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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 L2 |
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管理番号 | 1385261 |
総通号数 | 6 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2022-06-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-12-20 |
確定日 | 2022-05-31 |
意匠に係る物品 | 土木工事用袋体の吊りロープ |
事件の表示 | 意願2020−27178「土木工事用袋体の吊りロープ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の主な経緯 本願は,令和2年(2020年)12月17日の意匠登録出願であって,令和3年5月10日付けの拒絶理由の通知に対し,同年6月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが,同年8月26日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年12月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「土木工事用袋体の吊りロープ」とし,その形状は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。 第3 原審の拒絶の理由 原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ,頒布された刊行物に記載され,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。 「本願意匠は『土木工事用袋体の吊りロープ』に係る創作であり,その構成態様は,一方の端部を他方の端部近傍に埋め込み,他方の端部を一方の端部近傍に埋め込んで無端状としたものと認められます。 この意匠登録出願の意匠に係る『土木工事用袋体の吊りロープ』の分野において,無端状のものは,意匠1(特に[0020]参照)に見られるようにありふれています。 そして,無端状のロープの具体的態様として本願出願前の意匠2の端部接続形状を採用し,本願意匠とすることは,当業者が容易に創作することができたものです。 意匠1 特許庁発行の公開特許公報記載 特開2019−182456 図1,2,5および関連する記載によって表された『吊りロープ23』の意匠 意匠2 特許庁発行の公開特許公報記載 特開2012−116638 図14および関連する記載によって表された搬送ロープ2の意匠」 第4 当審の判断 以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。 1.本願意匠の認定 本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。 (1)本願意匠の意匠に係る物品 本願意匠の意匠に係る物品は,「土木工事用袋体の吊りロープ」である。 (2)本願意匠の形状 本願意匠は,主に以下の形状を認めることができる。 〔形状A〕ストランド(子縄)を編み込んで作ったロープである。 〔形状B〕1本のロープから成り立っている。 〔形状C〕全体が輪(無端状)になっている。 〔形状D〕一端と他端の接続部は,一端を他端の編み込みの中に入れ込んで,他端を一端の編み込みの中に入れ込んで成している。 〔形状E〕一端の入れ込んだ位置と他端の入れ込んだ位置は接している。 〔形状F〕接続部は,一端と他端を入れ込んであるので,その分ロープ径が太くなっている。 〔形状G〕ロープ径が太くなっている接続部の長さは,全長の約14分の1である。 2.本願意匠の創作の容易性について (1)出願前に公然知られた形状 本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる形状は,以下のとおりである。 ア.意匠1より 〔形状1c〕全体が無端状になっている。 イ.意匠2より 〔形状2a〕ストランドを編み込んで作ったロープである。 〔形状2c〕全体が輪になっている。 〔形状2d〕一端と他端の接続部は,一端を他端の編み込みの中に入れ込んで,他端を一端の編み込みの中に入れ込んで成している。 〔形状2f〕接続部は,一端と他端を入れ込んであるので,その分ロープ径が太くなっている。 (2)本願意匠の創作の容易性について 本願意匠の形状A,C,D及びFは,それぞれ本願の出願前に公然知られた意匠1及び意匠2の形状をモチーフとして容易に創作をすることができたものと認められる。 しかし,本願意匠の形状B,E及びGは,本願の出願前の公然知られた形状に基づいて容易に意匠の創作をすることができたとまではいえない。 3.結び したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2022-05-10 |
出願番号 | 2020027178 |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(L2)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
正田 毅 橘 崇生 |
登録日 | 2022-06-09 |
登録番号 | 1717652 |
代理人 | 山口 朔生 |