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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 F5 |
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管理番号 | 1086578 |
審判番号 | 不服2002-24106 |
総通号数 | 48 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2003-12-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-12-13 |
確定日 | 2003-10-08 |
意匠に係る物品 | 表示用具用支柱 |
事件の表示 | 意願2001- 37849「表示用具用支柱」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願の意匠 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成13年12月25日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「表示用具用支柱」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものであり、実線と一点鎖線で表した部分が意匠登録を受けようとする部分である(別紙参照)。 すなわち、意匠登録を受けようとする部分は、上下2本の支柱を連結して成る表示用具用支柱における連結部分であり、その形態は、上下2本の四角筒体状の支柱の端を突き合わせ、内部の一回り小径の短四角筒体状のジョイント金具を用いてボルトで連結したものであり、支柱突き合わせ部には割線が表れており、各支柱の四周面それぞれには、割線寄りと内部のジョイント金具の端寄り位置に、横並びに2個ずつ、計4個のボルトを螺着して突設しているものである。 2.原審の拒絶の理由 本願に対する原審の拒絶の理由は、要旨以下のとおりである。 本願の意匠は、表示用支柱の意匠のジョイント部分に係るものであるが、この種物品分野において〔引例2〕のように筒体と筒体の相互につながりあう端部に、該筒体に内接する一回り径の小さい短筒体を挿入して接合すること、及び〔引例3〕〔引例4〕のように接合する際に4カ所にボルトを設けることは、本願の出願前より普通に行われているところであって、本願の意匠は、単に、ありふれた四角筒状支柱(〔引例1〕)を相互に接続してその筒体の周側面にありふれたボルトを普通に4カ所設けて表示用具支柱の意匠のジョイント部分に表した程度に過ぎないものと認められ、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当する。 3.請求人の主張 請求人は、意匠法第3条第2項の立法趣旨及び解釈についての見解を述べた上で、本願の意匠は、その周囲に例え公開実用新案公報上の考案図面が存在していたとしても、これらはあくまでも刊行物公知の意匠(意匠法第3条第1項第2号)であって、公然知られた意匠(意匠法第3条第1項第1号)でないことは明白であるから、意匠法第3条第2項の規定に該当する意匠ではないといえ、原審は意匠法第3条第2項の適用を誤った事実認定と判断をしているものであるから、その違法性によって原査定は取り消されるべきである旨主張する。 4.創作容易性の判断 そこで、本願の意匠の創作容易性について検討する。 原審は、拒絶の理由において、引例2(実開昭55-110669号公報)、引例3(実開昭51-160941号公報)及び引例4(実開昭62-80939号公報)を例示して、筒体と筒体の相互につながりあう端部に、該筒体に内接する一回り径の小さい短筒体を挿入して接合すること、及び、接合する際に4カ所にボルトを設けることは、本願の出願前よりこの種物品分野において普通に行われているところであると判断し、引例1(実開昭52-61965号公報第1図・第6図に表された横桟の意匠)を例示して、四角筒状支柱がありふれたものであると判断している。 そこで、この点について検討するに、筒体と筒体の相互につながりあう端部に、該筒体に内接する一回り径の小さい短筒体を挿入して接合することは、例示するまでもなく、各種物品分野の構成部材として用いられる筒状の中空材の分野において、本願の出願前より普通に行われているありふれた中空材の連結手法であると認められ、また、四角筒状の形状は、例示するまでもなく、ありふれた形状であり、この形状を表示用具用支柱の形状として採用することにも格別の創作性は認められない。しかしながら、筒体を接合する際に4カ所にボルトを設けることに関しては、引例4には中空材の連結部分自体が見当たらず、また、引例3においては、中空材の連結部外周面と断面H状の支柱との接合面である1面のみに4カ所ボルトを設けているものが示されてはいるものの、本願の意匠のように、上下2本の各支柱の四周面それぞれに、支柱突き合わせ部の割線寄りと内部のジョイント金具の端寄り位置に、横並びに2個ずつ、計4個のボルトを螺着して突設することが本願の出願前より中空材の分野において普通に行われている、あるいは、公然知られているとする証拠はない。してみると、本願の意匠のボルト突設態様を創作容易なものとする理由がなく、結局、本願の意匠は表示用具用支柱の連結部分の形態全体として創作容易なものとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであって、本願の意匠は、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとはいえない。 したがって、本願の意匠は意匠法第3条第2項の規定に該当するとして本願を拒絶すべきものとした原査定は、当を得ないものであり、取消しを免れない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2003-09-29 |
出願番号 | 意願2001-37849(D2001-37849) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(F5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 加藤 綾子、川崎 典子 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
伊藤 晴子 渡邊 久美 |
登録日 | 2003-11-21 |
登録番号 | 意匠登録第1194346号(D1194346) |
代理人 | 牛木 理一 |
代理人 | 牛木 理一 |