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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B1 |
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管理番号 | 1388439 |
総通号数 | 9 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2022-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-01-31 |
確定日 | 2022-08-19 |
意匠に係る物品 | おむつ |
事件の表示 | 意願2020− 25402「おむつ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 本願は、令和2年(2020年)11月25日の意匠登録出願であり、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 5月28日付け 拒絶の理由の通知 7月28日 意見書の提出 10月29日付け 拒絶の査定 令和4年 1月31日 審判請求書の提出 7月11日 手続補正書の提出 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の記載及び願書に添付した図面代用写真によれば、意匠に係る物品を「おむつ」としたものであって、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様又は色彩の結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとし、「白銀色で表したトルソは、意匠登録を受けようとする意匠以外の物品である。」としたものである(別紙第1参照)。 第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し、意匠登録を受けることができないとしたものであって、当該拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」という。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。 引用意匠 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1261098号 (意匠に係る物品、おむつ)の意匠 (青色で表された部分を含むおむつ全体の意匠) 第4 当審の判断 1 両意匠の対比 (1)意匠に係る物品 本願意匠に係る物品と引用意匠に係る物品は、共に「おむつ」である。 (2)形態 (2−1)共通点 共通点1:全体は、伸縮性のある、前身頃(前面の足ぐり上端から上方の部分。以下同じ。)及び後ろ身頃(後面の足ぐり上端から上方の部分。以下同じ。)、並びに股下部から成る。 共通点2:前身頃と後ろ身頃の表面に縦皺が表れているものである。 共通点3:股下部は、左右両側にフリルを設けたものである。 (2−2)相違点 相違点1:全体の構成態様について、本願意匠は、後ろ身頃の左右両側に前身頃へ回り込む長さの側片部を有し、その側片部の先端寄りに設けた留め部を前身頃の表面の任意の位置に被せるように係止させて、前身頃と後ろ身頃とを固定する形態としたものであるのに対して、引用意匠は、前身頃及び後ろ身頃の左右両側に留め部となる縦長帯状の突出片を有し、前身頃の突出片と後ろ身頃の突出片の内側面同士を合掌状に接着して、前身頃と後ろ身頃とを固定する形態としたものである。 相違点2:前身頃の表面について、本願意匠は、ほぼ全面に、留め部を係止させる部分となる波模様が表れているものであるのに対して、引用意匠は、そのような波模様が表れていないものである。 相違点3:前身頃の表面の縦皺について、本願意匠は、上縁に沿って、まばらに表れているものであるのに対して、引用意匠は、左右の突出片を除くほぼ全面に細かく表れているものである。 相違点4:後ろ身頃の表面について、本願意匠は、上縁と左右の側片部(留め部を除く。)に、縦皺が表れているものであるのに対して、引用意匠は、左右の突出片を除くほぼ全面に縦皺が表れているものである。 相違点5:股下部のフリルについて、本願意匠は、相対的に長いものであるのに対して、引用意匠は、相対的に短いものである。 2 両意匠の類否 (1)意匠に係る物品について 本願意匠に係る物品と引用意匠に係る物品は、共に「おむつ」であるから、両意匠の意匠に係る物品は、同一と認められる。 (2)形態について (2−1)共通点の評価 共通点1ないし3は、いずれも形態を概括して捉えたもので、この程度の捉え方においては、この物品分野においてありふれた形態といえるから、これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、小さい。 (2−2)相違点の評価 相違点1は、おむつの固定方法の相違として需要者が注目するものであるから、この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、大きい。 相違点2ないし4によっては、本願意匠は、側片部の留める位置を変えることによって、体の大きさに合わせることができる形態であるのに対して、引用意匠は、伸縮によって、体の大きさに合わせることができる形態、という異なる印象をもたらすものといえるから、これらの相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、大きい。 相違点5は、部分的であるから、この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、一定程度にとどまる。 (2−3)形態の類否 両意匠の形態の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであって、相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は、共通点のそれを凌駕するものといえるから、両意匠の形態は類似しない。 (3)小括 そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、形態は類似しないから、本願意匠は、引用意匠に類似するものではない。 3 むすび 以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠をもって、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものといえないから、原査定における拒絶の理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2022-08-09 |
出願番号 | 2020025402 |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(B1)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
上島 靖範 |
特許庁審判官 |
正田 毅 橘 崇生 |
登録日 | 2022-08-30 |
登録番号 | 1724183 |
代理人 | 特許業務法人藤本パートナーズ |