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審決分類 |
審判 C7 |
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管理番号 | 1287493 |
審判番号 | 無効2013-880012 |
総通号数 | 174 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2014-06-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2013-05-23 |
確定日 | 2014-05-07 |
意匠に係る物品 | 仏像 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1389209号「仏像」の意匠登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件登録意匠,すなわち,本件意匠登録第1389209号の意匠は,平成21年(2009年)10月16日に意匠登録出願(意願2009-24332。以下「本願」という。)されたものであって,審査を経て平成22年(2010年)4月30日に意匠権の設定の登録がなされ,同年6月7日に意匠公報が発行され,その後,当審において,概要,以下の手続を経たものである。 ・本件審判請求 平成25年5月23日 ・証拠説明書提出 平成25年5月23日 ・審判事件答弁書提出 平成25年7月19日 ・口頭審理陳述要領書(請求人)提出 平成26年1月 9日 ・口頭審理陳述要領書(被請求人)提出 平成26年1月22日 ・口頭審理 平成26年2月 5日 第2 当事者が提出した証拠 1 請求人が提出した証拠 (1)「審判請求書」に添付 甲第1号証(枝番を含む) 永平寺が製作・頒布した仏像の写真の写し 甲第2号証(枝番を含む) 宗教工芸新聞第293号の写し 甲第3号証の1 太伊山長円寺ホームページの写し 甲第3号証の2 garitto作成のホームページの写し 甲第4号証の1 曹洞宗東川寺作成のホームページの写し 甲第4号証の2 東洋仏所松田瑞雲作成のホームページの写し 甲第4号証の3 同上 甲第4号証の4 仏壇職人関工作所作成のホームページの写し (証拠説明書記載の「仏像職人」は「仏壇職人」の誤記と認められる。) 甲第5号証 株式会社八木研作成のホームページの写し 甲第6号証 同上 甲第7号証 大法輪閣作成のホームページの写し 甲第8号証 仏像ワールド作成のホームページの写し 甲第9号証の1 平成17年に販売されていた仏像の写真の写し 甲第9号証の2 甲9の1の写真の年月日を示すパソコン画像の写し (証拠説明書記載の「甲8の1」は「甲9の1」の誤記と認められる。) 甲第10号証 甲9の1の仏像が販売された事実を示す納品書の写し (証拠説明書記載の「甲8の1」は「甲9の1」の誤記と認められる。) 甲第11号証 意匠登録第1268826号の意匠公報の写し (2)平成26年1月8日付け(平成26年1月9日提出)「口頭審理陳述要領書」に添付 参考意匠1乃至参考意匠14(枝番を含む) 2 被請求人が提出した証拠 (1)平成26年1月21日付け(平成26年1月22日提出)「口頭審理陳述要領書」に添付 乙第1号証の1 東京地方裁判所への調査嘱託申立書の写し 乙第1号証の2 株式会社宗教工芸社からの調査嘱託回答書の写し 第3 請求人の申し立て及び理由の要点 請求人は,請求の趣旨を 「1 登録第1389209号意匠の登録を無効とする。 2 審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求める。」と申し立て,その理由を,要点以下のとおり主張し(平成26年1月8日付け「口頭審理陳述要領書」の内容を含む。),その主張事実を立証するため,「第2」に掲げた証拠を提出した。 1 意匠登録無効の理由の要点 (1)本件登録意匠は,甲第1号証の意匠(以下「甲1意匠」という。)と同一又は類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第1号又は同項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであるので,本件意匠登録は同法第48条第1項第1号に該当し,無効とすべきである。 (2)本件登録意匠は,本件意匠の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証に記載された意匠と同一又は類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第2号又は同項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであるので,本件意匠登録は同法第48条第1項第1号に該当し,無効とすべきである。 (3)本件登録意匠は,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり,意匠法第3条第2項の規定により意匠登録を受けることができないものであるので,本件意匠登録は同法第48条第1項第1号に該当し,無効とすべきである。 2 本件意匠登録を無効とすべき理由(1) (1)本件登録意匠 本件登録意匠は,意匠に係る物品を「仏像」とし,物品の黄色で着色された部分を除く部分について意匠登録を受けた部分意匠である。その形態は,基本的構成態様が,一枚の板に浮彫り彫刻が施されているものである。そして,各部の具体的態様は,「持物を手にした状態で椅子に着座した僧侶」を左右に2体彫刻し,正面視右の僧侶について,その持物を払子(ほっす)とし,正面視左の僧侶について,その持物を笏(こつ)としたものである。 (2)甲1意匠 甲第1号証は,本件登録意匠の出願前,平成14年に頒布された仏像で,曹洞宗の総本山である永平寺が,高祖道元禅師750回大遠忌参拝記念として製作・頒布した「高祖道元禅師像」の意匠であって,その基本的構成態様が,一枚の板に浮彫り彫刻が施されているものである。そして,具体的態様は,「持物を手にした状態で椅子に着座した僧侶」を中央に1体彫刻し,その持物を払子としたものである。 (3)本件登録意匠と甲1意匠との対比 意匠に係る物品は,いずれも「仏像」に関するものであり,同一の物品である。その形態については,以下の共通点と差異点が認められる。 すなわち, (A)一枚の板に浮彫り彫刻を施した基本的構成態様, 及び各部の具体的態様につき, (B)彫刻部につき「持物を手にした状態で椅子に着座した僧侶」を彫刻した点, (C)彫刻部のうち僧侶が着座する椅子について,背もたれが布で覆われたような丸みを帯びた形状で,着座部は椅子全体の約4分の1程度の高さとしている点, (D)彫刻部のうち僧侶が着物の上に袈裟を着衣し,右腕の着物の袖,左腕の着物及び袈裟の袖並びに着物及び袈裟の裾が一体的に僧侶の足下で柔らかく流れるようなひだ状に彫刻されている点, (E)彫刻部のうち僧侶が両手を握って左右対称で腹部の前に置き,仏具を両手で握っている状態とした点 が共通する。 一方,各部の具体的態様につき, (イ)外枠部について,本件登録意匠は,単純な長方形の板とし,接地する台座がないのに対して,甲1意匠は玉子型に加工された板とし,高祖道元禅師と銘打った接地する台座がある点, (ロ)彫刻部について,本件登録意匠は,僧侶頭上の天蓋の彫刻がないのに対して,甲1意匠は,僧侶頭上の天蓋の彫刻がある点, (ハ)彫刻部について,本件登録意匠は,同一形状の「持物を手にした状態で椅子に着座した僧侶」が左右に2名配置され,正面視右の僧侶の持物が払子,正面視左の僧侶の持物が笏とされているのに対して,甲1意匠は「持物を手にした状態で椅子に着座した僧侶」が中央に1名配置され,僧侶の持物は払子とされている点が相違する。 (4)本件登録意匠と甲1意匠との類否 両意匠の類否を検討すると,共通する基本的構成態様は,具体的構成態様の共通点と共に,両意匠の基調を形成している。 これに対して,上記(イ),(ロ)の差異点については,そもそも本件登録意匠は,僧侶の彫刻部分の部分意匠であり,外枠や台座,天蓋の彫刻を含めた意匠ではなく,上記(ハ)の差異点については,公知の一つのモチーフをさほど変形をさせることなく,単純に物品の形態に用いた程度の意匠,類似物品(仏像と掛軸)間における商慣習上の転用,公知のモチーフの単純な組合せ,物品の用途機能の単純な合理的追及の結果自ずから定まる形態の意匠,複数の公知意匠の全体若しくは部分形態の単純な組合せによる意匠に過ぎず,いずれも類否判断に与える影響は微弱である。 また,これらの差異点を総合しても,両意匠の共通感を凌駕するものではないので,本件登録意匠は,甲1意匠に類似するものである。 (5)むすび したがって,本件登録意匠は,「意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠」と同一又は類似するものであるから,意匠法第3条第1項第1号又は同項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであり,その意匠登録は同法第48条第1項第1号の規定に該当し,無効とすべきである。 3 本件意匠登録を無効とすべき理由(2) 本件登録意匠を含む物品について,本件登録意匠の登録出願に先立つ平成21年10月15日,新聞掲載の方法で販売広告が出されている(甲第2号証)。 