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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 N3
管理番号 1410270 
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-13 
確定日 2024-03-26 
意匠に係る物品 電子決済用画像 
事件の表示 意願2022− 7614「電子決済用画像」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和4年(2022年)4月7日の意匠登録出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年(2023年) 1月19日付け 拒絶理由の通知
同年 2月28日 意見書の提出
同年 3月22日付け 拒絶査定
同年 4月13日 拒絶査定不服審判の請求

第2 本願意匠
本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願意匠の意匠に係る画像は、本願の願書の記載によれば「電子決済用画像」であり、本願意匠の態様は願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりである。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は、電子決済用画像であって、上下動する隅丸長方形状の枠及びその外縁のグラデーション状の色彩を意匠登録を受けようとする部分とするものと認められます。
しかしながら、隅丸長方形状の枠及びその外縁をグラデーション状の色彩で構成することは意匠1に見られるよう本願出願前に公知であり、隅丸長方形枠が上下動する変化についても意匠2に見られるよう公知の手法と言えます。
そうすると、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、本願出願前に公知の隅丸長方形枠及びその外縁のグラデーション状の色彩部分を、公知の手法で上下動するように構成したに過ぎず、当業者であれば容易に創作をすることができたものです。
(中略)
意匠1
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2021年11月13日
受入日 特許庁意匠課受入2021年11月18日
掲載者 株式会社メディアソフト
表題 PayPayのAndroidアプリのホーム画面
が刷新! 残高&QRコード表示部分が飛び出すよ
うなアニメーションに − OTONA LIFE
掲載ページのアドレス https://otona-life.com/2021/06/15/69593/
に掲載された「スマートフォン用ソフトウェアのキャッシュレス決済機能の画像(縦長)」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ03127037号)

意匠2
米国特許商標公報 2015年 8月11日
ディスプレースクリーン用画像(登録番号US D736247S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH27317079号)」

第4 当審の判断
以下において、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠の認定
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する(別紙第1参照)。
(1)意匠に係る画像の用途
本願意匠の意匠に係る画像(以下「本願画像」という。)は、「電子決済用画像」であり、願書の「意匠に係る物品の説明」には、以下のとおり記載されている。なお、この「意匠に係る物品の説明」の項目名は願書の仕様によるものであり、当審では「意匠に係る画像の説明」として認定する。
「本画像は、スマートフォン等の情報端末を利用した電子決済を行う際の操作の用に供される画像である。各部の名称を「各部の名称を示す参考図」中に表わす。使用に際しては、ユーザが電子決済を行う際に、画像下部にある「スイッチ部」をスライド操作等することにより、「カード表示部」が、「画像図」に表わされた残高払いの状態から、「変化した状態を示す画像図1」の状態を経て、「変化した状態を示す画像図2」までに表わす、後払いの状態に遷移(上下動)する。」
また、願書の「意匠の説明」には、以下のとおり記載されている。
「実線及び色彩(「カード表示部」の周囲に施された淡いグレー)で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」
これらの願書の記載によれば、本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとするものであり、本願画像は、情報端末上の操作画像であって、ユーザーが電子決済を行うための画像であり、残高払いから後払いを選択したときに「カード表示部」が上下動する。
(2)本願画像における意匠登録を受けようとする部分について
願書添付図面中の「各部の名称を示す参考図」によれば、「画像図」「変化した状態を示す画像図1」及び「同画像図2」において実線で表された部分(以下「本願画像部分」という。)は、「カード表示部」の部分である。
(3)本願画像部分の位置、大きさ及び範囲
「画像図」及び「変化した状態を示す画像図2」においては、本願画像の中央部から上部に配された「カード表示部」の上端から下端寄りまでの位置、大きさ及び範囲である。「変化した状態を示す画像図1」においては、本願画像の中央部に配された「カード表示部」の上端から約1/3までの位置、大きさ及び範囲である。
(4)本願画像部分の用途及び機能
本願画像部分の用途は、ユーザーが後払いを選択したことを「カード表示部」の動きとして示すことであり、本願画像部分は、ユーザーの操作によって上下動するという機能を有している。
(5)本願画像部分の態様
左上と右上の角が丸い長方形状である。
ア 「画像図」に表された態様
縦横比は約1:1.9である。
イ 「変化した状態を示す画像図1」に表された態様
縦横比は約1:4.4である。
ウ 「変化した状態を示す画像図2」に表された態様
縦横比は約1:1.9である。

2 引用意匠の認定
原査定における拒絶の理由で引用した意匠1及び意匠2について、以下のとおり認定する。主として本願画像部分に相当する画像の態様について認定する。なお、意匠1及び意匠2の出典や公知日などについては、前記第3のとおりである。
(1)意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠1の用途及び機能
意匠1は、スマートフォン用ソフトウェアのキャッシュレス決済機能の画像であり、画像の用途及び機能は、スマートフォン用ソフトウェアのキャッシュレス決済機能に関することである。
イ 本願画像部分に相当する画像の態様
スマートフォンの画像の上部に、縦横比が約3:5の角丸長方形状であるカード表示部が配されており、その下端部の左端から中央部にかけては、下方に表された赤色の略カード入れ部に収納されているように表されている。
(2)意匠2(別紙第3参照)
ア 意匠2の用途及び機能
意匠2は、ディスプレースクリーン用の画像であり、画像が変化する用途及び機能を有している。
イ 本願画像部分に相当する画像の態様
(ア)Fig.1〜Fig.7
スマートフォンの画像の下部に、3段の略カード入れ部が表されており、各段にはカード表示部が収納されているように表されている(2段目と3段目のカード表示部は破線)。
1段目に収められているカード表示部が上方に次第に移動し、Fig.4からは、縦横比が約3:5の角丸長方形状であるカード表示部の全体が現れる。
(イ)Fig.8〜Fig.14
スマートフォンの画像の下部に、3段の略カード入れ部が表されており、各段にはカード表示部(破線)が収納されているように表されている。
2段目に収められているカード表示部が上方に次第に移動し、Fig.11からは、縦横比が約3:5の角丸長方形状であるカード表示部の全体が現れる。
(ア)Fig.15〜Fig.21
スマートフォンの画像の下部に、3段の略カード入れ部が表されており、各段にはカード表示部が収納されているように表されている(2段目と3段目のカード表示部は破線)。3段目の略カード入れ部の下にも、カード表示部(破線)の上端部が表されている。
1段目に収められているカード表示部が上方に次第に移動し、Fig.18からは、縦横比が約3:5の角丸長方形状であるカード表示部の全体が現れる。

3 本願意匠の創作非容易性について
本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、当業者であれば容易に本願意匠の創作をすることができたか否かについて検討する。
画像を含む意匠において、縦横比が約3:5の角丸長方形状であるカード表示部を表した画像は、意匠1及び意匠2に見られるように本願の出願前に広く知られている。
しかしながら、本願画像部分のように、ユーザーの操作に応じて、カード表示部が上下動する画像は意匠1及び意匠2には表されておらず、本願画像部分に特有の変化であるということができる。意匠2に見られる画像の変化は、カード表示部が単に上方に移動するのみであって、カード表示部が上下動するものではない。
したがって、原査定における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから、原査定における拒絶の理由、すなわち本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するとの理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲








審決日 2024-03-13 
出願番号 2022007614 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (N3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 成田 陽一
小林 裕和
登録日 2024-04-24 
登録番号 1769777 
代理人 弁理士法人酒井国際特許事務所 

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