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審決分類 審判 査定不服  意48条1項3号非創作者無承継登録意匠 取り消して登録 L3
管理番号 1258135 
審判番号 不服2011-21355
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-10-04 
確定日 2012-05-23 
意匠に係る物品 柵用支柱 
事件の表示 意願2009- 1064「柵用支柱」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,2009年(平成21年)1月21日の意匠登録出願であって,その意匠は,意匠に係る物品を「柵用支柱」とし,その形態を願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのもの(以下,「本願意匠」という。)とし,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下,「本願実線部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用した先願意匠の一部
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条の2に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した先願意匠の一部は,本願出願の日前,本願の出願人とは異なる出願人により,2008年(平成20年)7月10日に意匠登録出願され,本願出願後の2009年(平成21年)4月13日に日本国特許庁が発行した意匠公報に掲載された意匠登録第1355947号の願書の記載及び願書に添附した図面に現された,意匠に係る物品を「防護用柵支柱」とする意匠の台の孔部の内周面部分であって,その形態は,当該願書の記載及び願書に添附した図面に記載されたとおりのもの(以下,「先願意匠の一部」という。)である。(別紙第2参照)

第3 本願意匠と「先願意匠の一部」との対比
本願は,「本願実線部分」について意匠登録を受けようとするものなので,まず,「本願実線部分」と「先願意匠の一部」の形態等について対比する。
1.「本願実線部分」と「先願意匠の一部」の用途及び機能と,位置,大きさ,範囲
「本願実線部分」と「先願意匠の一部」は,いずれも,柵を支持して,路面等に固定するための支柱の底部に位置するベースプレートに設けられた,ボルトを挿入するための,貫通した4つの孔の内周面部分であって,両者の用途及び機能は一致し,物品全体の形態に対する位置,大きさ,範囲は,ほぼ一致する。

2.「本願実線部分」と「先願意匠の一部」の形態
「本願実線部分」と「先願意匠の一部」の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。
なお,「先願意匠の一部」が表れている平面図を,本願意匠の平面図と同様,ガードレールを取り付ける側が下側となるように,左に90度回転させて対比する。
(1)共通点
平面視すると,4つの孔は,ベースプレートのほぼ四隅に,上下左右対称位置に配置され,それぞれの孔は,円に近い縦長円形状で,すべて同じ大きさとしている点

(2)相違点
(a)平面視すると,「本願実線部分」の4つの孔は,ベースプレートの上方の2つの孔の左右の間隔が広く,下方の2つの孔の左右の間隔が狭く,逆台形状を呈するように配置しているのに対して,「先願意匠の一部」は,上方の2つの孔の左右の間隔が狭く,下方の2つの孔の左右の間隔が広く,台形状を呈するように配置している点
(b)平面視すると,「本願実線部分」の4つの孔は,上方の2つの孔と下方の2つの孔の上下の間隔が,一つの孔の縦方向の内径とほぼ同じであるのに対して,「先願意匠の一部」は,その間隔が,一つの孔の縦方向の内径の約3倍である点

第4 本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断
以上の「本願実線部分」と「先願意匠の一部」との共通点及び相違点が,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断に及ぼす影響を評価し,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否を全体として総合的に検討し,判断する。

1.共通点の評価
共通点については,この種の物品においては,例を挙げるまでもなく,従来から既に見られるありふれた態様であって,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断に及ぼす影響は微弱なものと言うほかない。

2.相違点の評価
これに対して,「本願実線部分」と「先願意匠の一部」との相違点に係る形態が,相乗して生じる意匠的な効果は,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断に大きな影響を及ぼすものと認められる。

すなわち,相違点(a)については,この種の物品において,車輌等が衝突した際の衝撃を吸収するために,「先願意匠の一部」のように,ベースプレートのガードレールを設置する側,すなわち,平面視,下方の2つの孔の間隔を広く配置することが一般的であるところ,「本願実線部分」は,逆に下方の2つの孔の間隔を狭く配置している点は,当業者であれば,注意を惹く点であり,また,そのような配置の態様は,本願出願前に見受けられず,「本願実線部分」のみに見られる態様といえ,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断に大きな影響を及ぼすものと言わざるを得ない。
また,相違点(b)についても,この種の物品において,車輌等が衝突した際の衝撃を吸収するために,「先願意匠の一部」のように,平面視,上下方向の2つの孔の間隔をある程度広く取って配置することが一般的であるところ,「本願実線部分」は,逆にその間隔を狭く配置している点は,当業者であれば,注意を惹く点であり,また,そのような配置の態様は,本願出願前に見受けられず,「本願実線部分」のみに見られる態様といえ,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断に大きな影響を及ぼすものと言わざるを得ず,これらの相違点に係る形態が相乗して生じる意匠的な効果は,本願意匠と「先願意匠の一部」との類否判断を決定付けると言うほかない。

3.小括
そうすると,「本願実線部分」と「先願意匠の一部」の用途及び機能は一致し,物品全体に対する位置,大きさ,範囲は,ほぼ一致するが,両者の形態において,相違点が共通点を凌駕し,結果,本願意匠と「先願意匠の一部」は,全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠は「先願意匠の一部」とは類似しないものである。

第5 むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条の2に規定する意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によっては,拒絶すべきものとすることができない。
また,本願意匠について,他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-05-09 
出願番号 意願2009-1064(D2009-1064) 
審決分類 D 1 8・ 16- WY (L3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡邊 久美 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 遠藤 行久
斉藤 孝恵
登録日 2012-06-22 
登録番号 意匠登録第1446641号(D1446641) 

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