したがって,本件登録意匠は,「意匠登録出願前に日本国内又は外国において,頒布された刊行物に記載された意匠」と同一又は類似するものであるから,意匠法第3条第1項第2号又は同項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであり,その意匠登録は同法第48条第1項第1号の規定に該当し,無効とすべきである。 4 本件意匠登録を無効とすべき理由(3) (1)上記3で述べたとおり,本件登録意匠を含む物品について,本件登録意匠の登録出願に先立つ平成21年10月15日,新聞掲載の方法で販売広告が出されており(甲第2号証),本件登録意匠に係る物品は,商業用に量産されることを予定しているものであり,本件登録意匠も大量に複製・頒布される得るものとして創作されているものである。 (2)本件登録意匠に係る物品は,手彫りではなく,パソコン上のデザインデータに基づく機械彫りであり,甲1意匠をパソコン上のデザインデータとして取り込み,拡大・縮小等の加工をして,そのまま平面上の板に機械彫りすることが容易に可能である。 (3)現に,本件登録意匠のうち高祖承陽大師道元禅師像(正面視右)は甲1意匠と同一又は類似であり,太祖常済大師瑩山禅師像(正面視左)も高祖承陽大師道元禅師像(正面視右)の意匠をそのまま使用し,僧侶の持物だけを払子から笏に変更しただけのものである。笏のデザインも,一般に普及している太祖常済大師瑩山禅師像のものと同じである(甲第4号証の3,4)。 そもそも,仏像や掛け軸は,古来の仏像や仏画から脈々と受け継がれてきたものであり,仏像から仏画への応用,仏画から仏像への応用も古くから脈々となされてきているものである。現在一般に普及している商業用仏像も,古来から伝わる仏像や仏画,一般に普及している仏像や仏画を参考に製作されている。そうでなければ,信仰の対象である仏像(釈迦如来像,高祖承陽 大師道元禅師像,太祖常済大師瑩山禅師像等)として,およそ世間一般に認知されることがなく,商業用仏像としての意味をなさないという商慣習があるためである。 (4)本件登録意匠には,【意匠に係る物品の説明】として,「本物品は,従来の仏像と比して,仏壇や厨子の中の狭いスペースにも安置し易いようにデザインされた各宗派在家供養用の仏像である。」とあり,本件登録意匠出願前から公然知られている「意匠登録第1268826号【意匠に係る物品】仏具仏像」(甲第11号証)と同一又は類似の説明がされ,また【意匠の説明】として,「平面上の板の正面視下方に脇仏を表したデザインが彫られている。」とあるが,意匠法がそのような物品の機能を保護するものでないことは言うまでもない。 すなわち,古来から伝わる仏像配置の定型形態である三尊形式(曹洞宗では一仏両祖)で,本尊を中心にして大きくお祀りできるようにして,スタンド型掛軸のようなレリーフ型仏像(甲第11号証の意匠登録第1268826号参照)を作成しようとすれば,2体一対からなる脇仏の配置は,掛軸でも古来からそのような構図が取られてきているとおり,正面視下方に配置するほかなく(必然的形状ないし準必然的形状,ご本尊の上方に脇物が配置されるなどという構図は,仏像の意匠としてあり得ない。),「平面上の板の正面視下方に脇仏を表したデザインが彫られている。」というのは,三尊形式のレリーフ型仏像という物品の機能を確保するために不可欠な形状であるに過ぎない。 (5)以上の事実によれば,本件登録意匠は,公知の一つのモチーフをさほど変形をさせることなく,単純に物品の形態に用いた程度の意匠,同一又は類似物品間における商慣習上の転用,公知のモチーフの単純な組合せ,物品の用途機能の単純な合理的追及の結果自ずから定まる形態の意匠,複数の公知意匠の全体若しくは部分形態の単純な組合せによる意匠に過ぎず,「容易に意匠の創作をすることができた」(意匠法第3条第2項)ものであることが明らかである。 (6)したがって,本件登録意匠は,「意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができた」ものであるから,意匠法第3条第2項の規定により意匠登録を受けることができないものであり,その意匠登録は同法第48条第1項第1号の規定に該当し,無効とすべきである。 5 平成26年1月8日付け「口頭審理陳述要領書」における主張 (1)本件登録意匠と甲1意匠が類似するものであることについて 本件登録意匠(以下「本件部分意匠」という。)