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審決分類 審判 査定不服  工業上利用 取り消して登録 N3
管理番号 1409212 
総通号数 28 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-02 
確定日 2024-03-19 
意匠に係る物品 Animated graphical user interface 
事件の表示 意願2021−502470「Animated graphical user interface」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、パリ条約による優先権(最初の出願:欧州連合知的財産庁、2021年5月10日)を主張する、令和3年(2021年)11月9日の国際意匠登録出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 6月22日付け 拒絶の通報
同年 7月13日 手続補正書の提出
同日 意見書の提出
令和5年(2023年) 1月23日付け 拒絶査定
同年 2月 2日 審判請求書の提出
同日 手続補正書の提出
同年 4月27日付け 審尋
同年 7月24日 回答書の提出
同年 12月14日付け 当審による拒絶理由通知
同月21日 手続補正書の提出
同日 意見書の提出

第2 本願意匠
本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとする国際意匠登録出願であって、本願意匠の意匠に係る画像は、本願の願書の記載によれば「Animated graphical user interface」(参考訳:「動画グラフィカルユーザーインターフェース」。以下日本語訳で示す。)」であり、本願意匠の態様は、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりである。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず、意匠登録を受けることができないとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「(i)画像の具体的な用途が不明確です。
(ii)“Animated graphical user interface”(「動画グラフィカルユーザーインターフェース」)とありますが、添付図面(当審注:出願当初の【9.1】〜【9.7】のこと。)には電気カミソリ状の輪郭が表されており、本願意匠が物品に係るものか画像に係るものか不明確です。」
請求人(出願人)は、この拒絶の理由に対して、令和5年7月13日に手続補正書を提出して、願書に添付した図面【9.1】〜【9.7】を画像のみの図に変更し、参考図として【9.8】〜【9.14】(電気カミソリが表された図)を追加した。

第4 当審の判断
以下において、本願意匠が工業上利用できる具体的な意匠であるか否かについて判断し、併せて、本願意匠が意匠法第10条第1項の規定により意匠登録を受けることができることについて説示する。

1 本願意匠の認定
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する(別紙第1参照)。
(1)意匠に係る画像
本願意匠の意匠に係る画像(以下「本願画像」という。)は「動画グラフィカルユーザーインターフェース」であり、願書の「意匠に係る物品の説明」には、以下のとおり記載されている。
「This animated graphical user interface includes sequential images of paging dots. Animation shows dots are popping up and one of dots is emphasized. The number of paging dots shows the number of total pages. The emphasized dot corresponds to current page number.」(参考訳:「この動画グラフィカルユーザーインターフェースは、ページ付けをする点の一連の画像を含む。アニメーションは、点が飛び上がって、点の1つが強調される様子を示している。ページ付けをする点の数はページの総数を示している。強調された点は、現在のページ数に対応している。」)
また、願書の「意匠の説明」には、以下の記載がある。
「The parts surrounded by means of dash lines in the reprodctions are parts of the claimed design. 9.1)Front view showing a first image in sequence; 9.2)Front view showing a second image in sequence; 9.3)Front view showing a third image in sequence; 9.4)Front view showing a fourth image in sequence; 9.5)Front view showing a fifth image in sequence; 9.6)Front view showing a sixth image in sequence; 9.7)Front view showing a seventh image in sequence; 9.8)〜9.14)Rererence front views in sequence」(参考訳:「図面の中の破線で囲まれた部分が、登録を求める意匠の部分である。9.1)1番目の画像を示す正面図、9.2)2番目の画像を示す正面図、9.3)3番目の画像を示す正面図、9.4)4番目の画像を示す正面図、9.5)5番目の画像を示す正面図、9.6)6番目の画像を示す正面図、9.7)7番目の画像を示す正面図、9.8)〜9.14)参考正面図」)
これらの願書の記載によれば、本願画像は、動画グラフィカルユーザーインターフェースとして表示される一連の画像であると認められる。
(2)本願画像について
願書に添付した図面【9.1】〜【9.7】の7つの図には、本願画像が破線で囲まれた部分として表されており、その部分の中に、【9.1】〜【9.7】にかけて連続性のある図形が表されている。
そして、参考図である【9.8】〜【9.14】には、電気カミソリと推認される物品の正面に、【9.1】〜【9.7】の画像が表示される例が記載されているから、本願画像は、電気カミソリなどに用いられると解される。
(3)本願画像の用途及び機能
本願画像は、それを見たユーザーに対して、ページの総数と、現在のページ数を示す用途及び機能を有している。
(4)本願画像の態様
ア 破線で囲まれた部分の態様
破線で囲まれた部分の態様は、縦横比約5:2の略縦長長方形状である。
イ 【9.1】から【9.2】にかけて
下端部の左端寄りに点が出現して上方に伸びていき、その右方に別の点が僅かに現れる。
ウ 【9.3】から【9.5】にかけて
左端寄りの点が少し飛び上がり、その右方に、2つの点が出現する。
エ 【9.6】から【9.7】にかけて
右方2つの点も少し飛び上がり、【9.7】では、左端寄りの点が最も大きく表されて、残りの2点は小さく表されている。

