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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2
管理番号 1373843 
審判番号 不服2020-14831
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-23 
確定日 2021-05-27 
意匠に係る物品 自動車用リアコンビネーションランプ 
事件の表示 意願2019- 29260「自動車用リアコンビネーションランプ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和1年(2019年)12月27日の意匠登録出願であって、令和2年(2020年)6月24日付けの拒絶理由の通知に対し、同年7月21日に意見書が提出されたが、同年8月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年10月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「自動車用リアコンビネーションランプ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を、「図面代用写真中、青色に着色された部分以外の部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当し、意匠登録を受けることができないとしたものであって、当該拒絶の理由に引用された意匠は、下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2019年 1月18日に受け入れたユーアイ通商株式会社発行の内国カタログ「vehicle CREATION OF A DREAM vol.10.1」の
第57頁に所載された
自動車用尾灯の意匠のうち、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC31002906号)

第4 対比
1 意匠に係る物品の対比
本願意匠の意匠に係る物品は、「自動車用リアコンビネーションランプ」であり、引用意匠の意匠に係る物品は、「自動車用尾灯」であるが、ともにブレーキランプやリフレクター等を一体的に形成した、車体後部に取り付ける自動車用リアコンビネーションランプであるから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は一致する。

2 本願部分と引用部分の用途及び機能の対比
本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)は、いずれも自動車用リアコンビネーションランプを構成するカバー部、発光部及びリフレクター部に係る部分であるから、その用途及び機能は一致する。

3 両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分は、いずれも自動車用リアコンビネーションランプを車体に取り付けた際に表出する部位に係るものであるから、その位置、大きさ及び範囲が一致する。

4 両部分の形態の対比
(1)形態の共通点
両部分は、(A)カバー部を正面視の上端側右辺部分を左に向かって大きく湾曲した略刀身形状とし、内部には、下の区画から、横長長方形状のリフレクター部を設け、その上に横長長方形状の発光部(以下、水平発光部という。)を設け、さらにその上に垂直方向に伸びる複数の赤色発光部(以下、垂直発光部という。)を設けた基本的構成態様が共通する。
そして、具体的な構成態様として、(B)カバー部の左側面部の上方から約2/7の位置に、正面視略円弧状の凹み部を1条形成している点、(C)凹み部を挟んだ上下の位置で、左側面から正面側にかけて湾曲する角部分に、側面視略横筋状のフィンを2条ずつ平行に形成している点が共通する。

(2)形態の相違点
(ア)本願部分のカバー部は全体が無色透明であるのに対して、引用部分のカバー部は下方の水平発光部の区画部分が無色透明であるが、その余は赤色透明である点が相違する。
(イ)本願部分のリフレクター部は3段の横向き階段状であるのに対して、引用部分のリフレクター部の形態は不明である点が相違する。
(ウ)本願部分の水平発光部は、表面が白色で鍵盤状の発光体を若干の間隔を空けて上下に3列配しているのに対して、引用部分の水平発光部は複数のブロック状の発光体を埋め込んだ上下2段からなる発光部を構成している点が相違する。
(エ)垂直発光部について、(エ-1)本願部分の正面左側には、左端の垂直発光部に囲まれるように略縦長直方体状の黄色発光体を1条設けているのに対して、引用部分にはそのような黄色発光体はない点、(エ-2)本願部分は3つの屈曲部の位置が上下方向でずれており、屈曲後は幅が僅かに広がっていき、右側の垂直発光部ほど幅を大きく形成しているのに対して、引用部分は、中央と右側の垂直発光部の屈曲部の位置が同じであって、屈曲後は各々若干先すぼまりとし、左側の垂直発光部は、中央の垂直発光部の屈曲した内側部分に配している点、(エ-3)本願部分は屈曲部が角張っているのに対して、引用部分の屈曲部は丸みを帯びている点、(エ-4)引用部分は、垂直発光部の間に複数の略縦長小矩形状の黒色発光体を直列に並べた発光体を設けているのに対して、本願部分にはそのような発光体はない点が相違する。

第5 判断
1 意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

2 両部分の用途及び機能の類否判断
両部分の用途及び機能は、同一である。

3 両部分の位置、大きさ及び範囲の評価
両部分の位置、大きさ及び範囲は、物品全体の形態の中における位置、大きさ及び範囲が一致するから、同一である。

4 両部分の形態の共通点及び相違点の評価
両部分は、自動車用リアコンビネーションランプを車体に取り付けた際に表出する部位に係るものであって、当該部分は、この物品の購入者である需要者にとってみれば強い関心を持って観察する部分であるから、外形状や外観に表れる具体的な態様及び色彩による視覚的印象の影響について評価することとする。

(1)共通点の評価
共通点(A)の基本的構成態様が共通する両部分は、意匠の基調において共通しているといえ、共通点(B)及び(C)は目に付きやすいカバー外観に係るものであるから、これらの共通点が需要者に与える視覚的印象は一定程度認められる。

(2)相違点の評価
相違点(ア)は目に付きやすいカバー外観に係る相違であるから、類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
相違点(イ)はコンビネーションランプの中で特に目立つものではなく、その形態も需要者が注目するとはいえないリフレクター部に限られた相違であり、ともに下端に横長長方形状に区画したという点ではむしろ共通しているから、共通点(A)の基本的構成態様の共通性に包摂される程度の差異にすぎず、この相違点が類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点(ウ)の水平発光部の態様については、上下3列であるか、一体のものであるかといった具体的な構成や、発光部の形態も鍵盤状であるか複数のブロック状であるかといった点で異なっており、相違点(エ)の垂直発光部の態様についても、特に(エ-1)及び(エ-4)の発光体の有無の相違は、需要者の目を惹くものであって、これらが相違点(ア)のカバー部の色彩の構成とあいまって、需要者に異なる視覚的印象を与えるものといえ、これらの相違点が部分全体の類否判断に及ぼす影響は大きい。

5 両意匠の類否判断
両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察した場合、両部分は、垂直発光部及び水平発光部の美感に大きな差異があり、カバー部の色彩の構成とあいまって、需要者に異なる美感を与え、これらを総合すると、両部分は全体として美感に大きな差異があるといえる。そうすると、部分全体の基本的構成態様や、カバー部の形状が共通することを考慮しても、意匠全体として観察した際に異なる美感を起こさせるものといえる。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲が同一であるが、その形態において、需要者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しない。

第6 むすび
以上のとおり、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2021-05-12 
出願番号 意願2019-29260(D2019-29260) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (G2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 竹下 寛 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 井上 和之
江塚 尚弘
登録日 2021-06-03 
登録番号 意匠登録第1688171号(D1688171) 
代理人 飯田 貴敏 
代理人 山本 健策 
代理人 森下 夏樹 
代理人 石川 大輔 
代理人 山本 秀策 
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