」,「底面図」,「実線部分の拡大平面図」及び「実線部分の拡大底面図」については,上下逆さに表したものであるから,以下,正しい向き(180度回転させた状態)で認定する。

(1)本件部分の用途及び機能
本件部分は,コードレスクリーナーに付属する交換用吸い込み口を,その継ぎ手部を嵌通させて保持する,という用途及び機能を有するものである。

(2)本件部分の位置,大きさ及び範囲
本件部分は,コードレスクリーナーを収納するスタンドの正面の下半部の位置にあり,大きさについては,係止孔の直径(大きい略円形の方の直径)を1とした場合に,各棚板の奥行き,横幅及び厚みを約2.5×2.5×0.5とし,範囲については,4か所部分(4段からなる全棚板部分)としたものである。

(3)本件部分の形状
本件部分である4段の棚板部分は,いずれも平面視略正方形の板状体とし,背板に水平に設けたものであって,各棚板の前方寄りの左右方向中央に,上面から下面へ鉛直に貫通する係止孔をそれぞれ1個設け,いずれの係止孔も,平面視で大きな略円形の上に小さな略円形を載せ,大きい略円形の左右にごく小さな半円形の切り欠き部を突出させたもの(以下「略達磨形」ともいう。)である。

2 イ号意匠
イ号意匠は,甲第2号証の2(別紙第2参照)の記載によれば,意匠に係る物品を「コードレスクリーナースタンド」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合は,甲第2号証の1及び4ないし8に表したとおりのものであり(甲第2号証の1,5及び7について,別紙第3参照),イ号意匠において本件部分に相当する部分を,以下「イ号部分」と称する。

そして,具体的には,イ号部分は,コードレスクリーナーを収納するスタンドに設けた2段の棚板部分であり,その「用途及び機能」,「位置,大きさ及び範囲」並びに「形状」を以下のとおりとしたものである。
なお,甲第2号証の4ないし7の図面中,「平面図」及び「底面図」については,本件意匠と同様に上下逆さに表したものであるから,以下,正しい向き(180度回転させた状態)で認定する。

(1)イ号部分の用途及び機能
イ号部分は,コードレスクリーナーに付属する交換用吸い込み口を,その継ぎ手部を嵌通させて保持する,という用途及び機能を有するものである。

(2)イ号部分の位置,大きさ及び範囲
イ号部分は,コードレスクリーナーを収納するスタンドの正面の下半部の位置にあり,大きさについては,係止孔の直径(略円形の直径)を1とした場合に,各棚板の奥行き,横幅及び厚みを約2×8×0.4とし,範囲については,2か所部分(2段からなる全棚板部分)としたものである。

(3)イ号部分の形状
イ号部分である2段の棚板部分は,いずれも平面視で縦横比が約1対4の横長長方形の板状体とし,水平に,背板及び側板に設けたものであって,棚板の上面から下面へ鉛直に貫通する係止孔を,上段の棚板においては,前方寄りの左右方向中央に1個,下段の棚板においては,前方寄りの左右に2個設け,いずれの係止孔も,平面視正円形とし,その左右にごく小さな半円形の切り欠き部を突出させたもの(以下「略円形」ともいう。)である。

3 両意匠の対比
以下,本件意匠とイ号意匠を併せて「両意匠」といい,本件部分とイ号部分を併せて「両部分」という。
(1)両意匠の意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,どちらも「コードレスクリーナースタンド」である。

(2)両部分の用途及び機能
両部分は,どちらもコードレスクリーナーに付属する交換用吸い込み口を,その継ぎ手部を嵌通させて保持する,という用途及び機能を有するものである。

(3)両部分の位置,大きさ及び範囲
両部分は,どちらもコードレスクリーナーを収納するスタンドの正面下半部の位置にあるもので,大きさについては,本件部分は,係止孔の直径を1とした場合に,各棚板の奥行き,横幅及び厚みを約2.5×2.5×0.5とするのに対して,イ号部分のそれは,約2×8×0.4とし,範囲については,本件部分は,4か所部分(4段からなる全棚板部分)であるのに対して,イ号部分は2か所部分(2段からなる全棚板部分)である。

(4)両部分の形状
両部分の形状を対比すると,主として以下の共通点及び相違点が認められる。
ア 共通点
(ア)各棚板の平面視の外形状を同一とした点。
(イ)各棚板を水平に設けた点。
(ウ)各棚板に上面から下面へ鉛直に貫通する係止孔を設けた点。
(エ)各係止孔の位置を各棚板の前方寄りとした点。
(オ)各係止孔の形状を同一とした点。
(カ)各係止孔の左右にごく小さな半円形の切り欠き部を突出させた点。

