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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 J6
管理番号 1396366 
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-11-01 
確定日 2023-03-13 
意匠に係る物品 衛生用マスク 
事件の表示 意願2021− 8923「衛生用マスク」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
令和 3年(2021年) 4月26日 意匠登録出願
令和 3年(2021年)12月17日付け 拒絶理由通知書
令和 4年(2022年) 1月31日 意見書提出
令和 4年(2022年) 8月 5日付け 拒絶査定
令和 4年(2022年)11月 1日 審判請求書提出

第2 本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「衛生用マスク」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」とし、「「透明部分を示す参考図」において、青色で着色を施した部分は、透明である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものであって、拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は、2020年9月22日発行の大韓民国意匠商標公報に掲載されたマスク(登録番号30−1075889)の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第RH02432639号)であり、その形状等を、同公報に記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
以下、本審決では、本願の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分を、「引用部分」という。

第4 対比
1 意匠に係る物品の対比
本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、「衛生用マスク」と「マスク」であって、表記は異なるものの、いずれも衛生用のマスクであるから一致するものである。

2 本願部分と引用部分の用途及び機能の対比
本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)は、いずれも衛生用のマスクの透明な鼻や口など顔面の下半部を覆う部分(以下「顔被覆部」という)の中央部分であり、顔面下半部を覆い、会話や呼吸などに伴う飛沫の拡散及び吸い込みを防ぎ、かつ口元などの表情が視認できる用途及び機能が一致するものである。

3 両部分の位置、大きさ及び範囲の対比
両部分は、いずれもマスクの顔被覆部の中央に位置する正面視で横幅の約2/5で縦幅の約3/7の範囲であるから、位置、大きさ及び範囲が一致するものである。

4 両部分の形状等の対比
両部分の形状等を対比すると、両部分の形状等には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。

(1)両部分の形状等の共通点
(共通点A)両部分は、正面視で、前方に突出した顔被覆部の縦方向の稜部を跨いだ、左右の2つの略傾斜面から成る点、
(共通点B)両部分は、透明である点で共通する。
(2)両部分の形状等の相違点
(相違点a)本願部分は、稜部近辺の2つの略傾斜面の形成する角度が約80度であるのに対し、引用部分は約93度である点、
(相違点b)本願部分の2つの略傾斜面がB−B、C−C部分のA−A拡大断面図において内向きに緩やかに湾曲しているのに対し、引用部分は平面視において外向きにごく僅かに湾曲している点、
(相違点c)本願部分は、側面視で稜部は略鉛直方向に形成され、鋭い稜部を形成しているのに対し、引用部分は、側面視で稜部は上方がやや後方に傾いて形成され、ごく僅かに丸みを帯びた稜部を形成している点、
(相違点d)引用部分は、顔被覆部の表面に微細な孔部を多数形成しているのに対し、本願部分は設けていない点で、両意匠は相違する。

第5 判断
1 意匠に係る物品の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

2 両部分の用途及び機能の類否判断
両部分の用途及び機能は、一致するものであるから同一である。

3 両部分の位置、大きさ及び範囲の評価
両部分の位置、大きさ及び範囲は、物品全体の形態の中における位置、大きさ及び範囲が一致するものであるから、同一である。

4 両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
両意匠の意匠に係る物品の需要者は、主に、その使用者である購買者及び販売業者等の取引者がその需要者であって、口元などの表情が視認でき、かつ会話や呼吸などに伴う飛沫の拡散及び吸い込みを防ぐ、衛生用のマスクとして、顔被覆部の態様は、特に注視して観察するといえる。
(1)両部分の形状等の共通点
(共通点A)及び(共通点B)は、両部分全体の態様に係るものではあるが、この種表情などが視認できる透明な衛生用のマスクの物品分野においては、いずれも通常取り得る態様であるから、これらの共通点が両部分の類否判断に与える影響は小さい。
(2)両部分の形状等の相違点
まず、(相違点b)は、2つの略傾斜面の湾曲態様に係り、本願部分が内向きに緩やかに湾曲しているのに対し、引用部分は平面視において外向きにごく僅かに湾曲している点は、マスクの顔被覆部の態様を注視する需要者にとって、全く別異の印象を与えるものであるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
次に、(相違点a)は、稜部近辺の2つの略傾斜面の形成する角度についてであって、多少の角度の相違であるが、マスクの顔被覆部の前面の印象に関わり、(相違点b)の印象を補強し、両部分の類否判断に与える影響は大きい。(相違点c)及び(相違点d)は、マスクの顔被覆部の稜部に係る相違及び注視しなければ視認出来ない程度の微細な孔部の有無の相違ではあるものの、マスクの顔被覆部前面に関わるものであるから、両部分の類否判断に一定程度の影響を及ぼすものである。
そうすると、形状等における相違点の(相違点c)及び(相違点d)は両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度あるものであり、(相違点a)及び(相違点b)は、類否判断に及ぼす影響は大きいものであるから、(相違点a)ないし(相違点d)の両部分の類否判断に及ぼす影響は、総じて大きいものであって、両部分の類否判断を決定付けるものであるのに対して、形状等における共通点の(共通点A)及び(共通点B)の両部分の類否判断に与える影響は、いずれも小さく、それらが相まっても、共通点の両部分の類否判断に与える影響は総じて小さく、相違点が共通点を凌駕し、両部分の類否判断を決定付けるものであるから、両部分は類似しない。

5 両意匠の類否判断
したがって、両意匠は、意匠に係る物品、両部分の用途及び機能、並びに両部分の位置、大きさ及び範囲が同一であるが、形状等においては、両部分は類似しないものであって、両部分の類否判断を決定付けるものであるから、本願意匠は引用意匠に類似しない。

第6 むすび
以上のとおり、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲




審決日 2023-03-01 
出願番号 2021008923 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (J6)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 江塚 尚弘
渡邉 久美
登録日 2023-04-06 
登録番号 1741919 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 野村 信三郎 
代理人 黒川 朋也 

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