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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L3
管理番号 1404866 
総通号数 24 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-25 
確定日 2023-12-01 
意匠に係る物品 オフィスの内装 
事件の表示 意願2021− 23069「オフィスの内装」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、令和3年(2021年)10月22日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 4年(2022年) 9月 9日付け 拒絶理由通知書
同年 10月21日 意見書の提出
令和 5年(2023年) 1月20日付け 拒絶査定
同年 4月25日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願は、店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾」を「内装」という。)を構成する物品及び建築物(以下「内装を構成する物品及び建築物」を「内装意匠」という。)について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の内装意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の意匠に係る物品の欄の記載を「オフィスの内装」とし、その形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本願意匠において、当該意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「意匠登録を受けようとする部分を実線で、それ以外の部分を破線で表している。一点鎖線は意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを表すものである。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由及び引用した意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠は、願書の意匠に係る物品の記載を「オフィスの内装」とし、室内外を隔てる垂直間仕切り壁に設けられたドアの横の窓枠内部を調光可能としたものと認められます。
この意匠登録出願の意匠に係る「オフィスの内装」の分野のみならず一般的な建築物に用いられる窓においては、窓の枠内の材を種々のものとすることは、例を挙げるまでもなく本願出願前よりごく一般的に行われています。
そうすると、全体の基本形状を本願出願前に公然知られたと認められる意匠1とし、ドアの横の窓枠内部を公然知られたと認められる下記意匠2の窓の枠内の材とし、当該窓枠内部を調光可能としたに過ぎない本願意匠は、当業者であれば、容易に創作することができたものと認められます。

意匠1:
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2020年 4月25日
受入日 特許庁意匠課受入2020年 5月29日
掲載者 Interior Design
表題 ProductFIND by Interior Design
掲載ページのアドレス https://www.interiordesign.net/products/
に掲載された「オフィス用内装」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ02004326号)

意匠2:
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2009年 8月24日
受入日 特許庁意匠課受入2009年 8月28日
掲載者 株式会社ライオン事務器
表題 電子ブラインド <Ritimo(リティモ)> ライオン事務器
掲載ページのアドレス
http://www.lion-jimuki.co.jp/products/introduction/ritimo/feature.html
に掲載された「電子ブラインド機能付パーテーション」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ21021987号)」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠

(1)本願意匠について
本願意匠は、オフィスの天井、床及び四方の壁、壁に取り付けた扉及び窓、床上に配したテーブル及び椅子からなる「オフィスの内装」である。

(2)本願部分の用途及び機能
本願部分は、オフィス内の目隠しや外部からの光の調節を行うため透明な窓ガラスに貼付する調光シートであって、願書の意匠に係る物品の説明によれば、本願部分は、通電を行うことにより光の透過率を変化させ、透明状態から不透明状態まで任意に透明度を調整できるものである。

(3)本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分の位置は、正面側の壁面中央に取り付けた窓ガラスの中央付近で、大きさ及び範囲は、正背面において、それぞれ窓ガラスの約7割の大きさ及び範囲である。

(4)本願部分の形状等
ア 基本的構成態様
本願部分は、縦横の長さの比率を約2.5:1とする正面視略縦長長方形の透明なガラスの正面及び当該ガラスの背面側に貼付した透明な薄シート(調光シート)である。
また、本願部分の調光シートは、以下のとおり透明度(色調)が変化する。
イ 正面視において、5つのパターンに変化した状態の調光シート
(ア)調光シート全体を不透明な暗色で表している。
(イ)調光シートの上半分は透明で、下半分は不透明な暗色で表している。
(ウ)調光シートを上から順に、0.4:1:1:1:1:0.4の比率で6分割し、1段目、3段目、5段目は透明で、2段目、4段目、6段目は不透明な暗色で表している。
(エ)調光シートを上から順に、0.4:1:1:1:1:0.4の比率で6分割し、上から1段目は不透明な暗色で表し、以下、2段目から5段目まで透光性を有する暗色から明色まで除々に色調を薄くしたグラデーションで表し、6段目は透明である。
(オ)調光シートを上から順に、0.7:1:0.7の比率で3分割し、1段目と3段目は透明で、2段目は透光性を有する中明色で表している。

2 引用意匠の認定

(1)意匠1(別紙第2参照)
意匠1は、「オフィス用内装」の意匠であって、その形状等は、建物内部の隅を左側面と正面の内壁によってL字状に区画し、その内部に棚、テーブル及び椅子等を配置したものであって、内壁の正面から左側面にかけて天井近くまで略横長矩形状に開口し、正面の左寄りに木目調の扉を取り付け、それ以外を透明なガラス窓で密閉したものである。

(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2は、通電により遮蔽効果を発揮することができる「電子ブラインド機能付パーテーション」の意匠であって、その形状等は、略縦長長方形枠の内側に透光性を有するパネルを取り付けたパーテーションを横に3枚連結したものである。

3 本願意匠の創作性の検討

この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、建物内部を仕切る内壁に透明なガラス窓を取り付けたものが、本願の出願前に公然知られているものであり(意匠1)、また、パーテーションのパネルが通電により遮蔽効果を発揮する機能を有するものも、本願の出願前に公然知られているものである(意匠2)。
しかしながら、本願部分のように、壁に取り付けた透明なガラスの内側に調光シートを貼付したものであって、その調光シートが、通電により異なる5つのパターンに色調が変化するものは、本願部分の他には見られないものであるから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
そうすると、本願意匠は、この内装を構成する物品又は建築物の属する分野において、独自の着想によって創出したものであり、当業者が引用意匠に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲





審決日 2023-11-21 
出願番号 2021023069 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 内藤 弘樹
吉田 英生
登録日 2023-12-13 
登録番号 1760016 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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