• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 C6
管理番号 1388438 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-27 
確定日 2022-08-03 
意匠に係る物品 冷蔵庫 
事件の表示 意願2020− 18705「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 主な手続の経緯

本願は、意願2020−14805(意匠登録第1703540号)を本意匠とする令和2年(2020年)9月3日の意匠登録出願であって、主な手続きの経緯は以下のとおりである。

令和3年(2021年) 6月23日付け 拒絶理由通知
同年 8月 6日 意見書の提出
同年 11月18日付け 拒絶査定
同年 12月27日 拒絶査定不服審判の請求

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「冷蔵庫」とし、その形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び願書に記載した本意匠

1 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠は願書に記載した本意匠に類似する意匠とは認められず、意匠法第10条第1項の規定に該当しないとの理由であって、具体的には以下のとおりである。
「本願意匠の実線部分と願書記載の本意匠の実線部分を比較すると、扉手掛け部が、上部に横方向に設けられているか、側部に縦方向に設けられているか、という意匠の要部における差異が認められ、その差異は微弱なものとはいえないことから、両部分は類似しないものと認められます。
なお、願書の【本意匠の表示】を削除する補正を行った場合には、この拒絶理由は解消します。」

2 願書に記載した本意匠

(1)手続きの経緯
願書に記載した本意匠は、本願の出願前、令和2年(2020年)7月17日の意匠登録出願(意願2020−14805)であって、令和3年(2021年)12月14日に意匠登録の設定(意匠登録第1703540号)がなされ、令和4年(2022年)1月4日に意匠公報が発行されたものである。

(2)願書及び添付図面の記載
本意匠は、意匠に係る物品を「冷蔵庫」とし、その形状等は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
本意匠は、物品の部分について意匠登録を受けようとし、意匠に係る物品を「冷蔵庫」とするものであって、その形状等を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり(別紙第2参照)、願書の「意匠の説明」の欄には「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」と記載しているものである(以下「本意匠部分」という。)。

第4 当審の判断

以下、本願意匠及び本意匠(以下「両意匠」という。)が類似し、意匠法第10条第1項の規定に該当するものか否かについて検討する。

1 意匠に係る物品の対比
両意匠の意匠に係る物品は、いずれも「冷蔵庫」であるから、一致する。

2 本願部分と、本意匠において本願部分と対比する部分(以下「本意匠部分」という。)の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲の対比
本願部分と、本意匠部分(以下、本願部分と本意匠部分をあわせて「両部分」という。)は、正面の右端に設けた扉部分であるから、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は一致する。

3 両部分の形状等の対比
両部分の形状等を対比すると、主として以下の共通点及び相違点が認められる。

(1)共通点
(共通点ア)両部分は、略縦長長方形板としている点、
(共通点イ)両部分は、正面視における縦(高さ)、横及び厚みの比率について、約1:0.91:0.06である点、
(共通点ウ)両部分は、扉の一方の縁を端面視略直角台形に切り欠き、その縁の側面に、正面側に略L字状に屈曲した略細長矩形薄板状の金具を一体に取り付けて手掛け部としている点において共通する。

(2)相違点
扉部の手掛け部について、本願意匠は、扉の上端に取り付けているのに対し、本意匠は扉の左端側に取り付けている点において相違する。

類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲の類否判断
両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は、同一である。

(3)両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
需要者は、冷蔵庫を購入する者の他、取引業者等が含まれる。
したがって、当該冷蔵庫の扉のうち、まず、これら需要者にとって、使用時、最も目に付きやすい手掛け部について評価し、かつそれ以外の形状等も併せて、各部を総合して意匠全体として形状等を評価することとする。

ア 共通点の評価
(共通点ア)は、単なる板状の扉であって、両部分以外にもごく普通に見られるものであるから、常識的な範囲内のものといえ、また、(共通点イ)の比率も、常套的になされる改変の範囲内のものといえるから、(共通点ア)及び(共通点イ)は、いずれも、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
(共通点ウ)は、扉のうち、最も目に付く箇所で、かつ、直接手に触れる箇所であって、需要者の注意を強く引く箇所といえるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。

イ 相違点の評価
扉部の手掛け部は、前記(共通点ウ)のとおり、需要者の注意を引くものであるが、この種物品分野においては、手掛け部を扉の上端に取り付けることも、両開き扉の内側すなわち、左端側に取り付けることも、本願の出願前より公然知られていることから、この相違は、両部分のみが有する特徴とはいえず、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、(共通点ア)及び(共通点イ)は、両部分の類否判断に与える影響は小さいが、(共通点ウ)は、両部分の類否判断に与える影響は大きく、総じて、両部分の類否判断に与える影響は大きいものであるのに対して、相違点は、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

したがって、両部分の形状等を全体として総合的に観察した場合、両部分の形状等は、相違点に比べて、共通点が与える影響の方が大きいものであるから、両部分の形状等は類似する。

(4)小括
そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一で、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲も同一あって、形状等においても、両部分は類似するから、本願意匠は本意匠に類似する。

5 本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当するか否かについて

本意匠は、本願の意匠登録出願人の意匠登録出願に係る意匠であるから、意匠法第10条第1項に規定する本意匠の要件を満たしている。

また、本願意匠の意匠登録出願の日は、本意匠の意匠登録出願の日(なお、本意匠は意匠法第15条第1項において準用する特許法第43条第1項等の規定による優先権を主張していない)以後であって本意匠の意匠登録出願の日から10年を経過する日前であるから、意匠法第10条第1項に規定されている関連意匠の意匠登 録出願の日の要件を満たしている。

一方、前記4(4)のとおり、本願意匠は、本意匠に類似するから、意匠法第10条第1項に規定されている関連意匠の要件を満たしている。

よって、本願意匠は、意願2020−14805(意匠登録第1703540号)の意匠を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができるものである。

第5 むすび

以上のとおり、本願意匠は、本意匠に類似し、意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるから、原査定の拒絶の理由によっては拒絶することはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲




審決日 2022-07-20 
出願番号 2020018705 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (C6)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 外山 雅暁
渡邉 久美
登録日 2022-08-31 
登録番号 1724314 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