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審決分類 審判 査定不服  1項柱書物品 取り消して登録 H1
管理番号 1380969 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-19 
確定日 2021-04-13 
意匠に係る物品 ひずみゲージ 
事件の表示 意願2019− 16075「ひずみゲージ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和元年(2019年)7月17日の意匠登録出願であって、令和2年5月15日付けの拒絶理由通知書に対し、同年6月1日に意見書が提出されたが、同年8月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願の意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「ひずみゲージ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって、願書の記載によれば、意匠に係る物品の説明を「本物品は、例えば、金属、プラスチックなどの被測定物(起歪体)に貼り付けられ、外部からの荷重(力)やトルクによって生ずる当該起歪体の変化(ひずみ)を電気抵抗の変化として電気信号に変換し、その電気信号を外部へ伝達するためのものである。「各部の名称を示す参考平面図」に示したように、意匠登録を受けようとする部分は、グリッド抵抗、接続パターン部及び電極タブである。グリッド抵抗は、起歪体の変化(ひずみ)を電気抵抗の変化として電気信号に変換する機能を有する。接続パターン部は、グリッド抵抗と電極タブを電気的に接続する機能を有する。電極タブは、本物品と外部機器を電気的に接続するための機能を有する。」とし、意匠の説明を「実線で表された部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下、本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないというものであり、具体的には以下のとおりである。
「この意匠の意匠に係る物品である「ひずみゲージ」の属する分野において、「グリッド抵抗」とは、一般に細い導電部をつづら折りにするしたもの(注)が視覚観察されることが認められますが、この意匠登録出願の「意匠に係る物品の説明」の欄において、意匠登録を受けようとする部分には「グリッド抵抗」が含まれている旨記載がある一方で、当該グリッド抵抗部とされる部分は、平面図中央やや左に単純な矩形で描かれています。
このため、この意匠登録出願の意匠は、グリッド抵抗の形状を概念的に矩形であらわしたものと認められ、一の具体的な意匠を特定することができません。

(注)例えば、意匠登録第1561634号の意匠の平面図及び底面図において中央から左にかけて破線であらわされた部分 」

第4 当審の判断
以下、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するか否かについて検討する。

1 本願意匠
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品(以下「本願物品」という。)は、「ひずみゲージ」であって、被測定物に貼り付けて、外部からの荷重(力)やトルクによって生ずる当該起歪体の変化(ひずみ)を電気抵抗の変化として電気信号に変換し、その電気信号を外部へ伝達するためのものである。

(2)本願部分の用途及び機能
本願部分は、ゲージとベースからなるひずみゲージのうち、ベースを除いた部分の用途及び機能を有するものである。ゲージは、グリッド抵抗部、接続パターン部及び電極タブ部からなり、前記第2の願書の意匠に係る物品の説明の記載によれば、グリッド抵抗部は、起歪体の変化(ひずみ)を電気抵抗の変化として電気信号に変換する機能を有するものであり、接続パターン部は、グリッド抵抗と電極タブを電気的に接続する機能を有するものであり、電極タブ部は、本物品と外部機器を電気的に接続するための機能をそれぞれ有するものである。

(3)本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分は、平面図において、破線によって表れた略正方形状のベースの略中央に位置し、その大きさ及び範囲は、ベース全体の縦横幅において約6割を占める大きさ及び範囲とするものである。

(4)本願部分の形態
本願部分は、平面視において、電極タブ部、接続パターン部及びグリッド抵抗部を、略隅丸正方形状とする範囲内に配置して、大略C字状に形成してなるものであり、右上から反時計回りに略隅丸正方形状の電極タブ部、倒逆J字状の接続パターン部、略縦長長方形状のグリッド抵抗部、倒J字状の接続パターン部及び略隅丸正方形状の電極タブ部を、上下対称に一体状に形成してなるものである。また、電極タブ部、接続パターン部及びグリッド抵抗部は、それぞれ直線と略1/4円弧により形成してなるものである。

2 本願部分が工業上利用できる意匠であるか否かの判断
意匠登録出願されたものが、意匠法第3条第1項柱書に規定する意匠に該当するためには、その意匠が願書の記載及び願書添付図面から、出願された意匠の内容について具体的に導き出すことができればよく、願書に添付した図面等についてみれば、意匠の創作の内容を特定する上で必要なものが含まれていれば十分であり、また、必ずしも製品設計図面のように意匠の全体について均しく高度な正確性をもって記載されていることが必要となるものではないと解される。

そこで、本願意匠について検討すると、本願物品は、前記1(1)のとおりであって明確である。また、本願部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲は、前記1(2)及び(3)のとおり明確である。
そして、本願部分の形態については、前記1(4)のとおりと認められるところ、グリッド抵抗部については、作図上の省略により、その具体的形態を看取することができないものの、当該部分がグリッド抵抗部であることを勘案すれば、抵抗体が長手方向につづら折りとなって表れるものであることは自明であって、抵抗体の幅及び疎密、あるいは抵抗体に対する折り返し部の比率(エンドタブ比)に係る設計図面のように具体的な記載がないことを看過しても、意匠の創作の内容を特定する上で必要なものは含まれているといえる。
そうすると、本願意匠におけるグリッド抵抗部に係る意匠の開示に省略があったとしても、前記認定を左右するほどのものではなく、単に作図上省略しているものとして善解し得るから、意匠法第3条第1項柱書に規定する拒絶の理由には該当しない。

第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないものであるということはできない。
また、当審において、さらに審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決日 2021-03-29 
出願番号 2019016075 
審決分類 D 1 8・ 13- WY (H1)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 木村 恭子
井上 和之
登録日 2021-04-16 
登録番号 1684941 
代理人 伊東 忠彦 
代理人 伊東 忠重 
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