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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 N3 |
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管理番号 | 1398347 |
総通号数 | 18 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2023-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-01-31 |
確定日 | 2023-06-05 |
意匠に係る物品 | 情報表示用画像 |
事件の表示 | 意願2021− 16758「情報表示用画像」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 事案の概要 1 手続の経緯 本願は、令和3年(2021年)8月2日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。 令和4年 6月 9日付 :拒絶理由通知書 7月11日 :意見書の提出 10月31日付 :拒絶査定 令和5年 1月31日 :審判請求書の提出 2 本願意匠(別紙第1参照) (1)意匠に係る画像の用途 願書の意匠に係る物品の欄の記載によると、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る画像の用途を「情報表示用画像」とする画像の意匠であって、願書の意匠に係る物品の説明の欄には、その画像の具体的な使用の目的や使用の状態等について、「この画像は罹災時に自治体の担当職員等が調査・手続のための専用アプリケーションソフトウエアが格納されたタブレット端末等を持参しながら調査をしたり、住民への説明を行ったりする際の建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示するための画像である。建物等の上部に示された楕円トラック部分にその建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などが表示される。」との記載がある。 (2)意匠登録を受けようとする部分及びその形態 本願意匠の意匠登録を受けようとする部分及びその形態は、願書及び願書に添付した図面の記載のとおりであって、願書の意匠の説明の欄には、「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」との記載がある。(以下、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。) 3 原査定の拒絶の理由及び引用した意匠 原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等(形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合)又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的な判断の理由は以下のとおりである。 「本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、単純な幾何学形状である楕円トラック型図形を画像の上方中央に配置したものと認められます。 しかしながら、画像の分野において、楕円トラック型図形を配置することは意匠1及び2に見られるように公知の手法であり、画像中の図形のサイズを変更すること、また当該図形の配置を各所に変更することは例を挙げるまでもなく、ありふれた手法です。 そうすると、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、出願前より見られる楕円トラック型図形を、出願前よりありふれた手法により、画像の上方中央に配置したにすぎず、格別の創意を要するとは認められず、本願意匠は当業者であれば容易に創作をすることができたものと認められます。 意匠1 中華人民共和国意匠公報 2017年12月 1日17−70号 グラフィカルユーザーインターフェース付き携帯電話機(公開番号CN304380451S)の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HH29008562号) 画面下方に表わされた楕円トラック部分 意匠2 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1260996号の意匠 中央に表された楕円トラック部分」 また、原審審査官は拒絶査定において以下を付記した。 「意見書において、本願意匠は、単に楕円トラックの形状を内容とするのではなく、楕円トラックの、破線建物との相対的な位置、大きさ、範囲において特徴を有し、創作容易な意匠には該当しない旨主張されました。 しかしながら、この分野において図形を画像中の各所に配置することは通常行われている手法であることを鑑みると、本願意匠のように楕円トラック図形と建物図形を上下に並置することに特段の創作性は認められません。 したがって、意見書の主張を採用することはできず、本願意匠は当業者が容易に創作することができたものであるといわざるを得ません。」 第2 請求人の主張 請求人は、令和5年1月31日提出の審判請求書において、要旨以下のとおり主張した。 