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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L3
管理番号 1404864 
総通号数 24 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-18 
確定日 2023-11-10 
意匠に係る物品 オフィスの執務室の内装 
事件の表示 意願2021− 21616「オフィスの執務室の内装」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、令和3年(2021年)10月4日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 4年(2022年) 7月25日付け 拒絶理由通知書
同年 9月 7日 意見書の提出
令和 5年(2023年) 1月17日付け 拒絶査定
同年 4月18日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願は、店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾」を「内装」という。)を構成する物品及び建築物(以下「内装を構成する物品及び建築物」を「内装意匠」という。)について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の内装意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の意匠に係る物品の欄の記載を「オフィスの執務室の内装」とし、その形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本願意匠において、当該意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線であらわした部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由及び引用した意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠は、オフィスの執務室の内装において、2枚の間仕切りに各々設けたホワイトボードの表面部分と、その間仕切りの脇に配置したテーブルの天板部分と、ホワイトボードに正対してテーブル脇に配置したディスプレイの画面部分について意匠登録を受けようとするものと認められます。
本願の意匠に係るオフィスの内装の分野においては、テーブルを挟む形でホワイトボードとディスプレイを正対して配置することは、例えば下記の意匠1及び意匠2のように本願出願前よりごく普通に見受けられるありふれたものです。また、複数枚の間仕切りに矩形状のホワイトボードが設けられたものも、例えば意匠3にみられるように本願出願前より公然知られています。
そうすると、本願の意匠は、本願出願前より公然知られた下記の意匠4のテーブルの天板の形状をほとんどそのままに、そのテーブルを挟んだ形で本願出願前より公然知られた正方形状のホワイトボード表面の形状と、周知の長方形の画面形状とを、ごく普通のありふれた配置でオフィスの執務室の内装の意匠として表したまでにすぎないものです。したがって、当業者であれば容易に創作することができたものといわざるを得ません。

<意匠1>
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2020年 7月13日
受入日 特許庁意匠課受入2020年 8月28日
掲載者 住友不動産ベルサール株式会社
表題 「六本木」オフィス|法人向け時間貸しオフィスベルサールラウンジ
掲載ページのアドレス
https://www.bellesalle.co.jp/lounge/facilities/detail_01/
に掲載された「時間貸し会議室用内装」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ02028534号)

<意匠3>
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2019年 5月20日に受け入れた
Konradin−Verlag Robert Kohlhammer GmbH発行の雑誌『md INTERIOR DESIGN ARCHITECTURE』5号
第58頁所載
オフィス用内装の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RB02052870号)

<意匠4>
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2020年 2月 5日に受け入れた
株式会社オカムラ発行の『Education エデュケーション|教育施設|総合カタログ 2020−2021』
第216頁所載
テーブル(オーバルタイプ)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RC02600659号)

<意匠2>
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2021年 9月22日
受入日 特許庁意匠課受入2021年10月26日
掲載者 サンニン株式会社
表題 株式会社 インテリム | オフィスデザイン,内装,事務所レイアウト,はIKEAや無印活用のスコップへ|東京,大阪,福岡,仙台,札幌
掲載ページのアドレス
https://www.s-cop.net/
works_post/%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e4%bc%9a%e7%a4%be-%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%aa%e3%83%a0/
に掲載された「オフィスの打合せスペース用内装」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ03545336号)」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠

(1)本願意匠について
本願意匠は、オフィス内の床面、会議テーブルと椅子、ディスプレイ、間仕切り等からなる「オフィスの執務室の内装」である。

(2)本願部分の用途及び機能
本願部分は、床面に配した会議テーブルの天板、オンラインシステムを利用した会議等に用いられるディスプレイの前面及び間仕切りに取り付けたホワイトボードである。

(3)本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分の位置は、平面視において、天板は、略矩形状の床面の四方に2枚ずつ間仕切りを配置したその左半分略中央に位置し、床面より高い位置に水平に配置したものであり、ディスプレイは、天板の右側中央に密着した位置で、会議テーブルの周りに配した5脚の椅子共々会議テーブルを囲むように下端を天板の下端に揃えて垂直に配置したものであり、ホワイトボードは、左側に近接して配置した2枚の間仕切りの上下中央の位置にそれぞれ配置したものであって、その大きさ及び範囲は、天板は、床面の約1/20で、ディスプレイは、天板の約7/10で、ホワイトボードは、ディスプレイの約7/10の大きさ及び範囲である。

