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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H1
管理番号 1383274 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-06-28 
確定日 2022-03-29 
意匠に係る物品 太陽電池モジュール 
事件の表示 意願2019− 7306「太陽電池モジュール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、2019年1月28日の中華人民共和国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う、平成31年(2019年)4月4日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 2年(2020年) 9月28日付け 拒絶理由の通知
同年 10月29日 意見書の提出
令和 3年 3月30日付け 拒絶査定
同年 6月28日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「太陽電池モジュール」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」ともいう。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第3 原審の拒絶の理由及び引用した意匠

原審における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠は、意匠に係る物品が太陽電池モジュールであって、その形態は、全体形状を略縦長長方形とし、内部に四隅を切り欠いた略正方形の太陽電池セルを境界が見えないよう隙間なく垂直方向に連設して帯状にしたユニットを、6つ並列させたものです。
このうち、全体形状を略縦長長方形とし、内部に四隅を切り欠いた略正方形の太陽電池セルを垂直方向に連設して帯状にしたユニットを6つ並列させた態様は引用意匠1において、全体形状を略縦長長方形とし、内部に切欠のある略長方形の太陽電池セルを境界が見えないよう隙間なく垂直方向に連設して帯状にしたユニットを6つ並列させた態様は引用意匠2において、いずれも本願出願前から公然知られています。
そうすると、本願意匠は、上述したように本願出願前に公然知られた態様を組み合わせたものであって、当業者であれば容易に創作できたものと認められます。

引用意匠2
著者 カナディアン・ソーラー・ジャパン
タイトル 産業用太陽光モジュールの新モデル、年明け発売へ【カナディアン・ソーラー・ジャパン】バスバーレスで405Wの高出力実現 | 新エネルギー新聞
掲載箇所 記事掲載ページの中央
媒体のタイプ [online]
掲載年月日 2018年11月26日
検索日 2020年09月25日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレスURL http://www.newenergy-news.com/?p=16915
に、製品名『HiDM(エイチアイディーエム)モジュール』、製品番号『CS1U−405/410MS』として掲載された『太陽電池モジュール』の意匠

引用意匠1
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2013年 8月 2日に受け入れた
住宅用太陽光発電システム 総合カタログ 2013−5
第9頁所載
太陽電池パネルの意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC25015158号)」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠

(1)意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し蓄電するために使用する「太陽電池モジュール」である。

(2)本願意匠の形状等
ア 基本的構成態様
本願意匠は、全体を略縦長長方形薄板とし、その正背面の周縁を略細幅縁状に形成し、正面側の周縁内側に沿って略縦長矩形細枠状の余地(以下「枠状余地部」という。)を設けて、四隅の角をごく小さく切り欠いた略正方形の太陽電池セルを11個縦に密着してなる略縦帯状のセルユニットを6列近接して配置したものであって、セルユニット間に略縦筋状の余地を5列形成している(以下、セルユニット間の余地を「筋状余地部」といい、枠状余地部と合わせて「余地部」という。)。
また、本願意匠の周側面、正背面の周縁及び太陽電池セルは黒色に着色している。
イ 具体的態様
(ア)各部の長さの比率
全体の縦、横の長さ及び厚みの比率は、約1.8:1:0.02で、セルユニットの縦、横の長さの比率は、約11:1である。
また、太陽電池セルの一辺の長さに対する両端の切欠きの幅の比率は、それぞれ約1:25である。
(イ)余地部の幅の比率
枠状余地部のうち、上下枠は略同幅で、横枠は上下枠の約1/3の幅で、筋状余地部の各列はいずれも枠状余地部の横枠と同幅である。
(ウ)余地部の形状等
余地部は、枠状余地部の上下枠が筋状余地部を介して繋がっており、各部に太陽電池セルの四隅の切欠きによるごく小さなギャップが節状に多数表れているものである。
[枠状余地部]
枠状余地部は、上下枠と横枠がそれぞれ略対称形で、上下枠は筋状余地部との接点に内側を頂部とする略二等辺三角形のギャップを5個ずつ設け、横枠にも内側を頂部とする略二等辺三角形のギャップを等間隔に10個ずつ設けている。
[筋状余地部]
筋状余地部は、各列に略ひし形のギャップを等間隔に10個ずつ設けている。

2 引用意匠

(1)引用意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠に係る物品
引用意匠1は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し蓄電するために使用する「太陽電池パネル」である。
イ 引用意匠1の形状等
引用意匠1は、全体が略縦長長方形板で、正面周縁を略細幅縁状に形成し、枠状余地部を挟んで内側全体に四隅の角を切り欠いた略正方形の太陽電池セルを72個、縦に6列横に12行近接して升目状に配置したものであって、上下枠と横枠の太陽電池セルの境目に内側を頂部とする略二等辺三角形のギャップをそれぞれ5個ずつと11個ずつ設け、また、内部の太陽電池セルの交差する箇所に略ひし形のギャップを55個設けている。
また、太陽電池セルの一辺の長さに対する両端の切欠きの幅の比率は、それぞれ約1:10で、周側面、正面の周縁及び太陽電池セルは黒色に着色している。

(2)引用意匠2(別紙第3参照)
ア 意匠に係る物品
引用意匠2は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し蓄電するために使用する「太陽電池モジュール」である。
イ 引用意匠2の形状等
引用意匠2は、全体が略縦長長方形板で、正面全体に縦横の長さの比率を約1:2とする略横長長方形の黒色に着色した太陽電池セルを27個縦に密着してなる略縦帯状のセルユニットを6列近接して配置したものであって、セルユニット間に筋状余地部を形成している。
なお、引用意匠2の両端及び筋状余地部に小さなギャップが等間隔に多数表れているが、その具体的な形状等は不明である。

3 本願意匠の創作性の検討

この物品の属する分野においては、全体を略縦長長方形板とし、その正面の周縁を略細幅縁状に形成し、正面側の周縁内側に沿って枠状余地部を設けて、四隅の角を切り欠いた略正方形の太陽電池セル内側全体に升目状に配置したもの(引用意匠1)は本願出願前から公然知られており、また、太陽電池セルを複数個縦に密着したセルユニットを複数列近接して配置したもの(引用意匠2)も本願出願前から公然知られていることから、これらの態様は、当業者にとって、格別の創作を要したものということはできない。
しかしながら、本願意匠のように、太陽電池セルの四隅に一辺の長さの約1/25幅の切欠きを設けて、枠状余地部及び筋状余地部に略二等辺三角形のギャップをごく小さな節状として表したものは、引用意匠1及び引用意匠2には見られないものであるから、一定の創作を有するものといわざるを得ない。
そうすると、本願意匠の態様は、この種物品分野において独自の着想によって創出したものであり、当業者が公然知られた形状等に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲








審決日 2022-03-08 
出願番号 2019007306 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H1)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 内藤 弘樹
加藤 真珠
登録日 2022-04-19 
登録番号 1713755 
代理人 特許業務法人R&C 
代理人 特許業務法人R&C 
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