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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5
管理番号 1373844 
審判番号 不服2020-14428
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-14 
確定日 2021-05-25 
意匠に係る物品 タンブラー 
事件の表示 意願2019- 10315「タンブラー」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,令和1年(2019年)5月13日の意匠登録出願であって,令和2年2月27日付けの拒絶理由の通知に対し,同年4月14日に意見書が提出されたが,同年7月6日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年10月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「タンブラー」としたものであって,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないとしたものであって,当該拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁から2011年10月31日に発行された意匠公報に記載の意匠登録第1426054号の「タンブラー」の意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であり,その形状は,同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

第4 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,共に「タンブラー」であり,周壁部と底部を中空の二重面にした断熱効果のある飲物用のコップと認められる。
(2)形状
(2-1)共通点
両意匠は,共に下方へ向かって緩やかに側面視凸弧状から凹弧状に反転させて,下方を少し細くした縦長の有底略円筒形であって,底面の形状は,浅い凹部を形成したものであり,断面図によれば,上端を除く周壁部と底部は,肉厚が薄い外側面と内側面から成る中空の二重面としたものである。
(2-2)相違点
相違点1:高さと上端の直径の寸法比について,本願意匠は,約2対1としたものであるのに対して,引用意匠は,約1.5対1としたものである。
相違点2:外周形状のうち前記凸弧状の部分と凹弧状の部分の反転する高さ位置について,本願意匠は,全体の約2分の1の高さ位置としたものであるのに対して,引用意匠は,全体の約5分の3の高さ位置としたものである。
相違点3:外周形状のうち上方の部分について,本願意匠は,前記凸弧状の部分は全体の約7分の6の高さ位置までとし,その上から上端までの部分を垂直状とした形状であるのに対して,引用意匠は,最大径のピークを越して上すぼまりになるまで弧状は延伸し,その上は僅かな部分を直線状とした形状である。
相違点4:外周形状のうち下方の部分について,本願意匠は,前記凹弧状の部分は全体の約10分の3の高さ位置までとし,その下から下端までの部分をほぼ直線状に僅かに拡径した末広がりとしたものであるのに対して,引用意匠は,前記凹弧状の部分は全体の約6分の1の高さ位置までとし,その下から下端までの部分を垂直状としたものである。
相違点5:底面に形成した浅い凹部について,本願意匠は,2段の浅い凹部から成り,その中央に円錐台形状の凹部を設けたものであるのに対して,引用意匠は,1段の浅い凹部から成り,その中央に凹部は設けていないものである。
相違点6:内側面の底部の形状について,本願意匠は,中央を緩やかな凸曲面状としたものであるのに対して,引用意匠は,緩やかな凹曲面状としたものである。

2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品は,共に「タンブラー」であり,両意匠共に断熱効果のある飲物用のコップと認められるから,同一といえる。
(2)形状について
(2-1)共通点の評価
前記1で認定した両意匠の形状における共通点は,物品全体の形状を概括したものであり,この種物品においては,両意匠のみに見られる特徴とまでいえるものではないから,当該共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,一定程度にとどまる。
(2-2)相違点の評価
相違点1ないし4は,高さと上端の直径の寸法比に係る相違及び外周形状に係る相違であるが,これらの相違が相まって,本願意匠はすらりとした,安定感のある形状,引用意匠はずんぐりとした,やや不安定な形状,という異なる印象を需要者にもたらすものであるから,これらの相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点5は,底面に形成した浅い凹部に係る相違であるが,通常の使用時には目にふれることがない部分における相違であり,物品全体の形状から見れば部分的であり,軽微な相違といえるから,当該相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
相違点6は,内側面の底部の形状に係る相違であるが,外側面からは見えず,内側面の底部という目にふれにくい部分に係る相違であるから,当該相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(2-3)形状の類否
両意匠の形状の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであって,相違点1ないし4が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,共通点のそれを凌駕するものといえるから,両意匠の形状は類似しない。
(3)小括
そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は同一であるが,形状は類似しないから,本願意匠は,引用意匠に類似するものではない。

3 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2021-05-10 
出願番号 意願2019-10315(D2019-10315) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C5)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前畑 さおり 
特許庁審判長 木村 恭子
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2021-06-01 
登録番号 意匠登録第1688014号(D1688014) 
代理人 坪内 康治 
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