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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 C6
管理番号 1380973 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-03-04 
確定日 2021-07-13 
意匠に係る物品 屋外用燃焼装置 
事件の表示 意願2019−22567「屋外用燃焼装置」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の主な経緯
1.本願は,平成29年(2017年)9月4日に出願された特許出願(特願2017−169392号)の一部を,特許法第44条第1項の規定により,令和1年(2019年)10月9日に新たに特願2019−185625号として特許出願したものを,意匠法第13条第1項の規定により,同日に意願2019−22567号として意匠登録出願に変更したものである。

2.そして,本願の出願後は,令和1年10月16日に手続補正され,令和2年8月17日付けの拒絶理由の通知に対し,同年9月29日に意見書が提出されたが,令和3年1月5日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年3月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「屋外用燃焼装置」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。
「コンロの五徳部分において,線材を直交する態様で組んで,井桁格子状に形成したものが,本願意匠の出願前に公然知られています【意匠1】。
また,線材を交差させて使用する五徳において,一方の線材を凹弧状に形成したものが,本願意匠の出願前に公然知られています【意匠2】。
本願意匠が意匠登録を受けようとする部分は,その出願前公然知られた【意匠1】の意匠に基づいて,縦横2本ずつの線材からなる井桁状とし,線材の交差する部分を【意匠2】の意匠のように凹弧状に形成したまでのものにすぎませんから,容易に意匠の創作をすることができたものと認められます。
なお,本願意匠の五徳部を,燃焼器本体(周側壁面)の上端部部に差し渡す態様で形成した点は,この種物品においては普通に見受けられる態様(例えば,【参考意匠】参照)であって,本願意匠のみの特徴といえるものではなく,この点が創作非容易性の判断に及ぼす影響は微弱に過ぎません。

【意匠1】(当審注:本審決においては別紙第2参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
昭和60年実用新案出願公開第123510号
第2図に表された6・・・五徳の意匠

【意匠2】(当審注:本審決においては別紙第3参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2015年10月14日に受け入れた
モノ マガジン 2015年10月 2日20号
第31頁所載
たき火台の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA27006473号)
及び同頁左上の使用状態の意匠及び30頁下方に表された2の専用変形ゴトクの意匠

【参考意匠】(当審注:本審決においては別紙第4参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2014年 9月24日に受け入れた
フィガロジャポン 2014年11月20日11号
第334頁所載
焚き火台の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA26004987号)」

第4 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1.本願意匠の認定
(1)本願意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,屋外用燃焼装置である。

(2)本願部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,屋外用燃焼装置における4枚の側板の上辺に2か所ずつ設けた,合計8か所のスリット部分及びその前後左右に渡した平行な二組の2本(合計4本)の五徳部分である。
スリット部分は,4枚の側板において,それぞれの側板の上辺をおおむね3等分した所に位置する,2か所のスリットとその周囲の外形線と一点鎖線で囲まれた略正方形部分の位置,大きさ及び範囲である。
スリットの用途及び機能は,五徳を受けて支持するというものである。
五徳部分は,前後に渡した2本の五徳においては,正面側スリットから背面側スリットまでの位置,大きさ及び範囲(以下「縦五徳部分」という。)であり,左右に渡した2本の五徳においては,右側スリットから左側スリットまでの位置,大きさ及び範囲(以下「横五徳部分」という。)であって,これら縦五徳部分と横五徳部分を合わせた部分である。
五徳部分の用途及び機能は,鍋などの調理器を載置したり,串などを支持したりするというものである。

(3)本願部分の形状
スリットの形状は,U字状である。
横五徳部分は,直線の丸棒が2本平行に並んでいる。
縦五徳部分は,丸棒であって,おおむね直線状ものが2本平行に並んでいる。詳細には,横五徳部分に干渉しないよう,縦五徳部分の横五徳部分と交差する箇所をクランク状に曲げて凹状部を形成している。当該凹状部は,縦五徳部分1本につき2か所となるから,縦五徳部分2本では都合4か所となる。
五徳部分は,2本の丸棒が平行に並んでいる横五徳部分と,2本の丸棒が平行に並んでいる縦五徳部分が,直交しており,五徳部分全体で平面視井桁状に構成している。

2.本願意匠の創作の容易性について
(1)出願前に公然知られた形状
本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる形状は,以下のとおりである。
ア.意匠1より,
(ア)数本の棒状の縦五徳と横五徳が直交して,平面視で枡目状(ますめじょう)に成っている五徳。
イ.意匠2より,
(ア)懸架バーの形状が,直線の丸棒であること。
(イ)2本の懸架バーが交差している状態。
(ウ)一方の懸架バーが,他方の懸架バーと交差する箇所において,緩やかな曲線による凹状部を形成しているもの。
ウ.参考意匠より
(ア)スリット部分を,焚き火台の,対向する2枚の側板において,それぞれの側板の上辺に2か所設けたもの。

(2)本願意匠の創作の容易性について
上記(1)に挙げた形状は本願の出願前に公然知られた形状と認められるが,参考意匠においては,スリットの存在は認められるが,その具体的な形状は視認できない。
よって,本願部分の,スリットの形状をU字状に形成した点,及び,五徳同士が互いに干渉しないよう,五徳が交差する箇所に形成した凹状部をクランク状に曲げた点については,本願の出願前の公然知られた形状に基づいて容易に意匠の創作をすることができたとまではいえない。

3.結び
したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲





審決日 2021-06-23 
出願番号 2019022567 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (C6)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2021-07-28 
登録番号 1692693 
代理人 大西 正夫 
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