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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 C3
管理番号 1403718 
総通号数 23 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-17 
確定日 2023-10-13 
意匠に係る物品 清掃具用粘着テープロール 
事件の表示 意願2022− 3902「清掃具用粘着テープロール」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 主な手続の経緯

令和 4年(2022年) 2月28日 意匠登録出願
同年 7月25日付け 拒絶理由通知
同年 9月 5日 意見書の提出
同年 11月11日付け 拒絶査定
令和 5年(2023年) 2月17日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「清掃具用粘着テープロール」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「赤色に着色された部分以外の部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定における拒絶の理由及び引用した意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠の意匠に係る物品は、「清掃具用粘着テープロール」であり、清掃具用粘着テープロールの粘着部中、周方向に細い帯状の2条の非粘着部をほぼ等間隔に設け、その非粘着部を、意匠登録を受けようとする部分の意匠とするものです。この種物品分野においてテープロールの粘着部中に帯状の非粘着部を設け、その非粘着部の幅とテープロール全体の幅の比率も近いものが、下記意匠1に見られるように、本願出願前から知られています。また、下記意匠2に見られるように、帯状の非粘着部を粘着部の中にほぼ等間隔で複数設けることも本願出願前より行われているため、その点に格別の創作性を要するとはいえません。
したがって、本願の意匠登録を受けようとする部分の意匠は、本願出願前に公知となった手法により、テープロール粘着部中に細い帯状の非粘着部をほぼ等間隔に2条設けたものに過ぎませんので、当業者であれば容易に創作をすることができたものです。

意匠1
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2006−116168
第7頁所載の【図1】において表された「粘着テープロール」のうち、本願の意匠登録を受けようとする部分に対応する「非粘着部」部分の意匠

特許庁発行の公開特許公報記載
平成 8年特許出願公開第196504号
第3頁所載の【図4】において表された「クリーナ用ゴミ吸着体」のうち、本願の意匠登録を受けようとする部分に対応する「非粘着剤層」部分の意匠」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品は、ロール状の粘着テープを用いた掃除具に装着して使用する「清掃具用粘着テープロール」である。

(2)本願部分
願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容から、本願部分の用途及び機能、位置、大きさ及び範囲、並びに形状等は、以下のとおりである。

ア 本願部分の用途及び機能
本願部分の用途及び機能は、願書の意匠に係る物品の説明の記載によれば、粘着剤を塗布していない非粘着部分であって、本願部分に掃除具先端に設けられる爪を押し付けることにより、粘着テープを剥離するためのものである。

イ 本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分の位置、大きさ及び範囲は、横長円筒形の胴中央やや左右寄りの対称位置で、正面視において、全幅の約1/8の大きさ及び範囲とするものである。

ウ 本願部分の形状等
本願部分は、等幅の略円環帯状の薄シート(以下「非粘着部」という。)をやや間隔を空けて2個形成したものであって、横幅と径の比率は、約1:5である。

2 引用意匠の認定
原査定における拒絶の理由で引用された意匠1及び意匠2について、以下のとおり認定する。
なお、引用意匠のうち、平成8年特許出願公開第196504号に記載の意匠を、意匠2として認定する。

(1)意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠1は、帯状の粘着テープを巻回した「粘着テープロール」である。

イ 意匠1の形状等
全体は、略横長円筒形で、胴中央に略縦長帯状の非粘着部を若干左右にずらして一周形成したものであって、非粘着部の横幅と径の比率は、約1:5弱である。

(2)意匠2(別紙第3参照)
ア 意匠2は、シート状の「クリーナ用ゴミ吸着体」である。

イ 意匠2の形状等
全体は、略矩形シート状であって、その表面に略縦長細棒状の非粘着部を等間隔に7本形成したものである。

3 本願部分の創作性の検討
この意匠の属する分野において、略横長円筒形の清掃用粘着テープロールの表面に、略縦長帯状の非粘着部を若干左右にずらして一周形成したもの(意匠1)や、略矩形シート状のゴミ吸着体の表面に略縦長細棒状の非粘着部を等間隔に複数本形成したもの(意匠2)が、本願の出願前に公然知られているものである。
しかしながら、等幅の略円環帯状の非粘着部をやや間隔を空けて2個形成したものは、本願部分の他には見られないから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
そうすると、本願部分の態様は、この種物品分野において独自の着想によって創出したものであり、当業者が公然知られた形状等に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原査定における拒絶の理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲




審決日 2023-09-27 
出願番号 2022003902 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (C3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 尾曲 幸輔
内藤 弘樹
登録日 2023-11-14 
登録番号 1758032 
代理人 弁理士法人あーく事務所 
代理人 向林 伸啓 

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