と先行意匠は, (A)本件部分意匠の意匠に係る物品と公知の意匠の意匠に係る物品とが,いずれも仏像であり,同一であること, (B)本件部分意匠の意匠登録出願の「意匠登録を受けようとする部分」と公知の意匠における「意匠登録を受けようとする部分」に相当する箇所との用途及び機能は,仏教(曹洞宗)信仰の対象として安置される木製仏像であり,同一であること, (C)本件部分意匠の意匠登録出願の「意匠登録を受けようとする部分」と公知の意匠における「意匠登録を受けようとする部分」に相当する箇所との形態が同一又は類似であること(審判請求書「第2」の4項(4),(5)), (D)本件部分意匠の意匠登録出願の「意匠登録を受けようとする部分」の当該物品全体の形態の中での位置,大きさ,範囲と公知の意匠における「意匠登録を受けようとする部分」に相当する箇所の当該物品全体の形態の中での位置,大きさ,範囲とが,当該意匠の属する分野,すなわち,本尊及び脇仏を一仏両祖として祀ることが教義とされている曹洞宗の仏像分野として,ありふれた範囲内のものであることからして,同一又は類似するものであること は明らかである。 被請求人が述べる差異点は,他の先行意匠においてごく普通に見られるありふれた態様に過ぎず,その形態は,強く注意を引くものとはなり得ない。 本件部分意匠登録出願に用いられたレリーフ板は,請求人が創作したレリーフ板の写真を盗用したものに過ぎない。甲2掲載の仏像が本件部分意匠の登録出願に用いられておらず,出願時にレリーフ板の現物を所持していないため「左側面図は右側面図と対象に表れるため省略する。」として故意に「左側面図」を提出せず(その後の補正は実質的な要旨変更というべきである。),被請求人において本件部分意匠の具体的な創作経緯を明らかにしないのも,そのためである。 (2)本件登録意匠が新規性を失った意匠であることについて 東京地方裁判所平成24年(ワ)第14662号意匠権侵害差止等請求事件(原告:被請求人,被告:ずゞや株式会社,補助参加人:請求人)において,被請求人(原告)より申請された株式会社宗教工芸社に対する調査嘱託が採用され,同調査嘱託に対して,平成25年10月26日,株式会社宗教工芸社は東京地方裁判所に対して,「宗教工芸新聞293号(平成21年10月15日発行)は平成21年10月23日に逗子郵便局が集荷し,発送した。」と回答した事実(乙第1号証の2)を認める。 (3)本件登録意匠が「容易に意匠の創作をすることができた」ものであることについて 曹洞宗の仏像分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)において,両祖像の配置を正面視下方(下に近い横)とすることは,当業者にとってありふれた手法であるし,レリーフ型仏像の形状を既存の仏像や掛軸等の形状に模することも,持物を置き換えて両祖像を左右対称に配置することも,当業者にとってありふれた手法である。 第4 被請求人の答弁及び理由の要点 被請求人は,答弁書を提出し,答弁の趣旨を 「1 請求人の主張は成り立たない。 2 審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し,その理由を,要点以下のとおり主張し(平成26年1月21日付け「口頭審理陳述要領書」の内容を含む。),その主張事実を立証するため,「第2」に掲げた証拠を提出した。 1 本件登録意匠と甲1意匠とが類似するものでないこと (1)本件登録意匠は,請求人が主張する通り,曹洞宗の在家供養に使用されるためのレリーフ型仏像の脇仏部分であり,正面視右には,「高祖承陽大師道元禅師像(以下「道元禅師像」という。),正面視左には,「太祖常済大師瑩山禅師像(以下「瑩山禅師像」という。)を配置した意匠である。 曹洞宗の信者に対して販売をする以上は,この道元禅師像と瑩山禅師像が両脇に配された一仏両祖のデザイン(甲第3号証の1,甲第3号証の2参照)となることはごく自然であり,このようなデザインとなることは,当然の前提である。 そうすると,曹洞宗の信者向けレリーフ型仏像の意匠として,請求人が主張する本件登録意匠と甲1意匠との共通点(A)乃至(E)の点がいずれも存在することは,当然に有りうることであり,いずれも,それらが共通することは全く自然なことであり,それらの共通点をもって,類似するなどと主張することはできない。 (2)むしろ,本件登録意匠と先行意匠(当審注:「甲1意匠」の誤記と認められる。)との差異点に着目すれば,両意匠が類似と言うことはできないのであり,本件登録意匠に対する甲1意匠など認められないことは明らかである。 すなわち, (A)本件登録意匠は,仏像の脇物として道元禅師像と瑩山禅師像が両脇に配されたデザインであり,甲1意匠は,道元禅師像だけであること, (B)本件登録意匠が平面板を基盤にしたのに対し,甲1意匠が曲面を基盤にしていること(ただし,甲1意匠を横から見た図面や下部から見た図面が無いので彫り込んだものか,浮き彫りにしたものかは,証拠上不明である。), (C)本件登録意匠の道元禅師像は若いイメージに対して,甲1意匠は髭つきの顔であること, (D)持ち物の上部は本件登録意匠の丸状に対し,甲1意匠が刺丸状であること, (E)手の姿勢が違うので,持ち物の棒の立ちの角度も違うこと, 等であり,意匠として,明確な相違が生じているものである。 (3)被請求人においては,本件登録意匠にある道元禅師像及び瑩山禅師像について,掛軸等の道元禅師像及び瑩山禅師像の既存のデザインを参考としつつ,木彫の仏像の物品として,彫刻技術を考慮しながら,どのようなデザインとするかについて創意工夫を行った上で,本件登録意匠を開発しているのであるから,「商慣習上の転用」だとか,「公知のモチーフの単純な組み合わせ」,「物品の用途機能の単純な合理的追及の結果自ずから定まる形態の意匠」などと主張される類の意匠ではない。 (4)したがって,本件登録意匠が,意匠法第3条第1項第1号又は同項第3号の規定により,意匠登録を受けることができないものとして,無効となることは有りえない。 2 本件登録意匠が新規性を失った意匠でないこと 本件登録意匠を含む物品について,平成21年10月15日発行分の宗教工芸新聞の販売広告に掲載がされていることは事実である(甲第2号証)。 しかし,宗教工芸新聞は,月刊誌であり,名目上毎月15日発刊とされているものの,実際の頒布日は,毎月20日以降である。 したがって,本件登録意匠が,上記の点より,意匠法第3条第1項第2号又は,同項第3号に規定する意匠に該当するので,同法同条同項柱書の規定により,意匠登録を受けることができないものと言うことはできない。 3 本件登録意匠が「容易に意匠の創作をすることができた」ものでないこと (1)本件登録意匠は,特許庁の審査を経て,意匠として登録をされているものであり,当然,その物品の機能を確保するために不可欠な形状のみを前提として登録がされているものではないことは明らかな事実である。 請求人は,一仏両祖の配置形態において,その配置は,古来より同様の構図が取られてきており,必然的な形状であると主張する。 しかし,仏像に対して両祖を配置するとしても,真下に配置をするのか,横に近い下方に配置をするのか,具体的にどのような位置に脇仏を配置するかについては,意匠創作者によりさまざまであり,多様なデザインの中からの選択がされ得るものであることは明らかである。 (2)本件登録意匠で言えば,道元禅師像と瑩山禅師像の各デザイン(側面,底面から見たデザインも含めて),大きさ,位置関係を含めて1枚の板に対しての浮彫りがされていることが意匠の内容なのであり,請求人の「容易に意匠の創作をすることができたもの」に該当することは有りえない。 (3)したがって,本件登録意匠が,意匠法第3条第2項の規定により,意匠登録を受けることができないものであるとの主張は,認められない。 4 平成26年1月21日付け「口頭審理陳述要領書」における主張 東京地方裁判所平成24年(ワ)第14662号意匠権侵害差止等請求事件(原告:被請求人,被告:ずゞや株式会社,補助参加人:請求人)において,被請求人(原告)より申請された株式会社宗教工芸社に対する調査嘱託が採用され,同調査嘱託に対して,平成25年10月26日,宗教工芸社は東京地方裁判所に対して,「宗教工芸新聞293号(平成21年10月15日発行)は平成21年10月23日に逗子郵便局が集荷し,発送した。」と回答した(乙第1号証の2)。 第5 口頭審理 当審は,本件審判について,平成26年(2014年)2月5日に口頭審理を行った。(平成26年2月5日付け「第1回口頭審理調書」) 第6 当審の判断 1 本件登録意匠 本件登録意匠は,物品の部分について意匠登録を受けたものであって,本願の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「仏像」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとしたものであり,意匠に係る物品の説明を「本物品は,従来の仏像と比して,仏壇や厨子の中の狭いスペースにも安置し易いようにデザインされた各宗派在家供養用の仏像である。」とし,意匠の説明を「黄色で着色された部分を除く部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(当審注:以下「本件部分」という。)である。平面状の板の正面視下方に脇仏を表わしたデザインが彫られている。」としたものである。(別紙第1参照) (1)本件部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲 本件部分は,薄板状のレリーフ型仏像の正面視下方の部分であって,右側に道元禅師像を,左側に瑩山禅師像を配したものであるから,レリーフ型仏像の脇仏の用途及び機能を有するものである。また,本件部分の正面全体に占める範囲(相対的な大きさ)については,正面から見て,本件部分の縦幅が本件登録意匠のそれの略1/4となっており,側面及び背面から見た本件部分の縦幅も同様である。 (2)本件部分の形態 基本的構成態様として,以下の点が認められる。 ア 基本的構成態様について 全体が,正面視略縦長長方形で厚みの薄い略板体の下部であって,正面から見て,右側と左側に周囲が略樽形状で前方に隆起した部分(以下,それぞれ「右側隆起部」,「左側隆起部」という。)が形成されたものである。 また,具体的態様として,以下の点が認められる。 イ 右側隆起部と左側隆起部の形状について 側面及び底面から見て,右側隆起部と左側隆起部(以下「両隆起部」という。)の前方への突出の厚みは,略板体の厚さの略1.5倍である。また,両隆起部の側面視形状は,略下向き片側放物線形であって,上方寄り(道元禅師像と瑩山禅師像の喉に相当する箇所)に小さい凹みが形成されている。そして,両隆起部の底面は,略台形状にあらわれている。 ウ 右側隆起部の態様について 右側隆起部は,段状に隆起しており,一段目が座位像の周囲の部分であり,二段目が正面略中央の座位像の部分である。両者は,側面視下端寄りで面一致状になり,右側隆起部の下端部正面形状は略矩形状であり,下端左右の角が略直角になっている。正面から見て,右側隆起部の上端寄りから下端寄りにかけて,座位像がレリーフ状(浮き彫り状)に彫刻されており,その座位像は,法衣を纏ってその裾がひだ状にあらわれている。裾の下には,正面下端全幅の略1/2の幅を持ち,高さが低い略横長台部がある。そして,両腕を略く字状に内向きに曲げて,両手を膝の上に置きつつ,仏具である略逆U字形をした払子を両手で持ち,その払子の右方の肘の位置には,略縦長小判形部があらわれている。また,座位像の上腕から頭の耳部の位置の左右両側に,上方に弧状に伸びたひだが複数形成された布があらわされ,その布が右側隆起部の左上角と右上角に吊られるように配されて,右側隆起部の左端寄り上部と右端寄り上部にも複数のひだが形成されている。 エ 左側隆起部の態様について 座位像の持ち物が払子ではなく,略縦長棒状であって上部がやや膨らんだ笏を右手に持っている点を除き,右側隆起部の態様とほぼ同じである。 2 無効理由の要点 請求人が主張する本件意匠登録の無効事由は,本件登録意匠が,意匠登録出願前に公然知られた,甲1意匠と同一又は類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第1号又は同項第3号に規定する意匠に該当するので,同項柱書の規定により,意匠登録を受けることができないものであるから,本件意匠登録は,同法第48条第1項第1号に該当し,同項柱書の規定によって,無効とされるべきであるとするもの(以下,これを「無効理由1」という。),本件登録意匠が,意匠登録出願前に頒布された刊行物である,甲第2号証に記載された意匠と同一又は類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第2号又は同項第3号に規定する意匠に該当するので,同項柱書の規定により,意匠登録を受けることができないものであるから,本件意匠登録は,同法第48条第1項第1号に該当し,同項柱書の規定によって,無効とされるべきであるとするもの(以下,これを「無効理由2」という。),及び,本件登録意匠が,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであり,意匠法第3条第2項の規定により,意匠登録を受けることができないものであるから,本件意匠登録は,同法第48条第1項第1号に該当し,同項柱書の規定によって,無効とされるべきであるとするもの(以下,これを「無効理由3」という。)である。 3 無効理由1の判断 本件登録意匠が,甲1意匠と同一又は類似する意匠であるか否かについて検討する。 (1)甲1意匠 成立に争いのない甲第1号証(別紙第2参照)によれば,甲1意匠は,意匠に係る物品を「仏像」とし,正面に道元禅師像を配したものであって,その形態は,以下のとおりである。 基本的構成態様として,以下の点が認められる。 ア 基本的構成態様について 全体が,下部が水平に削られた略紡錘形状の立部と,その下の台座部から成り,両者の正面視横幅は略同一である。 また,具体的態様として,以下の点が認められる。 イ 立部及び台座部の形状について 立部の正面には,周囲に余地部を残して,下細りの略釣り鐘形状の凹面が縁部を曲面状にして形成されている。また,台座部は,横長の略四角台推形であって,その上面には,正面視左右に余地部を少し残して,立部の下端が接続している。 ウ 立部の態様について 立部の凹面には,上部に略横長矩形状の突出部が設けられ,その突出部には縦溝が複数形成されて,突出部の中央上部が隆起している。突出部の下方から凹面の下端にかけて,座位像がレリーフ状(浮き彫り状)に彫刻されており,座位像は法衣を纏ってその裾がひだ状にあらわれている。