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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J5
管理番号 1394048 
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-08-23 
確定日 2023-01-10 
意匠に係る物品 シール自動販売機用撮影ブース 
事件の表示 意願2021− 8004「シール自動販売機用撮影ブース」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 主な手続の経緯

令和3年(2021年) 4月15日 意匠登録出願
同年 11月29日付け 拒絶理由通知書
令和4年(2022年) 5月20日付け 拒絶査定
同年 8月23日 審判請求書提出
同年 11月 1日 面接

第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「シール自動販売機用撮影ブース」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分(椅子の部分)が、「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」である」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠

原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠(別紙第2参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2007−163948
【図10】【図32】【図33】に表された「写真シール作成装置1」の「腰掛部82」の意匠

第4 当審の判断

1 本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「シール自動販売機用撮影ブース」であるのに対し、引用意匠は「写真シール作成装置」であって、表記は異なるが、人物を撮影し、撮影画像を任意加工し、写真シールを作成する、「シール自動販売機用撮影ブース」であるから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致する。

(2)本願部分と引用意匠において本願部分と対比する部分の用途及び機能
本願部分と、引用意匠において本願部分と対比する部分(以下、「引用部分」といい、本願部分と引用部分をあわせて「両部分」という。)は、いずれも、撮影の際に、ブース内の被写体の位置を、撮影のための適切な位置に誘導する等の目的で設置し、腰掛け等の用途に利用される椅子の部分であるから、両部分の用途及び機能は、一致する。

(3)両部分の位置、大きさ及び範囲
両部分の位置は、シール自動販売機用撮影ブースの内側であって、やや右側寄りの中央床面に位置しているから、一致する。大きさについては、両部分ともに、一般的な腰掛けの大きさであるから、一致する。
範囲については、本願部分は、ブースの床面の正背方向の約3/5を占めているが、引用部分は、ブースの床面の正背方向の約1/2.2を占めているから、相違する。

(4)両部分の形状等
両部分の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。なお、引用意匠の認定に際しては、本願意匠と同じ向きとして、認定する。

ア 共通点
両部分は、左右に扁平な略ボックス状で、平面及び両側面の稜線を斜めに薄く面取りしている点において、共通する。

イ 相違点
側面視において、本願部分は、略横長長方形状であるのに対して、引用部分は、略横長「凸」字状のポーズ台80の一部であって、正面及び背面の下部が足載せ部81によって、隠れている点において、相違する。

類否判断
以上の共通点及び相違点が、両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)両部分の用途及び機能
両部分の用途及び機能は、同一である。

(3)両部分の位置、大きさ及び範囲
両部分の位置、大きさは、同一であるが、範囲については相違するから、両部分の類否判断に一定の影響を与えるものである。

(4)両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
ア 共通点の評価
この種物物品分野において、左右に扁平な略ボックス状の椅子を設けることは、両部分以外にも見られるものであることから、両部分の類否判断に与える影響は、小さい。

イ 相違点の評価
相違点は、側面視略横長長方形である本願部分と、左右の足載せ部81と合わさって略横長「凸」字状を構成する引用部分とは、一見して異なる視覚的印象となって、需要者に異なる美感を起こさせるものといえるから、両部分の類否判断に与える影響は、大きい。

ウ 形状等の類否判断
両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、共通点は、両部分の類否判断に与える影響は小さいものであるのに対し、相違点は、両部分の類否判断に与える影響は大きいものである。
したがって、両部分の形状等を全体として総合的に観察した場合、両部分の形状等は、共通点に比べて、相違点が両部分の類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両部分の形状等は類似しない。

(4)小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が同一で、両部分の用途及び機能は同一で、位置、大きさは同一であるが、範囲及び形状等において、共通点が未だ両部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して、相違点が両部分の類否判断に与える影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、両部分は、需要者に異なる美感を与えているというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲





審決日 2022-12-13 
出願番号 2021008004 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J5)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 石坂 陽子
渡邉 久美
登録日 2023-01-27 
登録番号 1736147 
代理人 山田 卓二 
代理人 大塚 雅晴 
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