1 意匠を受けようとする部分の位置・大きさ・範囲の認定について 意匠審査基準には「出願された意匠が、物品等の部分について意匠登録を受けようとするものである場合は、その創作非容易性の判断にあたり、『意匠登録を受けようとする部分』の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合や、用途及び機能を考慮するとともに、『意匠登録を受けようとする部分』を、当該物品等の全体の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合の中において、その位置、その大きさ、その範囲とすることが、当業者にとって容易であるか否かについても考慮して判断する。」(意匠審査基準第III部第2章第2節第2頁)と記載されている。審査官殿の拒絶査定での判断手法は、意匠審査基準の判断方法に則っていないと考えられる。すなわち、審査官殿は「その位置、その大きさ、その範囲とすることが、当業者にとって容易であるか否かについても考慮して」判断することをせずに、単に「この分野において図形を画像中の各所に配置することは通常行われている手法であることを鑑みると、本願意匠のように楕円トラック図形と建物図形を上下に並置することに特段の創作性は認められません。」と述べている。 本願意匠は「建物等の上部に示された楕円トラック部分にその建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などが表示される」目的を有した見やすくする創作性ある画像である。つまり、用途及び機能からして破線建物に対応する形で楕円トラック部分を表示させることに意匠的特徴がある。 2 意匠を受けようとする部分の用途・機能・形状について 意匠1は、携帯電話の表示画面での画面下方に表された楕円トラック部分である。本願意匠が罹災時の建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示するものであるのに対し、意匠1はGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)付き携帯電話機である。よって、用途・機能が本願と意匠1とでは全く異なるので、本願意匠は意匠1からは創作容易ではない。 意匠2は、車載用情報端末機の通信状態表示画面におけるアイコンの一部で、2つの六重線が一部重なった形状を示している。本願意匠は、被害状況などを表示するインジケータであり、意匠2は本願意匠とは用途・機能が全く異なる。実線部分の形状も、本願意匠が楕円トラック部分(すなわち二重楕円線)であるのに対し、意匠2は六重楕円が2個連結している形状からなるので、全く異なる。よって、用途・機能、意匠の形状が本願と意匠2とでは全く異なるので、本願意匠は意匠2からは創作容易ではない。 3 創作容易性について 上記2つの引例にはいずれも楕円トラック図形と建物図形を上下に並置した形状は記載されておらず、これらの引例は上記意匠審査基準「『意匠登録を受けようとする部分』を、当該物品等の全体の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合の中において、その位置、その大きさ、その範囲とすることが、当業者にとって容易であるか否かについても考慮して判断する。」からして創作容易の根拠になり得ない。 4 ありふれた手法の考え方について 拒絶理由・拒絶査定での拒絶内容は、“画像を含む意匠の審査基準”に記載されている「画像を含む意匠の分野におけるありふれた手法の例」(画像を含む意匠の審査基準6.3.2.1)の「置き換え、寄せ集め、配置の変更、構成比率の変更」などのどれにも該当しない。 5 本願意匠は、建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示するための画像であり、破線の建物の上部に建物とほぼ同じ大きさの実線楕円トラックが位置づけられた画像であり、実線楕円トラックは全体の中である程度大きなエリアを占めている。このような意匠はデザイン的にも調和が取れていて上記各状況を表示するにあたって見やすいものであり、公知意匠にもなく創作容易ではない。 6 本願意匠は、破線の家屋の傾きと実線の楕円トラックの傾きとを併せて一体感を創出している点も公知形状等にはない観点である。この点からも本願意匠は公知形状等から容易に創作できたものではない。 7 むすび よって、本願意匠は公知形状等から創作容易ではないので、原査定を取り消して本願意匠は登録すべきものであるとの審決を求める。 第3 当審の判断 本願意匠の意匠法第3条第2項該当性、すなわち、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に創作をすることができた意匠か否かについて、以下検討し、判断する。 1 本願意匠の認定(別紙第1参照) (1)意匠に係る画像の用途 本願意匠の意匠に係る画像の用途は「情報表示用画像」であり、より詳しくは、「罹災時に自治体の担当職員等が調査・手続のための専用アプリケーションソフトウエアが格納されたタブレット端末等を持参しながら調査をしたり、住民への説明を行ったりする際の建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示するための画像」である。 (2)本願部分 本願部分は、「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」との説明記載及び願書に添付した図面の記載に基づくと、画像図に実線で記載された横長矩形状の外枠及びその外枠で囲まれた内側の部分であって、画像内上半部左右方向中央に実線で記載された図形部分を含み、画像内下半部左右方向中央に破線で記載された図形部分を除く部分であると認められる。 ア 本願部分の用途及び機能 本願部分は、上記本願部分の認定に基づくと、本願意匠に係る画像の用途と同様、「罹災時に自治体の担当職員等が調査・手続のための専用アプリケーションソフトウエアが格納されたタブレット端末等を持参しながら調査をしたり、住民への説明を行ったりする際の建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示する」ことをその用途とするものであり、そのうち、画像内上半部左右方向中央に実線で記載された図形部分は、願書の意匠に係る物品の説明の欄に記載された「建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などが表示される」という情報表示機能に対応した部分に相当するものと認められる。(以下、本願部分のうち、上半部左右方向中央に実線で記載された図形部分を「情報表示部」、それ以外の部分を「背景部」という。) イ 本願部分の形態並びに位置、大きさ及び範囲 (ア)本願部分は、横長矩形状の外枠で囲まれた背景部と、それに内接する略楕円形状の情報表示部とからなる。 (イ)背景部を構成する外枠は、縦横比が約3:4の横長矩形状である。 (ウ)情報表示部の形態は、外縁の縦横比が約3:5の横長楕円形状であり、大楕円形の内方に長径比で約3分の2の小楕円形を組み合わせた二重楕円形状である。 (エ)情報表示部の位置、大きさ及び範囲は、外枠で囲繞された背景部に対して、左右方向では約3:5:3の割合を呈するように両側に等幅の余白を設けた位置、大きさ及び範囲、上下方向では上から約5分の2を占める位置、大きさ及び範囲であり、情報表示部の下方、背景部の高さ全体の約5分の3を占める範囲は、その中に当該情報表示の元となる対象物(建物等)を表示するためのエリアとされている。 2 原審引用意匠の認定 原審拒絶査定における拒絶の理由で引用された意匠、すなわち意匠1及び意匠2は以下のとおりである。 (1)意匠1(別紙第2参照) 意匠1は、中華人民共和国国家知識産権局が2017年12月1日に発行した中華人民共和国意匠公報に表された「グラフィカルユーザーインターフェース付き携帯電話機(公開番号CN304380451S)」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH29008562号)中、「変化状態図4」の「画面下方に表わされた楕円トラック部分」に係る画像の意匠であると認められる。 ア 意匠1の画像の用途及び機能 意匠1の画像は、詳細は確認できないものの、何らかの数値情報をグラフ化して表すという用途及び機能を有する情報表示用の画像であるものと推認される。 イ 意匠1の画像の形態 意匠1の画像は、外縁の縦横比が約2:3の横長楕円形状であり、大楕円形の内方に長径比で約3分の2の小楕円形を組み合わせた二重楕円形状を基本に、12時の方向を起点として全周の約3分の1の区画部分をやや太幅かつ濃色に変化させた態様である。 ウ 意匠1の画像の位置、大きさ及び範囲 意匠1の画像が「グラフィカルユーザーインターフェース付き携帯電話機」の画像表示部全体に対して占める位置、大きさ及び範囲は、縦長矩形状の外枠に対して、左右方向では約1:5:1の割合を呈するように両側に等幅の余白を設けた位置、大きさ及び範囲、上下方向では下から約3分の1を占める位置、大きさ及び範囲であり、その上方、高さ全体の約3分の2を占める範囲には、他の情報を表示するためのエリアが設けられている。 (2)意匠2(別紙第3参照) 意匠2は、日本国特許庁が2006年1月23日に発行した意匠公報に表された意匠登録第1260996号「車載用情報端末機」の意匠中、「正面図」の「中央に表された楕円トラック部分」に係る画像の意匠であると認められる。 ア 意匠2の画像の用途及び機能 意匠2の画像は、意匠公報の意匠に係る物品の説明の欄における次の記載「この意匠に係る物品は、車載用情報端末機であり、双方向マルチメディアとして、経路誘導機能(カーナビゲーションシステム)の他に、情報端末機として、インターネット接続機能を用いて様々な通信サービスを受けたり、他の情報通信機器(例えば携帯電話等)と情報を送受信することができるものである。<中略> 本願意匠において登録を受けようとする部分は、通信状態表示画面におけるアイコンの一部である。」を参酌すると、意匠に係る物品(車載用情報端末機)がインターネットを介して又は他の情報通信機器との間で何らかの通信を行っている状態を示すという用途及び機能を有する情報表示用の画像であるものと推認される。 イ 意匠2の画像の形態 意匠2の画像は、外縁の縦横比が約1:3である2つの横長楕円形状の図形を「8」の字状を呈するように一部を重ねながら斜状に組み合わせたものであり、各横長楕円形状の図形は、最外周と最内周との長径比を約2:1とした態様で、計6本(6重)の楕円形状線を等間隔に配置構成したものである。 ウ 意匠2の画像の位置、大きさ及び範囲 意匠2の画像が「車載用情報端末機」の画像表示部全体に対して占める位置、大きさ及び範囲は、横長矩形状の外枠に対して、左右方向では約1:5:1の割合を呈するように両側に等幅の余白を設けた位置、大きさ及び範囲、上下方向では、高さ全体の約3分の1を占める略中央の位置、大きさ及び範囲であり、その下方には、他の情報を表示するためのエリアが設けられている。 