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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1407907 
総通号数 27 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-07-27 
確定日 2024-02-13 
意匠に係る物品 配管支持金具 
事件の表示 意願2021− 24657「配管支持金具」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、令和3年(2021年)11月11日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。

令和4年(2022年) 8月31日付け 拒絶理由通知書
同年 10月11日 意見書提出
令和5年 4月28日付け 拒絶査定
同年 7月27日 審判請求書提出

第2 本願の意匠の願書及び添付図面の記載

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「配管支持金具」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠

原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠(別紙第2参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2017年1月10日
検索日 令和4年8月30日検索
掲載者 株式会社クボタケミックス
表題 「集合管床上支持用(金具本体、全ねじボルト、
ナット、座金、T字足)」、「4SL/4HF
」、「スチール製」、「PDF」
掲載URL https://drain.kubota.co.jp/syugokan/zumen-kc/model_shijikanagu.html
の所定のボタンをクリックして遷移した図面のページに表された「排水集合管用床上支持金具」の意匠
(公知日は、当該図面のページの右下「年月日」欄で認定)

第4 当審の判断

1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「配管支持金具」であるのに対し、引用意匠は「排水集合管用床上支持金具」であって、表記は異なるが、どちらも排水集合管を床上にて支持固定するのに用いられる支持金具であるから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致する。

(2)両意匠の形状等
両意匠の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
ア 共通点
(ア)基本的構成態様
全体は、正面視において、垂直方向に立設された2本の略棒状のねじボルト(以下「全ねじボルト」という。)と、全ねじボルトの上方端部間に架設する、帯状の薄板部材で形成されたバンド部と、全ねじボルトの下方先端部に固着する、薄板状の床面固着用プレート(以下「アンカーブラケット」という。)からなる点、
各部の態様として、
(イ)バンド部は、平面視において、中央を略環状に形成し、その略環状部の左右両端には水平外方向に延出する薄板状のフランジを設けている点、
(ウ)バンド部の略環状部の左右両端のフランジは、正面視において、外側端部を全ねじボルトに連結して、その上下に配した六角ナットで固定し、フランジの中間部は、平面視において、前方から六角頭部のボルトを貫通させて後方からナットで固定している点、
(エ)2本の全ねじボルトは、正面視において、下方端部に全ねじボルトの全長の約1/5の長さの高ナットと、その上端にナットを設けた点、
(オ)2つのアンカーブラケットは、いずれも薄板状部材を略T字状に形成したものであって、上辺が対向するように配されている点において、共通する。

イ 相違点
バンド部の平面視中央の略環状部について、
(ア)本願意匠は、略環状部を形成する帯状薄板部材の上下中央部分を屈折して、各々の屈折部分の左右方向にそれぞれ等幅の平坦面を形成し、当該平坦面から略環状部左右の弧状曲面部へと連続する部分も屈折した態様とし、各平坦面に対し外側から直交方向に円形状頭部の短ボルトを計4つ貫通させて、その裏面側からナットで固着させているのに対し、引用意匠は、全体を屈折や平坦面のない略正円状の態様とし、短ボルトやナットも設けていない点、
(イ)引用意匠は、略環状部の上下周縁部分に防振ゴムを設けているのに対し、本願意匠は、同位置に防振ゴムを設けていない点において、相違する。

類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は一致するから、同一である。

(2)形状等の共通点及び相違点の評価
両意匠は、排水集合管を床上にて支持固定するのに用いられる支持金具であるから、需要者は、主に本支持金具を用いて排水集合管を設置する施工業者等の他、購入者や販売業者も含まれる。
したがって、需要者が最も注意を払う部分である、排水集合管を支持固定するバンド部全体の外観の態様について評価し、かつ、それ以外の形状等も併せて、各部を総合して意匠全体として評価することとする。

ア 共通点の評価
この種物品分野において、その基本的構成態様を、共通点(ア)に掲げた態様としたものは、本願の出願前からごく普通にみられる態様であることから、需要者が特段注目するものではなく、また、各部の態様として掲げた共通点(イ)から共通点(オ)についても、参考意匠1及び2にみられるとおり、本願の出願前に公然知られており、本願意匠独自の態様とはいえないことを考慮すると、格別、需要者の注意を引くものとはいえないから、共通点が意匠全体の美感に与える影響は小さい。

参考意匠1(別紙第3参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2011年10月1日
検索日 令和5年12月15日検索
掲載者 株式会社昭和コーポレーション
表題 製品図面一覧 配管支持金具
掲載URL https://www.showa-cp.jp/drawing/yuka/
の所定のボタンをクリックすると遷移する、
https://www.showa-cp.jp/wp-content/uploads/2019/03/09_MSKSL_U.pdf
のページに表された「集合管用支持金具」の意匠
(公知日は、当該図面のページの右下「日付」欄で認定)

参考意匠2(別紙第4参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2006年(平成18年)1月23日
検索日 令和5年12月15日検索
掲載者 株式会社アカギ
表題 製品ガイド 集合管床上支持金具
掲載URL http://www.akagi-nt.co.jp/seihin_guide/seihin_htm/A16325.htm
の所定のボタンをクリックすると遷移する、
http://www.akagi-nt.co.jp/seihin_guide/seihin_htm/pdf/01S/A16325.pdf
のページに表された「集合管床上支持金具」の意匠
(公知日は、当該図面のページの右下「作成年月日」欄で認定)

イ 相違点の評価
まず、相違点(ア)について、すなわち、バンド部の平面視中央の略環状部の態様についてであるが、需要者にとって、排水集合管を固定するためのバンド部の態様は、排水集合管の固定方法や安定性にも影響する、最も関心の高い部位であるところ、平面視において、略環状部の上下中央部分を屈折して、各々の屈折部分の左右方向にそれぞれ等幅の平坦面を形成し、当該平坦面から略環状部左右の弧状曲面部へと連続する部分も屈折した態様とし、各平坦面に対し外側から直交方向に直交方向に円形頭部の短ボルトを計4つ貫通させて、その裏面側からナットで固着させている本願意匠と、全体を屈折や平坦面のない略正円形状の態様とし、短ボルトやナットも設けられていない引用意匠とは、全く異なる視覚的効果を需要者に与えているというべきであるから、両意匠の類否判断に与える影響は極めて大きい。
一方、相違点(イ)については、引用意匠のように、略環状部分の上下周縁部分に防振ゴムを設けたものは、参考意匠1及び2にみられるとおり、本願出願前からごく普通に見られる態様であるから、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 形状等の類否判断
両意匠の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、両意匠を全体として総合的に観察し、判断した場合、両意匠は、共通点(ア)から(オ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいのに対して、相違点(イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものの、相違点(ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は極めて大きいものであるから、相違点全体が相まって両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。
したがって、両意匠を全体として総合的に観察した場合、両意匠の形状等は、共通点に比べて、相違点が与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形状等は類似しない。

(5)小括
そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、その形状等において類似しないから、本願意匠は引用意匠に類似しない。

第5 むすび

以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲















審決日 2024-01-30 
出願番号 2021024657 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 吉田 英生
渡邉 久美
登録日 2024-03-15 
登録番号 1766420 
代理人 安田岡本弁理士法人 

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