ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C4 |
---|---|
管理番号 | 1364980 |
審判番号 | 不服2017-3684 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-03-13 |
確定日 | 2017-07-31 |
意匠に係る物品 | 歯間清掃具 |
事件の表示 | 意願2016-441「歯間清掃具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,部分意匠として意匠登録を受けようとする,平成28年(2016年)1月12日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「歯間清掃具」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「赤色で着色された部分以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたもの(以下,本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)である(別紙第1参照)。 2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁から発行された登録実用新案公報に記載の実用新案登録第3193691号において,【図1】ないし【図3】に表された「歯間清掃具の意匠(略U字状杆の内側壁部分)」(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。そして,歯間清掃具の意匠中,略U字状杆の内側壁部分を「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものある(別紙第2参照)。 3.当審の判断 (1)意匠に係る物品について 両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,両意匠ともに「歯間清掃具」であるから,一致している。 (2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ,及び範囲 両部分はともに,略U字状杆の内側壁部分であるから,その用途及び機能,並びに位置,大きさ,及び範囲は一致する。 (3)形態について 両部分の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。 (3-1)共通点 略U字状杆の内側壁が,先細りであって,その先端を断面形状で,円弧状としている点で共通している。 (3-2)相違点 それに対して,内側壁の具体的な形状(断面形状)につき,本願部分は,正面と背面の両面に,幅広い傾斜面を設けた先に,小さな円弧状面を形成しているのに対して,引用部分は,傾斜面を設けず,単に半円弧状面としている点で相違する。 (4)類否判断 両部分の形態を検討すると,共に内側壁が先細りになっているという共通点で,一見共通感が生じている。 しかし,相違点によって,本願部分には,正面又は背面からの観察で,内側壁部分の7割程度の直線的部分(平坦な傾斜面)が認められ,シャープな感じを醸し出すのに対して,引用部分は,半円弧状面であるから,柔らかな感じを生み出しており,この相違点は,共通感を越える異なった印象を両部分に与えるものであるから,需要者に両部分の形態は別異であると認識させるものといえる。 したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が一致しているが,両部分の形態は,類似しないから,両意匠は類似しているとはいえない。 4.結び 以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審決日 | 2017-07-14 |
出願番号 | 意願2016-441(D2016-441) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(C4)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 桐野 あい、伊藤 宏幸 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 正田 毅 |
登録日 | 2017-08-18 |
登録番号 | 意匠登録第1585652号(D1585652) |
代理人 | 片山 礼介 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 柳生 征男 |