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審決分類 |
審判 査定不服 意7条一意匠一出願 取り消して登録 J7 |
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管理番号 | 1320244 |
審判番号 | 不服2016-3861 |
総通号数 | 203 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2016-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-03-14 |
確定日 | 2016-09-16 |
意匠に係る物品 | マッサージ具 |
事件の表示 | 意願2014- 28112「マッサージ具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成26年(2014年)12月17日に出願された意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)を,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は「マッサージ具」であり,その形態は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)。(別紙第1参照) 第2 原査定における拒絶の理由 原査定における拒絶の理由は,以下のとおりである。 「この意匠登録出願は,経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められませんので,意匠法第7条に規定する要件を満たしていません。」 そして,以下のとおり付記をした。 「この意匠登録出願の意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり,マッサージ具の意匠の,(1)持ち手及び背中を掻くための部分からなる部分と,(2)肩たたき部分との二つの部分を意匠登録を受けようとする部分としたものですが,上記(1)の部分と(2)の部分とは物理的に分離しており,両部分は形態的な一体性や機能的な一体性のいずれも有さないものであることから,この意匠登録出願は,二つの意匠に係るものです。」 第3 請求人の主張の要点 本願意匠については,出願当初の願書の【意匠に係る物品の説明】欄の「肩を叩いたり」,「指圧したり」と記述していることや願書添付図面の【使用例を示す参考図(1)】において,二つの意匠からなるとされた箇所を使用して,指圧をしている図を示していることから,内部で繋がっている一つの意匠であることは出願時の願書及び添付図面から当然に認識することができるものである。 また,本願意匠は,柄から先端丸味(上記でいう「略半球団子形状物」の部分)へ続く優美でなだらかな形状をしており,その形状には「形態的な一体性」があると感じられること,柄がないと先端丸味で叩いたり,指圧したりできないから,「機能的な一体性」も有していると言え,本願意匠は物理的に分離した二以上の意匠登録を受けようとする部分が含まれているとしても一意匠として取り扱われるべき出願である。 上記のように本願意匠は,意匠法第7条に規定する要件を満たしており,意匠登録を受けることができるものと確信する。 第4 当審の判断 本願が,意匠法第7条の要件を満たす意匠ごとの出願であるか否かについて,以下に検討する。 (1)本願意匠 本願意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,意匠に係る物品が「マッサージ具」に係るものであって,具体的には,願書に添付した図面において,全体は,断面形状を略楕円形とする棒状の柄を両先端に向けて膨らみを持たせて湾曲させ,片方は端部を約90度に曲げて先端を略半球状(以下,略半球状部分を「肩たたき部」という。)として,もう一方の端部は先端を爪状に尖らせたものであって,本願部分は,先端爪状部から断面略楕円形状の棒状の柄を約90度に曲げた肩たたき部の略半球状の柄寄りの周面までと,肩たたき部の先端から略半球状部の上部までを実線として,前記二つの部分の間を一点鎖線により細幅帯状に区画するとともに,その間の柄と肩たたき部の境界を破線で表し,また,肩たたき部の柄側の周面の上に二重の小さな円形を,大きい方を一点鎖線により区画し,小さい方を破線で表して,実線で表された部分のみを部分意匠として意匠登録を受けようとする部分としている。 (2)本願意匠が一意匠として認められるか否かの判断 本願意匠は,前記(1)で認定したとおりのものであるが,本願部分は,図面上においては,先端爪状部からもう一方の柄の端部までの部分と,その先の肩たたき部の略半球状部分とが,その間の一点鎖線で区画された細幅帯状の範囲によって,外観においては二つの部分からなるように表れているとしても,一点鎖線で区画された細幅帯状の範囲は狭く,破線部分に平行して記載されていることから,破線部分が意匠登録を受けようとする部分ではないことを示すために一点鎖線で区画し,破線部分が直線状であるとは限定しないことのみを意図として,その部分を除くとした出願であると判断することができるものであり,柄の端部から略半球状部の端部の形状が滑らかに連続する滴状に形成されていることからも,形態的な一体性が認められる。 そうすると,本願部分は二つに物理的に分離はされているものの,これら二つの部分は,形態的一体性が認められ,本願部分は一意匠として取り扱うべきであるから,本願意匠は,意匠法第7条に規定する要件を満たすものである。 第5.むすび 以上のとおり,本願意匠は,原査定の拒絶の理由によっては,意匠法第7条に規定する要件を満たさないものに該当するとはいえないので,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2016-08-31 |
出願番号 | 意願2014-28112(D2014-28112) |
審決分類 |
D
1
8・
52-
WY
(J7)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大峰 勝士 |
特許庁審判長 |
本多 誠一 |
特許庁審判官 |
山田 繁和 正田 毅 |
登録日 | 2016-10-21 |
登録番号 | 意匠登録第1563467号(D1563467) |
代理人 | 鈴江 正二 |