(4)本願部分の形状等
ア 天板
天板は、縦横の長さの比率が約1.6:1とする平面視略縦長長円形の平板である。
イ ディスプレイ
ディスプレイは、縦横の長さの比率が約1:1.4とする左側面視略横長長方形の薄板である。
ウ ホワイトボード
ホワイトボードは、同形同大の2つの右側面視略正方形の面である。

2 引用意匠の認定

(1)意匠1(別紙第2参照)
意匠1は、「時間貸し会議室用内装」の意匠であって、その形状等は、建物内部(室内)について、天井に小さな照明器具が複数点在し、正面左奥の壁面の左端に略縦長矩形状の窓を取り付け、正面右奥の右端に略縦長矩形状の扉と、その左側に扉と同じ高さの略縦長矩形状の明り取りを取り付けたものであって、床面の真ん中付近に天板が略隅丸長方形の会議テーブルと背もたれ椅子を8脚配置し、正面左奥のやや右寄りで会議テーブルより高い位置に略横長長方形板状のディスプレイを配置し、これと正対する背面の壁面のやや上方寄りに略横長矩形状のホワイトボードを取り付けたものである。

(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2は、「オフィスの打合せスペース用内装」の意匠であって、その形状等は、建物内部(室内)について、天井は升目状に区画し埋め込み照明を複数配置し、奥の壁面の真ん中に略縦長矩形状の窓を縦一杯に取り付け、左側にレンガ調の略角柱状の柱を2本設けたものであって、柱の間に横長のカウンターテーブルと椅子を配置し、床面の真ん中付近に天板が略矩形の会議テーブルを配し、その周りに円形椅子を2脚と長椅子を1脚配置し、会議テーブルの奥側の正対する位置で会議テーブルより高い位置に略横長長方形板状のディスプレイを配置し、会議テーブルの手前側に略横長矩形状の間仕切りを1枚配置したものである。

(3)意匠3(別紙第4参照)
意匠3は、「オフィス用内装」の意匠であって、その形状等は、建物内部(室内)について、正面右側の壁面の手前側に略横長矩形状の窓とその左横に扉を取り付け、窓と扉の間から壁の反対側に向かって上下にレールを配設してその間にスライド式の縦長矩形状の間仕切りを4枚設置し、それぞれの間仕切りの上下中央やや下側に略縦長矩形状のホワイトボードを取り付け、間仕切りの手前に略矩形状のマットを敷き、その上にテーブルと椅子を配置したものである。

(4)意匠4(別紙第5参照)
意匠4は、「テーブル(オーバルタイプ)」の意匠であって、その形状等は、天板を縦横の長さの比率が約1:2とする平面視略横長長円形の平板であって、天板の底面の左右寄りに先端を平面視略V字状となるように伸張した略縦長棒状の脚を取り付けたものである。

3 本願意匠の創作性の検討

この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、建物内部(室内)に会議テーブルを配置し、会議テーブルの奥にディスプレイを配置し、これと正対する壁面に略横長矩形状のホワイトボードを取り付けたものが、本願の出願前に公然知られているものであり(意匠1)、また、会議テーブルの近くにスライド式の間仕切りを設置し、間仕切りの上下中央付近に略縦長矩形状のホワイトボードを取り付けたものも、本願の出願前に公然知られているものである(意匠3)。さらに、会議テーブルの天板を平面視略縦長長円形の平板としたものも、本願の出願前に公然知られているものである(意匠4)。
しかしながら、本願部分のように、略矩形状の床面の四方に2枚ずつ間仕切りを配置したその左半分略中央の位置に会議テーブルの天板を配置し、ディスプレイの前面を天板の右側中央に密着した位置に下端を天板の下端に揃えて垂直に配置し、ホワイトボードを左側に近接して配置した2枚の間仕切りの上下中央の位置にそれぞれ配置したものは、本願部分の他には見られないものであるから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
そうすると、本願意匠は、この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、独自の着想によって創出したものであり、当業者が引用意匠に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲








審決日 2023-10-24 
出願番号 2021021616 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 内藤 弘樹
吉田 英生
登録日 2023-11-17 
登録番号 1758290 
代理人 弁理士法人藤本パートナーズ 

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