裾の下には,凹面下端全幅の略2/5の幅を持ち,やや高い略横長台部がある。そして,両腕を略く字状に内向きに曲げて,両手を膝の上に置きつつ,仏具である略逆V字形をした払子を両手で持っている。また,座位像の上腕から頭の耳部の位置の左右両側に,上方に弧状に伸びたひだが複数形成された布があらわされ,その布が上記突出部の左下方向と右下方向の部位に吊られるように配されて,凹面の左端寄り中央やや上と右端寄り中央やや上にも複数のひだが形成されている。 (2)本件登録意匠と甲1意匠の対比 本件登録意匠と甲1意匠は,共に「仏像」であって,意匠に係る物品は共通する。 しかし,本件登録意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであるのに対し,甲1意匠は物品の全体に係る意匠である点で異なっている。また,本件部分には,二つの座位像があらわれているところ,甲1意匠においては,二つの座位像はあらわれておらず,本件部分と比較の対象になる部分を見出すことはできない。 したがって,本件登録意匠と甲1意匠は,意匠に係る物品は共通するものの,双方の形態についての比較を行うことができないので,本件登録意匠が甲1意匠と同一であるとも,甲1意匠に類似するともいえない。 (3)小括 本件登録意匠は,甲1意匠と同一又は類似する意匠ではないので,請求人が主張する無効理由1には,理由がない。 4 無効理由2の判断 本件登録意匠が,意匠登録出願前に頒布された刊行物である,甲第2号証(別紙第3参照)に記載された意匠と同一又は類似する意匠であるか否かについて検討する。 (1)甲第2号証 甲第2号証について,請求人は,以下のように主張する。 「本件登録意匠を含む物品について,本件登録意匠の登録出願に先立つ平成21年10月15日,新聞掲載の方法で販売広告が出されている。」 これに対して,被請求人は,乙第1号証の1(別紙第4参照)及び乙第1号証の2(別紙第5参照)の証拠を提出して,以下のとおり抗弁した。 「宗教工芸新聞は,月刊誌であり,名目上毎月15日発刊とされているものの,実際の頒布日は,毎月20日以降である。」 「東京地方裁判所平成24年(ワ)第14662号意匠権侵害差止等請求事件(原告:被請求人,被告:ずゞや株式会社,補助参加人:請求人)において,被請求人(原告)より申請(当審注:乙第1号証の1)された株式会社宗教工芸社に対する調査嘱託が採用され,同調査嘱託に対して,平成25年10月26日,宗教工芸社は東京地方裁判所に対して,「宗教工芸新聞293号(平成21年10月15日発行)は平成21年10月23日に逗子郵便局が集荷し,発送した。」と回答した(乙第1号証の2)。」 被請求人のこの抗弁及び事実ついて,請求人は,事実を認め,事実に対する再抗弁を行わなかった。そして,「本件登録意匠は,「意匠登録出願前に日本国内又は外国において,頒布された刊行物に記載された意匠」と同一又は類似するものであるから,意匠法第3条第1項第2号又は同項第3号の規定により意匠登録を受けることができない」と主張するものの,甲第2号証が本願の出願前に頒布された事実について何ら立証しなかった。 したがって,請求人が無効理由2の根拠として提示した甲第2号証に記載された意匠の公知となった日付けは,当該宗教工芸新聞の発行日として記載された平成21年10月15日ではなく,少なくても平成21年10月23日以降であると認められる。また,それ以前に公知となった事実も見受けられない。 よって,甲第2号証が,本願の出願前に頒布された刊行物であると認めることはできない。 (2)小括 本件登録意匠は,意匠登録出願前に頒布された刊行物に記載された意匠と同一又は類似する意匠ではないので,請求人が主張する無効理由2には,理由がない。 5 無効理由3の判断 本件登録意匠が,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が日本国内において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであるか否かについて検討する。 (1)請求人の主張 請求人の主張は,概略以下のとおりである。 ア 本件登録意匠を含む物品について,本件登録意匠の登録出願に先立つ平成21年10月15日,新聞掲載の方法で販売広告が出されており(甲第2号証),本件登録意匠に係る物品は,商業用に量産されることを予定し,大量に複製・頒布される得るものとして創作されている。 イ 本件登録意匠に係る物品は,甲1意匠をパソコン上のデザインデータとして取り込み,拡大・縮小等の加工をして,そのまま平面上の板に機械彫りすることが容易に可能である。 本件登録意匠のうち道元禅師像(正面視右)は甲1意匠と同一又は類似であり,瑩山禅師像(正面視左)も道元禅師像(正面視右)の意匠をそのまま使用し,僧侶の持物だけを払子から笏に変更しただけのものである。