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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 C4
管理番号 1400539 
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-01-10 
確定日 2023-07-07 
意匠に係る物品 歯ブラシ用毛材 
事件の表示 意願2021− 24501「歯ブラシ用毛材」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 主な手続の経緯

令和 3年(2021年)11月10日 意匠登録出願
令和 4年(2022年) 6月 9日付け 拒絶理由通知
同年 7月27日 意見書の提出
同年 10月 7日付け 拒絶査定
令和 5年(2023年) 1月10日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「歯ブラシ用毛材」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定における拒絶の理由及び引用した意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠に係る歯ブラシ用毛材の物品分野において、略円柱状の歯ブラシ用毛材の先端部を種々のテーパ形状に形成することは、例えば文献1ないし3にみられるように一般的に行われている手法であるところ、この出願の意匠は、略円柱状の歯ブラシ用毛材の先端を出願前に公然知られた文献1の第7図C3のような略凸曲面状に形成し、その先端を含む毛材の上方部分について意匠登録を受けようとしたものにすぎません。
したがって、本願意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作することができた意匠と認められます。

文献1 (当審注:別紙第2参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2003−144230
第3図ないし第8図にブリッスルとして表された歯ブラシ用毛に関する記載

文献2 (当審注:別紙第3参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2004−154163
第1図ないし第3図にテーパー用毛として表された歯ブラシ用毛に関する記載

文献3 (当審注:別紙第4参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2004−230177
第1図ないし第4図に表された歯ブラシ用毛に関する記載」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品は、歯ブラシの柄の先端に取り付けて使用する「歯ブラシ用毛材」である。

(2)本願部分
願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容から、本願部分の用途及び機能、位置、大きさ及び範囲、並びに形状等は、以下のとおりである。

ア 本願部分の用途及び機能
本願部分の用途及び機能は、歯を磨くため、歯ブラシの柄の先端に取り付けて使用する毛材である。

イ 本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分の位置、大きさ及び範囲は、毛材の先端から真ん中付近までの位置、大きさ及び範囲である。

ウ 本願部分の形状等
本願部分は、先端近くから先端までを正面視略放物線状に縮径した略縦長円柱形であって、部分全体の長さと径の比率は、約8:1である。

2 引用意匠の認定
前記第3において掲げた文献1から文献3に掲載の意匠のうち、本願意匠の創作性を判断する上で根拠となる公然知られた意匠として、文献1の図7の意匠を引用意匠として以下のとおり認定する。なお、文献1から文献3に掲載の意匠のうち、この引用意匠以外の意匠は、本願意匠の創作性を判断する上での直接的な根拠となるものではなく、単に、当該物品の分野において、歯ブラシ用毛材の先端の形状が多様に存在することを示すものであるから、引用意匠とは認定しないものとする。

〔引用意匠〕

(1)引用意匠は「歯ブラシのブリッスル(毛材)」である。

(2)引用意匠の形状等
引用意匠は、毛材の先端近くから先端までを切り取った縦断面であって、その外形は、全体になめらかで不均一な凹凸を施した曲線状に形成したものである(符号:C1)。

3 本願部分の創作性の検討
この意匠の属する分野において、毛材を略縦長円柱形状とし、その先端を弧面状に形成したものは、文献1から文献3に見られるとおり、ごく普通に見受けられるものである。
しかしながら、毛材の略縦長円柱形の先端近くから先端までを、正面視略放物線状に縮径したものは、本願部分の他には見られないから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
そうすると、本願部分の態様は、この種物品分野において独自の着想によって創出したものであり、当業者が公然知られた形状等に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。
なお、原審は、前記第3のとおり、文献1の図7の符号C3により示された線分をもって、本願意匠は、当業者が容易に創作することができた意匠であると認定しているが、当該線分は、毛材の先端部分の断面形状を表したものではなく、引用意匠の先端部分の長さと径を最長とした場合における引用意匠の範囲を表したものであるから(引用意匠の範囲は、符号C0の破線により表されている。)、本願意匠の創作性の判断の基礎とする資料には該当しない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲






審決日 2023-06-27 
出願番号 2021024501 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (C4)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 内藤 弘樹
尾曲 幸輔
登録日 2023-08-09 
登録番号 1751155 
代理人 福島 三雄 
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