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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20076934 審決 意匠
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不服20076931 審決 意匠

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審決分類 審判 補正却下不服  図面(意匠の説明を含む) 取り消す B5
管理番号 1167392 
審判番号 補正2007-500006
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 2007-07-04 
確定日 2007-09-04 
意匠に係る物品 サンダル 
事件の表示 意願2006- 17605「履物」において、平成19年4月3日付けでした手続補正に対してされた補正却下決定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原決定を取り消す。
理由 1.本件出願の手続の経緯
(1)本件出願は、2006年1月6日のアメリカ合衆国への出願を基礎にパリ条約による優先権を主張する、平成18年7月4日の意匠登録出願である。
(2)原審において、この意匠登録出願は、「写真による明暗を表した履物と図面による複数の履物を表したもので二つ以上の意匠を包含し」、経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められず、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものであるとの拒絶理由を平成19年2月1日に通知した。
(3)これに対して、請求人(出願人)は、平成19年4月3日に手続補正書を提出し、「意匠の説明」、及び、「図面」全図を変更した。
(4)原審では、平成19年4月3日の補正に対し、「手続補正書により添付図面の全図を写真から図面のものに補正され、部分意匠の意匠登録出願に補正されましたが、当該意匠の補正後の図面は、この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて出願当初の願書の記載及び添付図面から総合的に判断しても導き出すことができず、また、当該意匠の図面は、本願意匠の要旨の認定に大きく影響を及ぼす部分であることから、上記手続補正書による補正は、出願当初の願書に添付した図面の要旨を変更するものと認められます。」との理由で、意匠法第17条の2第1項の規定により、平成19年4月12日に補正の却下の決定をした。
2.請求人の主張
この補正の却下の決定に対して、請求人は、平成19年7月4日に補正却下決定不服審判を請求し、要旨以下のように主張する。
(1)出願当初の願書において、「部分意匠」の欄を記載し、また「意匠の説明」の欄において、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」と記載している。
(2)平成19年4月3日提出の手続補正書に添付の図面は、出願当初の願書に添付の図面のうち、「参考斜視図B1」?「参考斜視図B7」と同一のものである。
(3)平成19年2月1日の拒絶理由において、審査官は、本願の意匠は二つ以上の意匠を包含すると認定したが、その拒絶理由を解消するために、本願出願人は、意見書に記載のように本願に添付の「参考斜視図B1」?「参考斜視図B7」を残したものである。
(4)平成19年4月3日提出の手続補正書により補正した図(「斜視図」?「平面図」)によって表された意匠は、出願当初の願書および願書に添付した図面から当業者にとって明らかであり、この手続補正書による補正は出願当初の願書に添付した図面の要旨を変更するものではない。
したがって、この補正の却下の決定は理由がなく、取り消されるべきである。
3.当審の判断
(1)本件出願の出願当初の意匠
本件出願の出願当初の願書及び願書添付の図面によれば、出願当初の本件出願は、原審認定のとおり、「写真による明暗を表した履物と図面による複数の履物を表したもので二つ以上の意匠を包含」しているものと認められる。これを具体的に言えば、(1)「正面側斜視図1」から「背面側斜視図2」に記載された意匠、(2)「参考斜視図A1」から「参考底面図A7」に記載された意匠、(3)「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」に記載された意匠、(4)「参考斜視図C1」から「参考底面図C7」に記載された意匠、(5)「参考斜視図D1」から「参考底面図D7」に記載された意匠、(6)「参考斜視図E1」から「参考底面図E7」に記載された意匠、(7)「参考斜視図F1」から「参考底面図F7」に記載された意匠、(8)「参考斜視図G1」から「参考底面図G7」に記載された意匠、(9)「参考斜視図H1」から「参考底面図H7」に記載された意匠の9つの意匠が、本件出願に包含されている。
(2)補正後の意匠
本件出願の平成19年4月3日の補正は、「図面」について、「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」のみを残し他の図面を削除したものであり、「意匠の説明」について、「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」に記載された意匠に係る「意匠の説明」を残して他の説明を削除したものである。
したがって、補正後の意匠は、意匠に係る物品が「履物」で、その形状を「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」に記載されたとおりとする、部分意匠と認められる。
(3)出願当初の意匠と補正後の意匠の対比
本件の出願当初の意匠と補正後の意匠とを対比すると、補正後の意匠は、出願当初の「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」に記載された意匠と同一と認められ、出願当初に包含されていた他の8つの意匠が削除されている。
(4)要旨変更の有無
以上のように、本件の平成19年4月3日の補正は、出願当初9つの意匠を包含していた意匠登録出願から、8つの意匠を削除した補正であるが、二以上の意匠を包含する意匠登録出願について意匠の一部を除外して残余の意匠に減縮するためには、意匠法は手続の補正の制度を設けているにとどまるから、手続の補正によらざるをえないものである。したがって、この補正は要旨を変更しないものとして扱う(意匠審査便覧17.03参照)。また、分割の手続によらなくとも、これを例外的に補正として取り扱う(意匠審査便覧30.02参照)。そして、本件の補正後の意匠は、出願当初に包含されていた9つの意匠のうちの「参考斜視図B1」から「参考底面図B7」に記載された意匠と同一であるから、本件の補正は、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものではない。
4.むすび
以上のとおり、平成19年4月3日手続補正書による補正を意匠法第17条の2第1項の規定により却下すべきものとした原審における決定は理由がなく、取り消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2007-08-23 
出願番号 意願2006-17605(D2006-17605) 
審決分類 D 1 7・ 1- W (B5)
最終処分 成立  
前審関与審査官 斉藤 孝恵 
特許庁審判長 梅澤 修
特許庁審判官 鍋田 和宣
杉山 太一
登録日 2007-10-26 
登録番号 意匠登録第1315885号(D1315885) 
代理人 山本 秀策 
代理人 安村 高明 
代理人 森下 夏樹 

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