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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 B5
管理番号 1384319 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-17 
確定日 2022-04-14 
意匠に係る物品 Clog 
事件の表示 意願2020−500400「Clog」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
第1 手続の経緯

本願は、国際登録日を令和2年(2020年)4月6日(パリ条約による優先権主張2019年10月11日、欧州連合知的財産庁)とする国際意匠登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年(2020年) 9月25日付け:拒絶理由の通知
令和3年(2021年) 2月 8日 :意見書の提出
同年 5月13日付け:拒絶査定
同年 9月17日 :審判請求書の提出

第2 本願意匠

本願意匠は、意匠に係る物品を「Clog」(参考日本語訳:「サンダル」)とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠に係る履物の分野においては、バックルを種々に変更することは、例を挙げるまでもなく、本願出願前よりごく一般的に行われています。
そうすると、本願の意匠は、本願出願前に公然知られた下記の意匠1のバックルとして、本願出願前に公然知られた下記の意匠2に表されたバックルに変更した程度に過ぎず、当業者であれば、容易に創作することができたものです。

意匠1
以下のウェブサイトに表されたサンダルの意匠
タイトル ボストン(レザーベーシック)のトープ36(23〜23.5cm)なら赤すぐnet【送料無料・最大7%offの特典あり】
公知日 2010年11月29日
URL http://akasugu.fcart.jp/shop/g/gAC1A290201_x01_y02_zAC1A29_u
掲載者 株式会社リクルート
媒体のタイプ [online]
公知資料番号 HJ2205599500

意匠2
意匠に係る物品 Zuecos
公報発行官庁 世界知的所有権機関
文献名 国際意匠公報
出願日 2018年7月17日
登録日 2018年7月17日
登録番号 DM/102274(Design Number 11)
公報発行日 2018年8月24日
権利者の氏名/名称 Birkenstock Sales GmbH
公知資料番号 HH30511218」

第4 当審の判断
以下において、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠の認定
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は、「Clog」、すなわち履物の一種であるサンダルである。

(2)本願部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
本願部分の用途及び機能は、足を覆って保護するアッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び足裏を保護する中敷き部に係る用途及び機能とするものであって、位置、大きさ及び範囲は、靴の底面部材であるソール部を除くアッパー部、ベルト部及び中敷き部とするものである。

(3)本願部分の形状等
本願部分の形状等は、主に以下のとおりである。
ア 本願部分全体は、ベルト付きのサンダルの、アッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び中敷き部による構成である。
イ アッパー部は、履き口の略中央左右につま先方向に向かう太溝を形成し、その太溝の長さをアッパー部甲側の全長の約1/3とし、の両太溝により履き口中央に舌状部を形成する。
ウ 舌状部には、スリットを2本平行して形成し、各スリットの位置及び長さは、側面視において、舌状部端部より、アッパー部甲側の全長約1/11から約3/11の位置にかけて形成する。
エ ベルト部は、幅を、舌状部を形成する太溝の長さの約1/2とする帯状体であって、舌状部のスリットに通し、足の内側の端部を円弧状に形成して円形の留め具で固定し、足の外側の端部をRの大きな隅丸矩形状に形成して、足の外側の端部寄りにバックルを配する。
オ バックルは、略楕円状板体をわずかに湾曲し、内部に正方形状の孔部を形成してベルトを固定する棒状のピンが看取できるものであり、大きさは平面視において甲幅の略1/3、側面視において部分全高の略1/2である。
カ 中敷き部は、外縁部を、内側に向かってすり鉢状に凹んで形成する。

2 意匠1及び意匠2の認定
原査定における拒絶の理由で引用された意匠1及び意匠2について、以下のとおり認定する。なお、対比のため、意匠1及び意匠2の向きを本願意匠の図の向きに合わせて認定する。
意匠1及び意匠2の出典については、前記第3に記載のとおりである。