笏のデザインも,一般に普及している太祖常済大師瑩山禅師像のものと同じである(甲第4号証の3,4)。 ウ 古来から伝わる仏像配置の定型形態である三尊形式(曹洞宗では一仏両祖)で,本尊を中心にして大きくお祀りできるようにして,スタンド型掛軸のようなレリーフ型仏像(甲第11号証の意匠登録第1268826号参照)を作成しようとすれば,2体一対からなる脇仏の配置は,掛軸でも古来からそのような構図が取られてきているとおり,正面視下方に配置するほかなく,本件登録意匠の意匠の説明「平面状の板の正面視下方に脇仏を表したデザインが彫られている。」というのは,三尊形式のレリーフ型仏像という物品の機能を確保するために不可欠な形状であるに過ぎない。 エ 曹洞宗の仏像分野における通常の知識を有する者にとって,両祖像の配置を正面視下方(下に近い横)とすること,レリーフ型仏像の形状を既存の仏像や掛軸等の形状に模すること,及び,持物を置き換えて両祖像を左右対称に配置することは,当業者にとってありふれた手法である。 (2)本件登録意匠の創作容易性について 本件部分の形態は前記1(2)で,甲1意匠の形態は前記3(1)で,それぞれ述べたとおりのものである。 そこで,本件部分の特徴と認められる形態,すなわち,両隆起部の前方への突出の厚みを略板体の厚さの略1.5倍とし,両隆起部を段状に隆起させて一段目を座位像の周囲の部分,二段目を正面略中央の座位像の部分として,両者を側面視下端寄りで面一致状にさせて,両隆起部の下端部正面形状を略矩形状に,下端左右の角を略直角にした点について検討すれば,このような形態は,甲1意匠には全く存在しない形態であることから,当業者が,甲1意匠に基づいて容易に創作できたとは到底言うことができない。 なお,請求人は,甲第2号証において,本件登録意匠を含む物品について,本件登録意匠の登録出願に先立つ平成21年10月15日,新聞掲載の方法で販売広告が出されたとの事実を主張するが,前述のとおり,甲第2号証は,本願の出願前に頒布された刊行物であると認めることはできないので,該事実を首肯することはできない。 また,請求人は,甲第4号証の3(別紙第6参照)及び甲第4号証の4(別紙第7参照)に基づいて,本件登録意匠の瑩山禅師像の持物である笏のデザインが,一般に普及している太祖常済大師瑩山禅師像のものと同じである旨主張するが,甲第4号証の3にあらわされた笏は,全体が棒状ではあるものの,略雲状に広がる板が上部に設けられており,略縦長棒状であって上部がやや膨らんだ本件部分の笏の形状とは異なっている。そして,甲第4号証の4では,各図が小さいために,座位像が保持する笏の形状を正確に把握することができない。したがって,該主張を採用することはできない。 さらに,請求人は,甲第11号証(別紙第8参照)の意匠登録例に基づいて,三尊形式のレリーフ型仏像を作成する場合に,2体一対の脇仏は正面視下方に配置するほかないこと,及び,曹洞宗の仏像分野における通常の知識を有する者にとって,両祖像の配置を正面視下方(下に近い横)とすることがありふれた手法であることを主張するが,これは三尊形式の配置一般の態様について述べたものであって,上述のように立体として特徴的な形状を有する本件部分の創作非容易性について,具体的な公知事例に基づいて主張したものではないので,請求人のその主張も採用することはできない。 (3)小括 そうすると,本件登録意匠は,甲1意匠及び請求人が提出した証拠に基づいて,当業者が容易に創作することができたものとすることはできない。 したがって,本件登録意匠は,その意匠登録出願前に,その意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形態に基づいて容易に創作することができた意匠とは認められず,無効理由3には,理由がない。 第7 むすび 以上のとおりであるから,請求人の主張及び証拠方法によっては,無効理由1ないし無効理由3いずれにも理由はなく,本件登録意匠を無効とすることはできない。 審判に関する費用については,意匠法第52条で準用する特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2014-03-26 |
出願番号 | 意願2009-24332(D2009-24332) |
審決分類 |
D
1
113・
111-
Y
(C7)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 玉虫 伸聡 |
特許庁審判長 |
小林 裕和 |
特許庁審判官 |
富永 亘 原田 雅美 |
登録日 | 2010-04-30 |
登録番号 | 意匠登録第1389209号(D1389209) |
代理人 | 酒井 秀大 |
代理人 | 大森 浩司 |