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審決分類 |
審判 査定不服 工業上利用 取り消して登録 H3 |
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管理番号 | 1102943 |
審判番号 | 不服2003-20713 |
総通号数 | 58 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-10-24 |
確定日 | 2004-08-30 |
意匠に係る物品 | コピー、スキャナー、ファクシミリ機能付プリンター |
事件の表示 | 意願2002- 89「コピー、スキャナー、ファクシミリ機能付プリンター」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は、平成14年1月7日の意匠登録出願であり、願書及び願書添付の図面によれば、その意匠は、意匠に係る物品「コピー、スキャナー、ファクシミリ機能付プリンター」の形状に関する創作物であって、その形態を同図面中、一点鎖線で区画し、実線で記載したとおりとしたものである(別紙1参照)。 本願意匠の形態を摘記すれば、概ね次のとおりである。 (1)基本的構成 当該物品の扁平な筐体中央を正面から背面にかけて一定幅で縦断する部分であって、上部に平板状の蓋を設けたスキャナー部を配置し、正面部中央に排紙口を、背面部中央に給紙口をそれぞれ配置し、正面部については、排紙口上部にインクカートリッジ格納部を設け、さらに筐体高の略2/3の位置を境として、上方を傾斜角略45度の後退斜面とし、インクカートリッジ格納部から排紙口下縁部に至る下方を浅く後退する仮想斜面と面一に揃えることによって、正面部を断面視鈍角の三角形状に突出させ、背面部については、給紙口の上部縁面から下方を仮想垂直面と面一に揃え、スキャナー蓋後端部を傾斜角略45度の斜面とし、スキャナー蓋下縁部から給紙口の上部縁面に至る部分を急斜面とすることによって、背面上方を断面視鈍角に屈折する多角形状に形成。 (2)スキャナー部の読みとり面に透明材を使用し、蓋の裏面にパッドを装着。 (3)本願意匠に係る部分の横幅を奥行きの略1/5強に限定。 2.拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願意匠は他の意匠と対比する際に対比の対象となり得る意匠の創作の単位が表されていないので、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用できる意匠とは認められないとするものである。 3.請求人の主張 これに対し、請求人は、本願意匠は提出図面によって具体的な形状を特定しており、意匠法第2条に規定する物品の形状に係る創作であることは言うまでもなく、創作の単位を十分含んでいるものである旨主張している。 4.当審の判断 本願意匠及び拒絶の理由について検討すると、本願意匠は、前記1.(1)〜(3)に示すように、当該物品の出願に係る部分の形状を願書添付の図面から具体的に特定することができ、しかも当該物品を全体的に特徴付ける形態的要素に関与している点を考慮すれば、美感に訴求する視覚効果も具備しているものと認められる。 また、前記1.(1)の基本的構成に示す本願意匠の正面部の形態は、本願意匠を特徴付けるものと認められるが、それが出願前に公然知られたものであることを示す証拠又は、容易に創作できたものであることを示す証拠は見当たらない。 さらに、本願意匠は、大部分が当該物品の筐体を中心とする外観形状に関するものであることから、当該部位に物品の機能に拘束されない造形上の余地を認めることができる。 したがって、本願意匠について、「意匠の創作の単位が表されていない」とすることはできず、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないとすることはできない。 また、他に本願意匠を拒絶すべき理由は発見できない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2004-08-10 |
出願番号 | 意願2002-89(D2002-89) |
審決分類 |
D
1
8・
14-
WY
(H3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 川崎 芳孝、奥家 勝治 |
特許庁審判長 |
藤木 和雄 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 岩井 芳紀 |
登録日 | 2004-09-17 |
登録番号 | 意匠登録第1221530号(D1221530) |
代理人 | 渡邉 知子 |
代理人 | 日高 一樹 |