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審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 B1
管理番号 1379902 
審判番号 不服2021-9817
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-07-23 
確定日 2021-10-13 
意匠に係る物品 下着 
事件の表示 意願2020- 9532「下着」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1手続の経緯
令和 2年(2020年) 5月14日 意匠登録出願
令和 2年(2020年) 9月11日付け 協議指令
令和 2年(2020年) 9月11日付け 拒絶理由通知
令和 3年(2021年) 4月22日付け 拒絶査定
令和 3年(2021年) 7月23日 審判請求書提出
令和 3年(2021年) 7月23日 手続補正書提出

第2 本願意匠
本願は、2019年11月15日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴い、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願(意願2020-009532)であり、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、願書の記載及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「下着」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものであって、意匠の説明を「図面上に示される破線は、本意匠を構成しない。表面に表された細線は、立体表面の形状を特定するためのものである。また、斜め格子状の網目模様は、綿またはスパンデックスなどの布を表すもので、意匠の模様を構成するものではない。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定における拒絶の理由及び協議指令の対象とした意匠
本願意匠は、同一の出願人が同日(令和2年(2020年)5月14日(2019年11月15日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張)に意匠登録出願した、意願2020-009531の意匠(以下「協議対象意匠」という。)(別紙第2参照)と類似するものと認められ、意匠法第9条第2項前段の規定に該当するので、意匠法第9条第4項の規定に基づき、協議指令を行ったところ、この規定による届け出がないため、意匠法第9条第5項の規定により協議が成立しなかったものとみなされ、意匠法第9条第2項後段の規定により意匠登録を受けることができないとされたものである。

第4 請求人の対応
請求人は、原査定に対し、この意匠登録出願について、令和3年(2021年)7月23日に拒絶査定不服審判を請求するとともに、協議対象意匠の意匠登録出願についても同日に拒絶査定不服審判を請求し、また、本願について同日に手続補正書を提出して、願書に【本意匠の表示】の欄を設け、協議対象意匠を本意匠とする補正を行った。

第5 当審の判断
1 本願意匠と協議対象意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「下着」であり、協議対象意匠の意匠に係る物品も「下着」であって、本願意匠と協議対象意匠(以下「両意匠」という。)とは、意匠に係る物品については、共に「下着」であるから一致し、両意匠の意匠に係る物品は同一である。
(2)両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲
本願と協議対象意匠の意匠登録出願は、共に意匠登録を受けようとする部分の出願であって、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)と協議対象意匠の意匠登録を受けようとする部分(以下、「協議対象部分」といい、本願部分とあわせて「両部分」という。)は、いずれも破線部を除く部分であって、着用部位を保護及び保温し、上に重ねる衣服に直接肌が触れないようにするものであるから用途及び機能が一致し、腰から腿にかけて覆うボクサーパンツ型下着の破線部を除く全ての部分であるからその位置、大きさ及び範囲も一致する。したがって、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は同一である。
(3)両部分の形態
両部分の形態について対比すると、両部分は、平面視で略横長長円形状の履き口を有し、正面視で縦方向、上から約2/3で二股に分かれた略筒状体であって、正面視の下方略中央で、放物線状に表れ、側面視で上方から股部にかけて斜め下方に丸みを帯びて膨出する膨出部を形成し、ボトム部はそれぞれ略楕円筒状で、裾口は底面視で縦長楕円形状である点が共通し、腰部の正面脇寄りの内側に開口した収納部を備えたポケット部を配した点、ポケット部は、「9-9線拡大断面図」において、縦の長さが全体の約1/4で、縦横の長さ比が約3:2の縦長長方形状であり、開口縁部は横長帯形状である点も共通しており、これらの共通点は両部分の類否判断に与える影響は大きく、支配的なものである。
一方、相違点として、そのポケット部において、本願部分は、正面視左上(装着時右腰)の内側に配置したものであるのに対し、協議対象部分は、正面視右上(装着時左腰)の内側に配置したものである点が相違しているが、左右の別以外は同形状の構成物を内側の上下方向の同位置に配置したものであるから、その相違点は、意匠全体からみて部分的相違に止まり、両部分の意匠の類否判断に与える影響は小さい。
そうすると、共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響が大きく、支配的であるというべきであるのに対して、相違点は両部分の意匠の類否判断に与える影響は小さく、部分的相違にとどまり、相違点の印象は、共通点の印象に埋没する相違であって、共通点の印象を覆すには至らないものであるから、意匠全体として見た場合、両部分は類似する。
したがって、両意匠の意匠に係る物品は同一であって、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲も同一であり、その形態も類似することから、両意匠は類似するものと認められる。
なお、本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当するか否かについて検討すると、協議対象意匠(本意匠)は、本願の意匠登録出願人の意匠登録出願に係る意匠であるから、意匠法第10条第1項に規定されている本意匠の要件を満たしている。
また、本願意匠の意匠登録出願の日は、協議対象意匠(本意匠)の意匠登録出願の日と同日であって、協議対象意匠(本意匠)の意匠公報の発行の日前であるから、意匠法第10条第1項に規定されている関連意匠の意匠登録出願の日の要件を満たしている。
そして、上述のとおり、本願意匠は本意匠に類似するものと認められるので、本願意匠は、意匠法第10条第1項に規定されている、本意匠に類似する意匠(関連意匠)の要件を満たしている。
したがって、本願意匠は、意匠法第10条第1項の規定に該当する。
そうすると、本願意匠は、意匠法第10条第1項に規定する関連意匠の要件を満たすものであり、協議対象意匠を本意匠として、意匠登録を受けることができるものである。

第6 むすび
したがって、本願意匠は、原審の拒絶の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることができない。
また、本願について、他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

審決日 2021-09-28 
出願番号 意願2020-9532(D2020-9532) 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (B1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 小林 裕和
渡邉 久美
登録日 2021-11-12 
登録番号 意匠登録第1701216号(D1701216) 
代理人 清原 義博 
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