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審決分類 審判    G2
管理番号 1409211 
総通号数 28 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-04-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2022-12-23 
確定日 2024-03-18 
意匠に係る物品 自転車用ハンドル 
事件の表示 上記当事者間の意匠登録第1723694号「自転車用ハンドル」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 意匠登録第1723694号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯

本件意匠登録1723694号の意匠(以下「本件意匠登録という。」別紙参照)は、令和4年(2022年)2月18日に意匠登録出願(意願2022−3166)されたものであって、令和4年(2022年)8月15日付けで登録査定がなされ、同年8月23日に意匠権の設定の登録がされた後、同年8月31日に意匠公報が発行され、その後、当審において、概要、以下の手続を経たものである。

令和4年(2022年)12月23日付け 審判請求書の提出
令和5年(2023年) 3月30日付け 請求書副本の送達通知
同年 6月29日付け 審理事項通知書
同年 6月29日付け 口頭審理期日呼出状
(被請求人に対して)
同年 8月24日 口頭審理
同年 9月28日付け 無効理由通知書
同年 9月28日付け 職権審理結果通知書
同年 12月26日付け 審理終結通知書


第2 請求の趣旨及び理由

本件無効審判の請求の趣旨は「意匠登録第1723694号の意匠登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」というものであり、その理由として、「本件登録意匠は、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面等から具体的な一の意匠の内容を直接的に導き出せないことから、意匠法第3条第1項柱書の規定により意匠登録を受けることができないもの」であり(無効理由1)、「本件意匠登録出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、以下の意匠(甲第1号証の1「先行意匠一覧1(本件登録意匠と類似する先行意匠)」)に類似し、意匠法第3条1項第3号の規定により、意匠登録を受けることができないもの」であり(無効理由2ないし5)、「その出願日前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が、以下の意匠から、容易に創作することができたものであり、意匠法第3条第2項の規定により意匠登録を受けることができないものである」(無効理由6ないし9)から、「本件登録意匠は意匠法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきである。」と主張した。


第3 被請求人の答弁

審判長は、被請求人に対し、審判請求書の副本を送達し、期間を指定して答弁書の提出を求めたが、これに対し、被請求人は、答弁しなかった。


第4 口頭審理

審判長は、両当事者に対し、審理事項通知書を送達し、期間を指定して口頭審理陳述要領書の提出を求めたが、両当事者から口頭審理陳述要領書の提出はなかった。また、被請求人に対し、口頭審理期日呼出状を送達したが、被請求人は、令和5年8月21日電話連絡にて口頭審理に出頭しない旨、回答した。
当審は、本件審判について、令和5年8月24日に口頭審理を行い、審判長は、以後書面審理とする旨、告知した(令和5年8月24日の「第1回口頭審理調書」)。


第5 当審の無効理由通知

当審は、両当事者の主張について審理し、更に請求人が申し立てない理由についても審理したところ、本件登録意匠の意匠登録に無効理由を発見したので、その無効理由を、被請求人に対して、令和5年9月28日付け無効理由通知書により通知し、期間を指定して意見書の提出を求めたが、被請求人からの応答はなかった。併せて、その審理の結果を、請求人に対して、同日付け職権審理結果通知書により通知し、期間を指定して意見書の提出を求めたが、請求人からの応答はなかった。
この無効理由通知書及び職権審理結果通知書により通知した無効理由は、同内容であり、本件登録意匠が、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面等から具体的な一の意匠の内容を直接的に導き出せないことから、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるので同法第48条第1項第1号に該当し、無効とすべきものであるとの理由であり、具体的には以下のとおりである。
「本件登録意匠の認定にあたっては、正面視において、自転車用ハンドルの中央直線状部分を「中央部」、中央部からハンドル端部に向かって立ち上がっている部分を「中間部」、中間部からハンドル端部にかけてを「端部」、中央部から中間部への湾曲部を「底面側湾曲部」、中間部から端部への湾曲部を「平面側湾曲部」とします。
また、願書の意匠の説明によると「左側面図は、右側面図と対称に現れる」との記載があるのに対し、添付図面には「右側面図」はなく、「左側面図」が表されていることから説明の内容と図の内容が整合しませんが、意匠の説明の記載が誤記であることが他の図から明らかであることから、「右側面図は、左側面図と対称である」こと、また、「平面図」は「底面図」を180度回転、「底面図」は「平面図」を180度回転して作図すべきところを誤って作図したものであると善解したうえで以下のとおり判断します。

本件登録意匠の添付図面の記載内容について、正面図及び背面図における中央部の長さ、底面側湾曲部と平面側湾曲部の角度が他の図と整合していないので、各図の中央部、底面側湾曲部及び平面側湾曲部の構成態様が不明です。
すなわち、正面図及び背面図の中央部の長さ比率が約1であるのに対し、平面図及び底面図のそれは約2.4となっており、構成比率が整合していません。
さらに、左側面図における中間部の傾斜角を約70度とし、平面側湾曲部を約100度としたうえで、平面図及び底面図における中央部の長さ比率を約2.4とした場合、それに対応する正面図及び背面図の中央部の長さ比率は約1であることから、各図の図面の内容が整合しません。
また、仮に正面図及び背面図の中央部の長さが、平面図及び底面図と同様であり、左側面図の傾斜角と平面側湾曲部が前記のとおりであったとしても、正面図及び背面図の底面側湾曲部と平面側湾曲部の角度が整合していません。
したがって、本件登録意匠は、一の意匠を特定することができないため、未だ具体的なものとは認められず、工業上利用することができる意匠に該当しません。」


第6 当審の判断

1.本件登録意匠
前記第5のとおりである。

2.本件登録意匠の形状等について
前記第5のとおりである。

3.無効理由について
以上より、本件登録意匠は、願書及び添付図面の記載からは、一の意匠を特定することができず、未だ具体的な意匠を表したものとは認められないから、意匠法第3条第1項柱書の工業上利用することができる意匠に該当せず、同法同条同項の規定により意匠登録を受けることができないものである。


第7 むすび

以上のとおり、本件登録意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず、同法同条同項の規定に違反してなされたものであるから、本件の意匠登録は、意匠法48条1項1号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、意匠法52条で準用する特許法169条2項で準用する民事訴訟法61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。




別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。
審理終結日 2023-12-26 
結審通知日 2024-01-09 
審決日 2024-02-07 
出願番号 2022003166 
審決分類 D 1 113・ 14- Z (G2)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 吉田 英生
前畑 さおり
登録日 2022-08-23 
登録番号 1723694 
代理人 塚原 憲一 
代理人 松本 良太 
代理人 佐藤 英二 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 

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