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審決分類 |
審判 査定不服 意9条先願 取り消して登録 N3 |
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管理番号 | 1400536 |
総通号数 | 20 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2023-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-10-26 |
確定日 | 2023-06-20 |
意匠に係る物品 | 医療機器操作用画像 |
事件の表示 | 意願2020− 26422「医療機器操作用画像」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 本願は、2020年6月25日の欧州連合知的財産庁及び中華人民共和国への出願に基づく、パリ条約による優先権の主張を伴う意匠登録出願であり、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年(2021年) 6月 8日付け 拒絶理由通知書 同年 9月13日 意見書の提出 令和4年(2022年) 8月 2日付け 拒絶査定 同年 10月26日 審判請求書の提出 令和5年(2023年) 4月19日付け 拒絶理由通知書 同年 5月 8日 意見書の提出 同年 5月 8日 手続補正書の提出 第2 本願の意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る画像を「医療機器操作用画像」とし、その画像を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において当該意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「半透明の長円形の中に複数のアイコンが並べられている部分が意匠登録を受けようとする部分である。背景は意匠登録を受けようとする部分に含まれない。」としたものである。(別紙第1参照) 第3 当審の拒絶の理由 当審は、令和5年4月19日付けで、本願意匠は、同一人が同日に出願した下記の意匠に類似するものと認められ、意匠法9条2項前段の規定により協議すべきところ、協議対象の上記意匠登録出願は、既に意匠登録第1691760号として設定の登録がなされているため協議することができないから、本件意匠登録出願人(本件審判請求人)は、この意匠について意匠法9条2項後段の規定により意匠登録を受けることができない旨の拒絶理由を通知した。 本願意匠と類似と認められる意匠の意匠登録出願 意願2020−26421(意匠登録第1691760号、別紙第2参照) 第4 本件に係る補正について 審判請求人は、令和5年5月8日に提出した手続補正書によって、本願の願書の「本意匠の表示」の欄を追加し、その本意匠の表示を「意匠登録第1691760号」として、本願意匠を、意匠登録第1691760号(以下「本意匠」という。)を本意匠とする関連意匠の意匠登録出願に補正した。 これにより、本願意匠に対する当審の拒絶の理由は解消しているものであるから、この拒絶の理由によっては、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 第5 当審の判断 本件においては、上記のとおり、手続補正があったので、ここでは、本願意匠が、本意匠と類似しているか否かについて検討する。 1 本願意匠と本意匠の対比 (1)意匠に係る画像 本願意匠及び本意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る画像は、いずれも「医療機器操作用画像」であるから、同一である。 (2)本願部分と、本意匠において本願部分と対比する部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲 本願部分と、本意匠において本願部分と対比する部分、すなわち本願部分に相当する部分(以下、本願部分と合わせて「両部分」という。)は、診察時における各種操作用の画像であって、画面中央において、画面全体に対する縦の長さは約1/7で、横の長さは約7/10の大きさであるから、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は一致する。 (3)両部分の画像における共通点及び相違点 両部分の画像は、いずれも、略横長長円形状の枠内に、内部に異なる模様を施した略円形のアイコンを等間隔に8個形成した態様において、共通しているのに対し、アイコンを除いた部分が薄い乳白色で透光性を有しているものであるか否かにおいて、相違する。 2 類否判断 以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。 (1)意匠に係る画像 両意匠の意匠に係る画像は、同一である。 (2)両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲の類否判断 両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は、同一である。 (3)両部分の画像 両部分の画像は、略横長長円形状の枠内に、内部に異なる模様を施した略円形のアイコンを等間隔に8個形成した態様における共通感が顕著であるのに対し、アイコンを除いた部分が透光性を有しているものであるか否かにおける態様の相違は、部分的な相違もしくは僅かな変更に過ぎないものであるから、両部分の画像は、類似するものである。 (4)小括 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る画像が同一で、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲も同一で、両部分の画像の態様が類似するものであるから、両意匠は、類似する。 第6 むすび 以上のとおりであって、本願意匠は、本意匠に類似しているものと認められ、当審の拒絶の理由によっては、本願意匠を拒絶すべきものとすることができない。 また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2023-06-06 |
出願番号 | 2020026422 |
審決分類 |
D
1
8・
4-
WY
(N3)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
小林 裕和 |
特許庁審判官 |
尾曲 幸輔 内藤 弘樹 |
登録日 | 2023-07-21 |
登録番号 | 1749772 |
代理人 | 山口 巖 |
代理人 | 弁理士法人山口・竹本知的財産事務所 |
代理人 | 山本 浩 |
代理人 | 竹本 美奈 |