イ 相違点
(ア)各棚板の平面視の外形状について,本件部分は,略正方形としたのに対して,イ号部分は,縦横比を約1対4とする横長長方形とした点。
(イ)各係止孔の平面視の形状について,本件部分は,略達磨形としたのに対して,イ号部分は,略円形とした点。
(ウ)各棚板における係止孔の個数について,本件部分は,全ての棚板に1個設けたのに対して,イ号部分は,上段の棚板に1個,下段の棚板に2個設けた点

4 類否判断
(1)両意匠の意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品については,どちらも「コードレスクリーナースタンド」であって,コードレスクリーナー及びその付属品を収納するためのものであり,その使用目的及び使用状態が一致しているといえるから,同一である。

(2)両部分の用途及び機能について
両部分の用途及び機能については,どちらもコードレスクリーナーに付属する交換用吸い込み口を,その継ぎ手部を棚板に設けた係止孔に嵌通させて保持するものであるから,同一である。

(3)両部分の位置,大きさ及び範囲について
両部分の位置については,同一と認められ,大きさ及び範囲については,相違するものの,その相違はありふれた範囲内のものと認められるから,両部分の位置,大きさ及び範囲は,類似する。

(4)両部分の形状について
ア 共通点の評価
ア 共通点の評価
共通点(ア)及び共通点(イ)については,棚板として極めてありふれた態様であり,両部分のみの特徴とはいえないから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点(ウ)及び共通点(オ)については,両部分の係止孔の形状を概念的に捉えたに過ぎないものであって,具体的に見れば,相違点(イ)として挙げたように,両部分の形状は大きく異なるから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点(エ)については,需要者が注意を惹く程のものではないから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点(カ)については,半円形の切り欠き部は,審判請求人が請求書に提示した「イ号物品の通信販売サイト」の記載内容によれば,係止孔に嵌入される交換用吸い込み口の継ぎ手部の外周面に形成された筋状凸部に対応させたものであり,当該切り欠き部の有無によって吸い込み口が嵌るか否か決まることから,一定の共通感をもたらすものといえるが,当該切り欠き部の形状が半円形状である点は,前記筋状凸部の形状に基づいたものに過ぎないし,当該切り欠き部はごく小さいものであるから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,相違点(イ)をくつがえす程ではなく,限定的といわざるを得ない。

イ 相違点の評価
相違点(ア)については,両部分共に棚板の平面視外形状としてはありふれたものといえるとしても,一見して気が付く寸法差と外形の相違であるから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
相違点(イ)については,両部分の用途及び機能からすると,係止孔は,両部分において需要者が特に注意を惹く部分であるといえ,その形状が略達磨形であるか,それとも略円形であるかの相違は,両部分について著しく異なる印象をもたらすから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,極めて大きい。
相違点(ウ)については,本件部分が統一感のあるシンプルな印象を与えるのに対して,イ号部分は,そのような印象を与えないから,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。

ウ 両部分の形状の類否
両部分について部分の形状を全体として総合的に観察した場合,上述の両部分の形状における共通点及び相違点の評価に基づけば,共通点(ア)ないし(オ)は,いずれも両部分の形状の類否判断に及ぼす影響が小さく,共通点(カ)は,限定的であるのに対して,相違点(イ)の係止孔の形状の相違は,両部分の形状の類否判断に及ぼす影響が極めて大きく,その余の相違点も加わって,両部分の形状の類否判断を決するものといえるから,イ号部分の形状は,本件部分の形状に類似するものではない。

(5)両意匠の類否
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が同一,両部分の用途及び機能が同一,両部分の位置,大きさ及び範囲が類似するものの,両部分の形状は類似せず,両意匠において需要者に異なる美感を起こさせるから,イ号意匠は,本件意匠に類似するものとはいえない。

(6)判定請求人の主張について
前記(1)ないし(5)のとおりであるから,判定請求人の主張は採用することができない。
なお,判定請求人は,本件部分のうち達磨形の係止孔について,小さい方の略円形の孔は,配線のためのものであり,当該孔の有無は,限られた一部分の相違に過ぎない旨主張するが,当該孔が配線のためのものである点については,本件意匠の願書及び願書に添付した図面からは認識することができず,仮に,当該孔が配線のためのものであるとしても,大きい方の略円形の孔の上部に一体的に形成されて,視覚的には孔全体が達磨形として認識されるものであり,本件部分の要部における形状に関わる相違と認められるから,小さい方の略円形の孔の存在を軽視した主張は採用することができない。

5 むすび
以上のとおりであって,イ号意匠は,本件登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属しない。
よって,結論のとおり判定する。
別掲
判定日 2019-10-23 
出願番号 意願2017-29693(D2017-29693) 
審決分類 D 1 2・ 1- ZB (C3)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 和之 
特許庁審判長 木村 恭子
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2018-06-22 
登録番号 意匠登録第1608951号(D1608951) 

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