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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1392126 
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-05-16 
確定日 2022-11-11 
意匠に係る物品 テレビスタンド 
事件の表示 意願2021−2324「テレビスタンド」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
第1 手続の主な経緯
本願は、令和3年(2021年)2月3日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

令和 3年10月12日付け :拒絶理由の通知
令和 4年 2月10日付け :拒絶査定
5月16日 :審判請求書の提出
8月 9日付け :審尋
9月15日 :回答書及び手続補正書の提出

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「テレビスタンド」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1678380号
(意匠に係る物品、テレビスタンド)の意匠における、縦長長方形及びその内側に表された小円形の部分(補強用板及び固定用ビスの一部であると推察される部分)

第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると、以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「テレビスタンド」であって、MDF(Medium Density Fierbord:中質繊維板または中密度繊維板のこと。)や樹脂等の基台に補強用の鉄板が仕込まれたものである。

(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち、意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は、テレビスタンドにおける基台の底面に仕込まれた鉄板部分である。
本願部分の位置、大きさ及び範囲は、基台の底面の左右中央に位置する、基台の横幅の3分の1強を有するものである。
本願部分の用途及び機能は、テレビスタンドの補強である。

(3)本願部分の形状
〔形状A1〕本願部分は、ごく小さな角丸とした長方形の板状体である。
〔形状A2〕本願部分は、長辺:短辺が、約66:50である。
〔形状A3〕本願部分は、基台の厚さの約3分の1の厚さである。
〔形状A4〕本願部分は、表面を基台の底面と面一としている(「面一」とは、2つの面の間に段差が無く平らなさまのこと。)。
〔形状A5〕左右の長辺に沿って、3つずつ計6つのごく小円形が等間隔に現れている。
〔形状A6〕基台の奥側に、3つの小円形が山型に並んで現れている。

2.引用意匠
引用意匠は、上記「第3」の、意匠公報の記載によると、以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「テレビスタンド」である。

(2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
引用意匠中、本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分と併せて「両部分」という。)は、テレビスタンドにおける基台の底面に現れた長方形部分である。
引用部分の位置、大きさ及び範囲は、基台の底面の左右中央に位置する、基台の横幅の3分の1強を有するものである。
引用部分の用途及び機能は、不明である。

(3)引用部分の形状
〔形状B1〕引用部分は、ごく小さな角丸とした長方形である。
〔形状B2〕引用部分は、長辺:短辺が、約66:50である。
〔形状B3〕引用部分の厚さは、不明である。
〔形状B4〕引用部分は、基台の底面から突出してはいないが、段差を設けてへこんでいるか面一かは、不明である。
〔形状B5〕左右の長辺に沿って、3つずつ計6つのごく小円形が等間隔に現れている。
〔形状B6〕基台の奥側に、3つの小円形が山型に並んで現れている。

3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠も引用意匠も、意匠に係る物品は、共に「テレビスタンド」である。

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分共に、基台の底面の左右中央に位置する、基台の横幅の3分の1強を有するものである。

(3)両部分の用途及び機能の対比
本願部分の用途及び機能は、テレビスタンドの補強であるのに対して、引用部分の用途及び機能は、不明である。

(4)両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると、以下に示す共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
〔共通点1〕両部分は共に、ごく小さな角丸とした長方形である。(形状A1とB1)
〔共通点2〕両部分は共に、長辺:短辺が、約66:50である。(形状A2とB2)
〔共通点3〕両部分は共に、左右の長辺に沿って、3つずつ計6つのごく小円形が等間隔に現れている。(形状A5とB5)
〔共通点4〕両部分は共に、基台の奥側に、3つの小円形が山型に並んで現れている。(形状A6とB6)

イ.相違点について
〔相違点1〕両部分につき、本願部分は、基台の厚さの約3分の1の厚さの板状体であるのに対して、引用部分は、基台とは別部材であるのか、基台に付した模様なのか不明である。(形状A1、A3とB1、B3)
〔相違点2〕両部分の表面と基台の底面との関係につき、本願部分の表面は、基台の底面と面一としているのに対して、引用部分は、段差を設けてへこんでいるか面一かは、不明である。(形状A4とB4)

4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の、意匠に係る物品は、いずれも「テレビスタンド」であるから、一致している。

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲の評価
両部分共に、基台の底面の左右中央に位置する、基台の横幅の3分の1強を有するものであるから、一致している。

(3)両部分の用途及び機能の評価
本願部分の用途及び機能は、テレビスタンドの補強であるのに対して、引用部分の用途及び機能は、不明であるから、一致しているとの評価はできない。

(4)両部分における形状の評価
共通点1ないし4によって、底面視における形状は、ほぼ同一と認められるが、これらの共通点は底面視のみの共通点であるから、部分全体に係る形状の類否判断においては、評価は一定程度にとどまるものである。
これに対して相違点1は、本願部分が基台とは別部材として認識できるのに対して、引用部分は、基台と一体なのか、別部材なのか明らかでないという相違であり、この点は、両部分の基本的な態様に係る重要なものといわざるをえず、両部分における形状の類否判断に与える影響は大きい。
そうすると、両部分の形状については、底面視のみにおいて共通点の存在を認められつつも、部分全体の観察における評価としては、両部分の形状は、類似するとは認められないものである。

(5)両意匠における類否判断
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、両部分の位置、大きさ及び範囲が一致している。
しかし、両部分の用途及び機能は、一致しているとはいえない。
そして、上記のとおり、両部分の形状は、類似するとは認められないものである。
よって、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。

5.結び
以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似するとはいえず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲





審決日 2022-10-25 
出願番号 2021002324 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2022-12-07 
登録番号 1732305 
代理人 鈴江 正二 
代理人 渡辺 容子 
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