2 本願意匠が具体的な意匠であるか否かの判断
請求人の主張も踏まえて、本願意匠が具体的な意匠であるか否かを判断する。
まず、出願当初の図面(【9.1】〜【9.7】)に電気カミソリが表されて、本願において意匠登録を受けようとする対象が不明確であった点については、前記第3のとおり、請求人(出願人)が【9.1】〜【9.7】を画像が表された図に変更し、参考図として【9.8】〜【9.14】(電気カミソリが表された図)を追加したことにより、願書に添付した図面には、本願意匠の意匠に係る画像「動画グラフィカルユーザーインターフェース」が表されていると認めることができる。したがって、本願において意匠登録を受けようとする対象は明確であるといえる。
次に、本願画像の態様は、最終的に3つの点が表されて、そのうち最も左側の点が大きく表されて強調されるというものであり、画像を含む物品分野における通常の知識に照らせば、強調されている点は、現在表示されている画面の頁位置を示すものであると推認される。
そして、本願画像の用途及び機能は、ユーザーに対して、ページの総数と、現在のページ数を示すことであるから、そのような態様が、本願画像の用途及び機能を実現するためのものであると認められる。
この点に関して、請求人は令和5年7月24日に提出した回答書(別紙第2参照)において、「ページが意味するのは、冊子の頁(紙面)のように、めくることのできる1枚の表示画面のことであり、紙をめくることは、graphical user interfaceでは、ユーザによるスワイプ操作、又はキー入力などに基づき、電子的に表示画面を切り替えることに対応することは、出願時の当業者には明らかである」、「ページが対象とするのは、合議体が審尋にて把握されるスマートフォンにおけるメニュー画面だけではなく、例えば説明書の電子ファイル、写真データ、音楽データなど、1枚の表示画面に情報が格納され、次のデータへと電子的に表示画面を切り替えることができるものであることも、出願時の当業者には明らかである」と述べている。
したがって、本願意匠は、工業上利用できる具体的な意匠であるということができる。

3 意匠法第10条第1項の規定により意匠登録を受けることができることについて
(1)当審による拒絶理由通知と請求人の手続補正について
当審による令和5年12月14日付けの拒絶理由通知は、本願意匠が先願である意願2021−500367の意匠に類似するので意匠法第9条第1項の規定により意匠登録を受けることができない旨の通知であり、これに対して、請求人は、令和5年12月21日に手続補正書を提出して、願書に本意匠の表示「意願2021−500367」を追加して、本願意匠を、意願2021−500367号の意匠を本意匠とする関連意匠に変更した。
(2)本願意匠と本意匠(意願2021−500367の意匠)の類否判断
本願意匠と本意匠は、意匠に係る画像が共に「動画グラフィカルユーザーインターフェース」で一致し、ページの総数と現在のページ数を示すという用途及び機能も共通し、態様についても、略縦長長方形状の画像内に連続性のある図形が表され、複数の点が下端部に表されて最も左側の点が大きく表されて強調されるという共通点が需要者にまとまった一つの美感を与えているので、本願意匠は本意匠に類似するということができる。
(3)意匠法第10条第1項の規定に該当することについて
本意匠の意匠登録出願人は、本願の意匠登録出願人と同一であるから、意匠法第10条1項に規定されている本意匠の要件を満たしている。
また、本願意匠の意匠登録出願の日は本意匠の意匠登録出願の日以後(同日)であって本意匠の意匠登録公報の発行の日の前であるから、意匠法第10条1項に規定されている関連意匠の意匠登録出願の日の要件を満たしている。
さらに、前記(2)のとおり、本願意匠は本意匠に類似するものと認められるので意匠法第10条1項に規定されている本意匠に類似する意匠(関連意匠)の要件を満たしている。
したがって、本願意匠は、意匠法第10条1項の規定に該当するものである。

第5 むすび
以上のとおり、本願意匠は、工業上利用できる具体的な意匠であって、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当し、意匠登録を受けることができるものであるから、原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。そして、本願意匠は、意匠法第10条第1項の規定に該当するものである。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲



審決日 2024-03-06 
出願番号 2021502470 
審決分類 D 1 8・ 14- WY (N3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 小林 裕和
成田 陽一
登録日 2024-04-03 
登録番号 1768077 
代理人 笛田 秀仙 
代理人 五十嵐 貴裕 

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