• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H6
管理番号 1216248 
審判番号 不服2009-24053
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-07 
確定日 2010-05-17 
意匠に係る物品 無線通信機 
事件の表示 意願2009-3698「無線通信機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする平成21年2月23日の意匠登録出願であり,本意匠を意願2008-20868(意匠登録第1362630号)とし,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「無線通信機」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものである(別紙第1参照)。
そして,本願の意匠について原査定の拒絶理由を検討すると,下記のとおりであって,その拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。


本願は,原査定において,「この意匠登録出願の意匠は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された,特許庁意匠課が1998年6月29日に受け入れた,『ALLMODETRANSCEIVERS 1998年5月31日』の第6頁に所載の『無線通信機』の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC10009029号)に類似するものと認められるので,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当します」との理由で,拒絶すべき旨の査定がなされたものである。
しかし,本願意匠と上記引用意匠(別紙第2参照)は,意匠に係る物品が同一で,その基本的な構成形態が一致するものの,意匠の特徴を成す具体的な構成に係る形状が相違し,視覚的効果を別異のものとしているので,両意匠間の相違点は,類否判断に大きな影響をもたらすものである。
すなわち,本願意匠と引用意匠の形状は,全体が偏平な略直方体であって,正面の操作パネルが略横長長方形状で,上辺が面取り状になっており,下側角部で本体横幅がすぼまり,本体幅の約3分の2の幅の略横長長方形状の額縁様枠が,本体上端に接しつつ,中央右寄りに設け,その枠の内側に上辺と左辺が接するように(結果として正面操作パネル中央やや左寄りに)横長長方形の表示部を設け,表示部下端部右寄りに近接して大径の円形の操作ツマミ(以下,「大径ツマミ」という。)を設けた点,大径ツマミの上方及び左側部に略横長矩形状の多数の小さなボタン部を縦横に配置した点,操作パネルの右端部に略円形の操作用ツマミを縦に3つ配置した点,操作パネルの左端部寄りに略円形の操作用ツマミを縦に複数配置した点,で両意匠間に一定の共通した印象をもたらしてはいる。
しかし,上記両意匠の特徴の内,全体が偏平な略直方体であって,正面の操作パネルが略横長長方形状で,正面操作パネル中央やや左寄りに横長長方形の表示部を設け,表示部下端部右寄りに近接して大径ツマミを設けた点,大径ツマミの上方及び左側部に略横長矩形状の多数の小さなボタン部を縦横に配置した点は,例を挙げるまでもなく普通に見られ,この種意匠において格別特徴となるものではなく,かつ,操作パネルの右端部に略円形の操作用ツマミを縦に複数配置した点も,操作パネルの左端部寄りに略円形の操作用ツマミを縦に複数配置した点も,出願前からこの種物品分野においては普通に見られる構成であって,両意匠のみの特徴と言えるものではない。
これに対して,額縁様枠につき,本願意匠は,略U字形状であって,この枠部材は内側に向かって緩やかに傾斜し,枠部材で囲まれる部分は窪んだ一平面としているのに対して,引用意匠は,溝を横長長方形状に設け,その溝部で囲まれる部分は窪んでいない点,また,これに伴って,本願意匠は,上辺の面取り部が,U字形状額縁様枠部分の窪みで消失しているのに対して,引用意匠は,面取り部で額縁様枠部分が,出っ張る構成となっており,この2点において,操作パネル部の基本的な構成に大きな差異が見られ,類否判断に与える影響は大きいと考えられる。
また,上辺の面取り状についても,本願意匠が,曲面であるのに対して,引用意匠は,斜面である点,操作パネル下側角部のすぼまり部分についても,本願意匠が曲面であるのに対して,引用意匠は,斜面によるすぼまりと,段差を設けてのすぼまりで二段階にすぼまっている点,に概略的共通感の中にも具体的な差異点が認められ,類否判断に与える影響は多少でもあると言わざるを得ない。
以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は同一だが,その形状については,両意匠の共通点及び差異点の視覚的効果を総合的に判断すると,両意匠は類似しないものと言える。
別掲
審決日 2010-04-28 
出願番号 意願2009-3698(D2009-3698) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H6)
最終処分 成立  
前審関与審査官 内藤 弘樹 
特許庁審判長 関口 剛
特許庁審判官 樋田 敏恵
橘 崇生
登録日 2010-05-28 
登録番号 意匠登録第1391431号(D1391431) 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