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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1366122 |
審判番号 | 不服2020-3615 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-03-17 |
確定日 | 2020-09-08 |
意匠に係る物品 | 作業機用操縦ハンドル |
事件の表示 | 意願2019- 10265「作業機用操縦ハンドル」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 事案の概要 1 手続の経緯 本願は,令和1年(2019年)5月13日の意匠登録出願であって,同年8月19日付けの拒絶理由の通知に対し,同年9月24日に意見書が提出されたが,同年12月11日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,令和2年3月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 本願意匠の願書及び添付図面の記載 本願の意匠は,意匠に係る物品を「作業機用操縦ハンドル」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(以下「本願意匠」という。)(別紙第1参照)。 3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠 原査定の拒絶の理由は,本願意匠が,その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する,というものである。 拒絶理由通知において引用された意匠は,特許庁総合情報館が2001年3月6日に受け入れた,2001年2月1日発行の大韓民国意匠商標公報(CD-ROM番号:2001-02)に記載された,意匠登録第30-0269891号の「ハンドル」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH14601095号) であって,その形態を,同公報に記載されたとおりとしたものである(以下「引用意匠」という。)(別紙第2参照)。 第2 当審の判断 1 本願意匠と引用意匠の対比 (1)意匠に係る物品の対比 本願意匠の意匠に係る物品は,「作業機用操縦ハンドル」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「ハンドル」であって,その記載は一致しないものであるが,いずれも車両を操作するためのハンドルであるから,本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,その用途及び機能が共通する。 (2)形態の対比 両意匠の形態を対比する(以下,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。)と,その形態には,主として以下の共通点及び相違点が認められる。 ア 形態の共通点 (共通点1)両意匠は,全体の形態を,略小円柱状のハンドル中央部分(以下「ハンドル中央部」という。)から略円環状のハンドル本体部分(以下「ハンドル本体部」という。)に向かって,略棒状のステアリングスポーク(以下「スポーク部」という。)を3本,正面視略Y字状の配置態様で設けた構成が共通する。 (共通点2)両意匠は,ハンドル中央部の形態を,その正面側部分を略円錐台状とし,この上面にあたる円板状端部に,僅かに縁部を設けて円形状のホーンパットを配設している点が共通する。 (共通点3)両意匠は,スポーク部の基本的な形態を,ハンドル本体部との接合部分を正面視略ラッパ状に形成した,ハンドル本体部側が窄まった略棒状とし,これら3本をハンドル中央部から正面側に向かって斜め上方になるように配設した点が共通する。 イ 形態の相違点 (相違点1)本願意匠の各スポーク部の具体的な形態が,周面を曲面とする略円柱状の棒状体とし,その正面部分にハンドル本体部側の先端角部分を隅丸とし,その左右辺部分を背面側に向かって傾斜する傾斜面とした正面視略細長二等辺三角形状の凸状部(以下「三角凸状部」という。)を形成したものであるのに対し,引用意匠のスポーク部の具体的な形態が,周面を断面視略正方形とする略角柱状の棒状体としたものである点で,両意匠は相違する。 (相違点2)本願意匠のハンドル中央部とスポーク部の取付部分の形態が,各スポーク部における三角形凸状部の部分をハンドル中央部の略円錐台状の部分に接合し,その他の部分をハンドル本体部の略円柱状の部分に接合しているのに対し,引用意匠のハンドル本体部とスポーク部の取付部分の形態が,各スポーク部全体をハンドル本体部の略円柱状の部分に接合している点で,両意匠は相違する。 (相違点3)本願意匠のハンドル本体部の具体的な形態が,スポーク部の取付部分付近のハンドル本体部全体の略1/9の範囲において,その両端部分に斜めになるように形成した環状凹溝部を1条ずつ設け,その背面側には波状の凹凸部分(以下「波状凹凸部」という。)を形成していないものであるのに対し,引用意匠のハンドル本体部の具体的な形態が,ハンドル本体部に環状凹溝部を設けず,ハンドル本体部背面側全体に波状凹凸部を形成しているものである点で,両意匠は相違する。 2 両意匠の類否判断 (1)意匠に係る物品についての判断 両意匠の意匠に係る物品は,その用途及び機能が共通するから,類似するものである。 (2)形態の類否についての判断 ア 共通点の評価 (共通点1)は全体の形態に係るものであるが,両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点にすぎないものであるから,この(共通点1)が意匠全体の美感に与える影響は小さい。 (共通点2)のハンドル中央部の形態,(共通点3)のスポーク部の基本的な形態については,この種物品において本願意匠出願前から既にみられる基本的な構成態様に係るものであって,両意匠のみに認められる格別の特徴であるとはいえないから,これらの(共通点2)及び(共通点3)が意匠全体の美感に与える影響は小さい。 イ 相違点の評価 (相違点1)は,各スポーク部の具体的な形態の相違であって,本願意匠が,この物品の使用時に目につくスポーク部の正面部分に,従来のものには見られない三角凸状部を形成した特徴的な形態であるとの印象を与えるのに対し,引用意匠は,従来から普通に見られる略角柱状の棒状体であるとの印象を与えるから,両意匠は各スポーク部の美感に大きな相違がある。 (相違点2)は,ハンドル中央部とスポーク部の取付部分の形態に係る相違であって,本願意匠が,スポーク部正面側に肉厚な三角凸状部を付加的に形成し,ハンドル本体部とスポーク部をしっかりと補強して接合したものとの印象を与えるのに対し,引用意匠は,従来から見られるような方法で単にスポーク部を接合したものとの印象を与えるから,両意匠はハンドル本体部とスポーク部の取付部分の美感に大きな相違がある。 (相違点3)は,ハンドル本体部の具体的な形態の相違であって,本願意匠の,スポーク部の取付部分付近に環状凹溝部を形成し,その環状凹溝部間の背面側には波状凹凸部を形成していない点が,引用意匠の,環状凹溝部を設けず,ハンドル本体部背面側全体に波状凹凸部を形成している点と相違するものの,本願意匠及び引用意匠のこれらの形態は,いずれも従来から既にみられるものであるから,この(相違点3)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度のものである。 ウ 形態の類否判断 両部分の形態における各共通点及び相違点についての個別評価に基づき,意匠全体として全ての共通点及び相違点を総合的に観察した場合,両意匠は,その使用時において目につく部分である各スポーク部の具体的な形態やハンドル中央部とスポーク部の取付部分の形態の美感が大きく異なるものであり,両意匠の全体の構成態様や各部の基本的な形態が共通することを考慮しても,意匠全体として観察した際に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠の形態は類似しないものである。 3 小括 以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が類似するものであるが,その形態において類似しないから,本願意匠と引用意匠は類似するということはできない。 第3 むすび 上記のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2020-08-24 |
出願番号 | 意願2019-10265(D2019-10265) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤澤 崇彦 |
特許庁審判長 |
木村 恭子 |
特許庁審判官 |
渡邉 久美 江塚 尚弘 |
登録日 | 2020-09-24 |
登録番号 | 意匠登録第1669964号(D1669964) |
代理人 | 特許業務法人R&C |