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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K6 |
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管理番号 | 1396368 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-11-10 |
確定日 | 2023-03-07 |
意匠に係る物品 | キャップ付きボトルストッパー |
事件の表示 | 意願2021−20007「キャップ付きボトルストッパー」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の主な経緯 本願は、2021年3月16日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う、令和3年(2021年)9月15日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。 令和 4年 1月 7日付け :拒絶理由の通知 3月 1日 :意見書の提出 3月 1日 :手続補正書の提出 3月 7日付け :拒絶理由の通知 5月16日 :意見書の提出 8月24日付け :拒絶査定 11月10日 :審判請求書の提出 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「キャップ付きボトルストッパー」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「各図において、実線で表された部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。 第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由で引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。 引用意匠 著者の氏名 Environmental Industry Companies 表題 Model D1025 − BOD − Unbreakable Acrylic BOD Bottle Stoppers、 25pk 媒体のタイプ ONLINE 掲載年月日 2015年12月12日 検索日 2022年3月4日 情報の情報源 インターネット 情報のアドレス https://www.environmental−expert.com/products/model−d1025−bod−unbreakable−acrylic−bod−bottle−stoppers−25pk−289047 に掲載された「キャップ付きボトルストッパー」の本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分の意匠 第4 当審の判断 1.本願意匠 本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると、以下のとおりである。 (1)意匠に係る物品 本願意匠の意匠に係る物品は「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、頭頂部に位置するキャップと、中空の頭部、くびれ部及び中栓部から成る部品(以下「中間部品」という。)と、球体の部品と、中栓部に係合する外栓という4つの部品から成るものである。 (2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能 本願意匠に係る物品のうち、意匠登録を受けようとする部分は、キャップ付きボトルストッパーにおけるキャップの外面(以下「第1部分」ともいう。)、キャップ付きボトルストッパーにおける中間部品の頭部及びくびれ部の外面(以下「第2部分」ともいう。)、並びに外栓の外面部分(以下「第3部分」ともいう。)の3か所部分である(以下、第1部分から第3部分を合わせて「本願部分」ともいう。)。 第1部分は、キャップ付きボトルストッパーの頭頂部に位置し、キャップ付きボトルストッパーの頭部の直径と同じ直径の大きさであって、キャップ付きボトルストッパーの頭部の一部を担う範囲である。 そして、第1部分は、中空の頭部を塞ぐという用途及び機能を有するものである。 第2部分は、キャップ付きボトルストッパーのキャップの下端から外栓の上端までに位置し、キャップ付きボトルストッパー全体の高さの約2分の1の高さとする大きさ及び範囲である。 そして、第2部分は、キャップ付きボトルストッパーの頭部及びくびれ部として、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときに本願のキャップ付きボトルストッパーを手指でつまむという用途及び機能を有するものである。 第3部分は、キャップ付きボトルストッパーの略下半分という位置、大きさ及び範囲である。 そして、キャップ付きボトルストッパーにおける下端中央を開口部とした外栓としての用途及び機能、すなわち、外栓の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉するという用途及び機能を有し、かつ、下端中央の開口部は、ボトルを傾けた際にボトルの中身(オリーブ油等食用油や酒類など)が外栓の内部に流れ込むという用途及び機能を有するものと推認できる。 2.引用意匠 (1)意匠に係る物品 引用意匠の意匠に係る物品は「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていないものである。 (2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能 引用意匠中、本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は、ボトルストッパー全体の外面であって、ボトルストッパー全体の位置、大きさ及び範囲であって、ボトルストッパー全体の外面という用途及び機能を有するものである。すなわち、ボトルストッパー全体のうち、頭部及びくびれ部の外面は、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときにボトルストッパーを手指でつまむという用途及び機能を有するものであり、栓部の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉するという用途及び機能を有するものである。 3.両意匠の対比 (1)意匠に係る物品の対比 本願意匠に係る物品は「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、キャップ、中間部品、球体の部品、及び外栓の、4つの部品から成るものであるところ、引用意匠に係る物品は「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていないものである。 (2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の対比 本願部分は、上記1.の(2)のとおりであるのに対して、引用部分は、上記2.の(2)のとおりである。 4.判断 (1)意匠に係る物品の類否判断 本願意匠の、意匠に係る物品は「キャップ付きボトルストッパー」であって、引用意匠の、意匠に係る物品は「ボトルストッパー」であり、キャップの有無という違いがあるが、いずれもボトルに栓をするというものであるから、本願意匠の意匠に係る物品と引用意匠の意匠に係る物品は、共通していると認められる。 (2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の評価 本願意匠の第2部分(本体部の頭部及びくびれ部の外面)と引用意匠中の頭部及びくびれ部の外面は、位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能が共通しているといえる。 加えて、本願意匠の第3部分(外栓の外面部分)と引用意匠中の栓部の外面は、位置、大きさ及び範囲が共通し、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉するという用途及び機能を有する点で用途及び機能が共通している。 しかし、引用部分は、中空の頭部を塞ぐという本願意匠の第1部分に対応する用途及び機能を有していない。 また、引用部分は、ボトルを傾けた際にボトルの中身が外栓の内部に流れ込むための開口という本願意匠の第3部分に対応する用途及び機能を有していない。 (3)両意匠における類否判断 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するが、本願部分と引用部分では、一部の用途及び機能に相違が認められるため、両部分の形状について検討するまでもなく、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。 5.結び 以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似するとはいえず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2023-02-21 |
出願番号 | 2021020007 |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(K6)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 渡邉 久美 |
登録日 | 2023-04-07 |
登録番号 | 1742019 |
代理人 | 宮崎 修 |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠彦 |