3 本願意匠の創作容易該当性についての判断 (1)意匠法第3条第2項の規定 意匠法第3条第2項は、意匠登録出願前に、当業者が、公知となった形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠については意匠登録を受けることができない旨を規定している。すなわち、出願前に公知となった構成要素や具体的態様を基礎として、これらをほとんどそのまま又は軽微な改変を加えたのみで、当該分野におけるありふれた手法などによって創作したにすぎない意匠は、創作容易な意匠に該当する。また、出願の意匠が物品や画像等の部分について意匠登録を受けようとするものである場合には、その意匠登録を受けようとする部分の形態、用途及び機能、並びに、物品や画像等全体に対して占める位置、大きさ及び範囲についても考慮した上で、当業者が容易にその意匠の創作をすることができたか否かを判断する必要がある。 (2)本願意匠の評価 ア 本願意匠の当業者 本願意匠の意匠に係る画像の用途は「情報表示用画像」であるから、本願意匠の当業者とは、画像を含む意匠に関する通常の知識を有する者、すなわち、アプリケーションソフトウエアを開発・製造・販売等する業界において、「情報表示用画像」を含むユーザーインターフェースについての設計・製作を行う者であるといえる。 イ 本願部分に係る創作の評価 (ア)本願部分の用途及び機能 意匠創作の評価においては、視覚観察される形態的な特徴として現れることのない表示情報自体の性格等を殊更に考慮することは妥当ではなく、本願部分の用途及び機能は、特定の情報を図形化して表すという範囲において原審が引用した意匠1の画像の用途及び機能と共通する部分があると認められるため、本願部分が、「建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況など」についての情報表示を目的とするものであったとしても、意匠1に見られるような既存のモチーフをほぼそのまま転用して用いたことは、様々なユーザーインターフェースについての設計・製作を行う当業者であれば、格別の障害も困難もなく容易に成し得たものといえる。 (イ)本願部分の形態並びに位置、大きさ及び範囲 まず、本願部分が、縦横比が約3:4の横長矩形状の外枠で囲まれた背景部と、それに内接する略楕円形状の情報表示部とからなることについては、画像の意匠として着想の新しさや独創性があるとはいえず、当業者であれば容易に成し得たものといえる。 次に、本願部分の情報表示部の形態が、外縁の縦横比が約3:5の横長楕円形状であり、大楕円形の内方に長径比で約3分の2の小楕円形を組み合わせた二重楕円形状であることについても、このようなドーナツ型のグラフ形状自体が一般的であることに加え、情報表示を目的とする画像の形態としてもほぼ同様の比率のものが意匠1に見られるため、当業者であれば格別の困難なく容易に成し得たものといえる。 一方、本願部分の情報表示部が、背景部に対して、左右方向では約3:5:3の割合を呈するように両側に等幅の余白を設け、上下方向では上から約5分の2を占める位置、大きさ及び範囲に表したものであり、特に、その下方、高さ全体の約5分の3を占める範囲には、表示する情報の元となる対象物(建物等)を表示するためのエリアを積極的に設け、情報表示部と対象物とを上下略均等に見やすく配置した態様は、意匠1や意匠2には見ることができず、本願意匠の出願前に公然知られたものとはいえないものである。特に「罹災時に自治体の担当職員等が調査・手続のための専用アプリケーションソフトウエアが格納されたタブレット端末等を持参しながら調査をしたり、住民への説明を行ったりする際の建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などを表示する」という本願部分の用途及び「建物等の被害状況・調査進捗状況・罹災証明書手続状況などが表示される」という情報表示部の機能に照らすと、本願部分の具体的な位置、大きさ及び範囲には、その用途及び機能を実現する上で、独自の着想によって創出された創意工夫が表されているものと認められる。 (3)本願意匠の創作容易該当性 上記した本願部分の評価に基づくと、本願意匠は、意匠1及び意匠2を示したとしても、当業者が、出願前に公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易にその意匠の創作をすることができたということはできないものである。 第4 結び 以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであるから、原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審において更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2023-05-17 |
出願番号 | 2021016758 |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(N3)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
小林 裕和 |
特許庁審判官 |
江塚 尚弘 伊藤 宏幸 |
登録日 | 2023-06-12 |
登録番号 | 1746706 |
代理人 | 松浦 憲三 |