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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E0
管理番号 1404871 
総通号数 24 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2023-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-05 
確定日 2023-10-23 
意匠に係る物品 ペット用トイレ 
事件の表示 意願2022− 9502「ペット用トイレ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、令和4年(2022年)5月2日(パリ条約による優先権主張2021年11月12日 中華人民共和国)の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。

令和4年(2022年) 9月28日付け :拒絶理由の通知
同年 11月10日 :意見書の提出
令和5年(2023年) 2月27日付け :拒絶査定
同年 6月 5日 :審判請求書の提出

第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「ペット用トイレ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、この意匠登録出願の意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠とあわせて「両意匠」という。)に類似するものと認められるので、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠(別紙第2参照)
「特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1379780号
(意匠に係る物品、ペット用トイレ)の意匠
なお、対比の対象となるのは、引用意匠のうち、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分です。」

以下、本審決では、本願の意匠登録を受けようとする部分を、「本願部分」、引用意匠のうち本願部分に対応する部分を、「引用部分」という。

第4 対比
1 意匠に係る物品の対比
両意匠の意匠に係る物品は、いずれも、ペット用の便器である「ペット用トイレ」であるから、一致する。

2 本願部分と引用部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲の対比
本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)は、いずれもペット用トイレの上縁部付近であり、ペット用トイレの正面入り口、側壁及び背面壁を構成するものであるから、両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲は、一致する。

3 両部分の形状等の対比
両部分の形状等には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。以下、引用意匠を本願意匠の図面の向きに合わせて対比する。

(共通点1)全体の基本構成について、正面入り口部の上縁部において幅広な帯状水平面を形成し、当該水平面の両端から両側壁に至るまで漸次幅狭となるとともに、次第に内側に傾きながら両側壁の上縁部に滑らかにつながり、さらに平面視において滑らかな曲線を描いて背面壁の上縁部につながる点。
(共通点2)側壁上縁部の両側面視について、正面入り口部から曲線を描きながら立ち上がり、略中央部を最頂部とする点。

(相違点1)側壁上縁部の両側面視について、本願部分は、最頂部から背面壁部側へいくにつれ、やや下がるのに対して、引用意匠は、ほぼ水平に背面壁部につながる点。
(相違点2)背面壁上縁部の背面視について、本願部分は、全体が緩やかな凹曲線を描く構成であるのに対し、引用部分は、両側壁部付近に若干の立ち上がりを有する略水平線で構成された点。
(相違点3)上縁部の外周端について、本願部分は、各種断面図及び部分拡大図に見られるように、丸みを帯びた形状であるのに対し、引用部分は、角が尖った形状である点。
(相違点4)正面入り口部の帯状水平面について、本願部分は、幅広に形成されているのに対して、引用部分は、本願部分よりも幅狭に形成された点。

第5 判断
1 意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、一致すると認められるから同一である。

2 両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲は一致するから、同一である。

3 両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
両意匠の意匠に係る物品は、ペット用の便器である「ペット用トイレ」であり、当該物品分野の需要者は、主に、使用者、製造業者、販売業者及び取引業者が含まれる。そして、需要者が注意して観察する具体的な外形状等が、需要者の注意を引く部分であるとの前提に基づいて、両部分の共通点及び相違点が類否判断に及ぼす影響について、以下評価することとする。

(1)共通点の評価
(共通点1)及び(共通点2)について、ペット用トイレの分野において、上縁部を両部分のように形成することは、よく見られる構成態様であるから、これらの共通点が両部分の類否判断に与える影響は小さい。

(2)相違点の評価
(相違点1)及び(相違点2)について、上縁部が形成する曲線態様は、意匠の輪郭を形成し、印象を決定付ける部位であり、需要者は注目するところであるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点3)について、上縁部外周端の相違により、本願部分は、ソフトに構成された印象を与えるのに対し、引用部分は、シャープに構成された印象を与えるものであり、需要者は注目するところであるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(相違点4)について、正面入り口部は、通常使用時において最も注目する部位のひとつであり、需要者は注目するところであるから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。

(3)両部分の形状等の類否判断
共通点及び相違点の評価に基づき、両部分を、全体として総合的に観察し、判断した場合、(共通点1)及び(共通点2)は、両部分の類否判断に与える影響は小さいのに対し、(相違点1)から(相違点4)は、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
したがって、両部分の形状等を全体として総合的に観察した場合、両部分の形状等は、共通点に比べて、相違点が両部分の類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両部分の形状等は類似しない。

4 小括
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品、両部分の用途及び機能、並びに両部分の位置、大きさ及び範囲が同一であるが、形状等においては、両部分は類似しないものであって、両部分の類否判断を決定付けるものであるから、本願意匠は引用意匠に類似しない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。







審決日 2023-10-11 
出願番号 2022009502 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (E0)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 尾曲 幸輔
江塚 尚弘
登録日 2023-11-22 
登録番号 1758562 
代理人 野村 信三郎 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 

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