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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 L3
管理番号 1390631 
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-06-22 
確定日 2022-10-17 
意匠に係る物品 住宅 
事件の表示 意願2021− 16071「住宅」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、意匠法4条2項の規定(新規性の喪失の例外)の適用を受けようとする、令和3年(2021年)7月26日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 4年(2022年) 1月25日付け 拒絶理由通知書
同年 3月14日 意見書の提出
同年 3月15日付け 拒絶査定
同年 6月22日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る建築物を「住宅」とし、その形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠

原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠(別紙第2参照)
表題 ”家の真ん中にガレージ!?”オートバックスオリジナルブランド「GORDON MILLER」と住宅エンターテイメントメディア「Dolive」がコラボ、「新しいガレージライフ」を追求した規格住宅を開発
媒体のタイプ [online]
掲載日 2021年5月13日
検索日 2022年1月24日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000015251.html
に掲載された住宅の意匠の本願意匠について部分意匠として意匠登録を受けようとする部分に相当する部分

第4 意匠法4条2項の規定の適用について

1 意匠法4条2項の規定について
意匠法4条2項の規定は、創作された意匠が、その公開時において意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して、意匠法3条1項1号又は2号に該当するに至った意匠(以下「公開意匠」という。)となったときは、その公開意匠が最初に公開された日から1年以内に当該公開意匠についての意匠登録を受ける権利を有する者が意匠登録出願し、所定の要件を満たした場合、その意匠登録出願に限り、新規性(意匠法3条1項各号)及び創作性(意匠法3条2項)の要件の判断において、当該公開意匠を意匠法3条1項1号又は2号に該当しないとみなすものである。
そして、意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して同一の意匠が複数回公開された場合において、意匠法4条2項の規定の適用を受けるためには、原則として、それぞれの公開について、新規性の喪失の例外証明書に記載する必要がある。

2 本願意匠における新規性の喪失の例外証明書に記載された意匠の公開行為と、引用意匠の公開行為について
(1)新規性の喪失の例外証明書に記載された意匠(以下「証明書記載意匠」という。)の公開行為
本願は、意匠の公開行為として、合わせて3つのウェブサイトに掲載された意匠について、新規性の喪失の例外証明書を提出しているところ、この証明書のうち、通し番号10ないし25に記載の意匠は、以下のアドレスの画面の写しを、その公開の事実を示す証拠(ウェブサイトの写し)として提出したものである。
https://the−house−garage.dolive.media/?utm_source=prtimes&utm_campaign=HG_20210513
なお、このアドレスの後半部分のうち、“?utm_source=prtimes”は、流入元が「株式会社PR TIMES」のサイトであるとの意味で、また、“&utm_campaign”は、商品のキャンペーン名や当該キャンペーンのプロモーションコード等を意味し、これらのURLパラメータがなくとも同じページを表示できるものである。

(2)引用意匠の公開行為
引用意匠は、前記第3に記載のとおりであるが、その第5頁の真ん中よりやや上に掲載のプロジェクトページのアドレス(https://bit.ly/3txk5ee)は、短縮URLによって表されたアドレスであるところ、本来のアドレスは、“https://the−house−garage.dolive.media/”であり、これは、(1)の証明書記載のアドレスと実質的に同じアドレスである。
すなわち、引用意匠が掲載されたインターネット記事に、(1)の証明書記載のアドレスが紹介されているものである。

3 証明書記載意匠と引用意匠の同一性について
証明書記載意匠と引用意匠は、共に「住宅」の意匠であり、その形状等においても相違する点はなく、同一の意匠である。

4 引用意匠について公然知られた意匠に該当するに至らなかったものとみなすことができる否かについて
引用意匠は、この意匠についての意匠登録を受ける権利を承継した株式会社ベツダイの行為に起因して公開されたものであり、本願意匠は、引用意匠が公開された日から1年以内に引用意匠についての意匠登録を受ける権利を有する者である株式会社ベツダイが意匠登録出願したものである。
そして、前記2(2)のとおり、引用意匠のアドレスは、証明書記載のアドレスと実質的に同じアドレスであるから、証明書記載意匠の公開と引用意匠の公開には密接な関連性があるといわざるを得ない。
したがって、引用意匠の公開は、証明書記載意匠の公開に基づいて行われたものといえ、本願は、証明書記載意匠について意匠法4条2項の規定の適用を受けようとするものであるから、引用意匠は、意匠法3条1項1号又は2号に該当するに至らなかったものとみなすことができる。

第5 むすび

そうすると、引用意匠については、意匠法4条2項の規定に基づき、新規性及び創作性の要件の判断において、本願の出願前に意匠法3条1項1号又は2号に該当するには至らなかったものとみなすことができることから、本願意匠について、引用意匠に同一又は類似するものであるか否かの判断を行うまでもなく、原査定の引用意匠をもって意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するとして、同法同条同項の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲










審決日 2022-10-04 
出願番号 2021016071 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (L3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 内藤 弘樹
外山 雅暁
登録日 2022-11-14 
登録番号 1730401 
代理人 特許業務法人南青山国際特許事務所 

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