(1)意匠1(別紙第2参照)
なお、意匠1の本願部分に対応する部分を意匠1部分という。
ア 意匠1の意匠に係る物品
意匠1は、「サンダル」である。
イ 意匠1部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
意匠1部分の用途及び機能は、足を覆って保護するアッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び足裏を保護する中敷き部に係る用途及び機能とするものである。
また、意匠1部分の位置、大きさ及び範囲は、靴の底面部材であるソール部を除くアッパー部、ベルト部及び中敷き部とするものである。
ウ 意匠1部分の形状等
意匠1部分の形状等は、主に以下のとおりである。
(ア)意匠1部分全体は、アッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び中敷き部による構成である。
(イ)アッパー部は、履き口の略中央左右につま先方向に向かう太溝を形成し、その太溝の長さをアッパー部甲側の全長の約1/3とし、両太溝により履き口中央に舌状部を形成する。
(ウ)舌状部には、スリットを2本平行して形成し、各スリットの位置及び長さは、側面視において、舌状部端部より、アッパー部甲側の全長約1/7から約2/7の位置にかけて形成する。
(エ)ベルト部は、幅を、舌状部を形成する太溝の長さの約1/2.5とする帯状体であって、舌状部のスリットに通し、足の内側の端部は不明であって、足の外側の端部をRの大きな隅丸矩形状に形成して、足の外側の端部寄りに略正方形状のバックルを配する。
(オ)中敷き部は、外縁部を、内側に向かってすり鉢状に凹んで形成する。

(2)意匠2(別紙第3参照)
なお、意匠2の本願部分に対応する部分を意匠2部分という。
ア 意匠2の意匠に係る物品
意匠2は、「Zuecos」であって、サンダルである。
イ 意匠2部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
意匠2部分の用途及び機能は、ベルトを留めるバックルに係る用途及び機能とするものである。また、位置、大きさ及び範囲は、ベルトの足の外側の端部寄りに配するものである。
ウ 意匠2部分の形状等
略楕円状板体をわずかに湾曲し、内部に正方形状の孔部を形成してベルトを固定する棒状のピンが看取できるものであり、大きさは、平面視において甲幅の略1/2、右側面視において部分全高の略1/2である。

3 本願意匠の創作非容易性について
本願部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲、並びに形状等は、上記1に示すとおりであるところ、「サンダル」の物品分野において、用途及び機能が、足を覆って保護するアッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び足裏を保護する中敷き部に係る用途及び機能とするものであって、位置、大きさ及び範囲が、靴の底面部材であるソール部を除くアッパー部、ベルト部及び中敷き部とするものは、意匠1部分にみられるように、本願出願前より公然知られている。形状等についても、全体が、アッパー部、アッパー部を締めて固定するベルト部及び中敷き部による構成であって、アッパー部は、履き口の略中央左右につま先方向に向かう太溝を形成し、その太溝の長さをアッパー部甲側の全長の約1/3とし、両溝により履き口中央に舌状部を形成し、舌状部には、スリットを2本平行して形成し、ベルト部は、帯状体であって、舌状部のスリットに通し、足の外側の端部寄りにバックルを配するものが、意匠1部分にみられるように、本願出願前より公然知られている。
また、バックルについて、略楕円状板体をわずかに湾曲し、内部に正方形状の孔部を形成してベルトを固定する棒状のピンが看取できるものは、意匠2部分にみられるように、本願出願前より公然知られている。
しかしながら、本願部分は、前記1(3)で認定したとおり、意匠1及び意匠2に現れていない形状等を有しており、意匠1のバックルとして、意匠2に現れたバックルに変更した程度に過ぎないということはできない。
すなわち、本願部分は、(a)舌状部の各スリットの位置及び長さを、側面視において、舌状部端部より、アッパー部甲側の全長約1/11から約3/11の位置にかけて形成するものであり、(b)ベルト部を、幅を、舌状部を形成する溝の長さの約1/2とする帯状体であって、足の内側の端部を円弧状に形成して円形の留め具で固定し、足の外側の端部をRの大きな隅丸矩形状に形成して略楕円状のバックルを配するものであって、(c)バックルを、大きさが平面視において甲幅の略1/3、側面視において部分全高の略1/2とするものである。
そうすると、(a)ないし(c)の点はいずれも、原審拒絶理由通知書に記載された意匠1及び意匠2に現れていないのであるから、意匠1及び意匠2を組み合わせても、本願意匠の形状等を導き出すことはできない。
したがって、本願意匠は、当業者が意匠1及び意匠2に基づいて容易に創作することができたものとはいえない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、意匠法第3条第2項が規定する、意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものに該当しないので、原査定の拒絶の理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲







審決日 2022-03-30 
出願番号 2020500400 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (B5)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 加藤 真珠
江塚 尚弘
登録日 2022-05-02 
登録番号 1714826 
代理人 前川 砂織 
代理人 松永 章吾 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 山崎 和香子 
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