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審決分類 審判 査定不服  工業上利用 取り消して登録 J6
管理番号 1409216 
総通号数 28 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-03-15 
確定日 2024-03-01 
意匠に係る物品 手持ち式飛翔体発射器具 
事件の表示 意願2022− 1757「手持ち式飛翔体発射器具」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、パリ条約による優先権(最初の出願:アメリカ合衆国、2021年8月3日)を主張する、令和4年(2022年)1月29日の意匠登録出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 4月21日付け 拒絶理由通知書
同年 9月29日 意見書の提出
同年 12月 8日付け 拒絶査定
令和5年(2023年) 3月15日 審判請求書の提出
同日 手続補正書の提出
令和6年(2024年) 1月10日 手続補正書の提出

第2 本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願意匠の意匠に係る物品は、本願の願書の記載によれば「手持ち式飛翔体発射器具」であり、本願意匠の形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)は、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりである。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず、意匠登録を受けることができないとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は、意匠に係る物品の欄の記載を発射器具とするものですが、願書の記載及び願書に添付した図面によっては、何のために何をどのように発射するのか、その使用の目的、使用の状態等を導き出すことができず、不明であることから、意匠が具体的ではありません。」

第4 当審の判断
1 請求人による手続補正について
(1)出願当初の願書及び願書に添付した図面(別紙第1参照)
出願当初の願書の【意匠に係る物品】には「発射器具」と記載され、【意匠に係る物品の説明】には「本件意匠に係る物品は、発射器具である。」と記載されており、願書に添付した図面には、手指で操作可能なボタンや滑り止めの凹凸が配されていることから、出願当初の意匠は、手持ち用の電子器具であって、何物かを発射する器具であると認定することができる。
(2)手続補正の内容
請求人は、審判請求日以降に提出された令和5年3月15日の手続補正書(別紙第2参照)及び令和6年1月10日の手続補正書(別紙第3参照)により、【意匠に係る物品】と【意匠に係る物品の説明】を以下のとおり変更した。
【意匠に係る物品】 手持ち式飛翔体発射器具
【意匠に係る物品の説明】本件意匠に係る物品は、手持ち式飛翔体発射器具である。本物品は、使用者が本物品の側面を片手で保持し特定の目標に向けて方向付けた後、平面図に点線で示す発射ボタンを押すことで、正面図に示す開口より飛翔体を発射するために使用される。特定の飛翔体とは、例えばボールやペレット、投げ縄や網などで良い。
(3)上記補正内容が要旨を変更するものではないことについて
出願当初の意匠が手持ち用の電子器具であって、何物かを発射する器具であると認定され得るところ、投げ縄を発射する手持ち式の発射器具が本願の出願前に公然知られていた(下記の参考意匠1及び参考意匠2)ことを踏まえると、本願意匠が投げ縄などの飛翔体を発射する手持ち式発射器具であることを説明する上記(2)の手続補正の内容は、本願意匠が属する物品分野における通常の知識を有する者が出願当初の願書の記載又は願書に添付した図面から当然に導き出せるというべきであるから、これらの要旨を変更するものではないと認められる。
参考意匠1(別紙第4参照)
米国特許商標公報2018年6月19日
(登録番号US D820940S)に表されている
「PROJECTILE LAUNCHER」の意匠
参考意匠2(別紙第5参照)
特許庁発行の公表特許公報記載
特表2019−509462
【図1】から【図4】、【図7】から【図9】に示された
「絡め取り式捕捉用発射体」の意匠

2 本願意匠が具体的な意匠であるか否かの判断
次に、本願意匠が工業上利用できる具体的な意匠であるか否かについて検討し、判断する。
(1)本願意匠の認定
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する。
ア 意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品(以下「本願物品」という。)は「手持ち式飛翔体発射器具」であり、願書の「意匠に係る物品の説明」の記載(前記1(2))によれば、本願物品は、使用者が本願物品の側面を片手で保持し、特定の目標に向けて方向付けた後に、発射ボタン(点線)を押すことで、ボール、ペレット、投げ縄及び網などの飛翔体を正面開口部から発射する用途及び機能を有するものである。
また、願書の「意匠の説明」には「実線で示された部分が意匠登録を受けようとする部分である。」との説明があるので、本願は、点線で示された発射ボタン部や、正面蓋部などを除き、実線で示された部分(以下「本願部分」という。)について、物品の部分として意匠登録を受けようとするものである。
イ 本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分は本願意匠のうち、点線で示された発射ボタン部や、正面蓋部などを除く位置、大きさ及び範囲のものである。
ウ 本願部分の用途及び機能
本願部分は、使用者が本願物品を手で持って、目標に向けて本願物品を向けて、ボール、ペレット、投げ縄及び網などの飛翔体を発射するという用途及び機能を有している。
エ 本願部分の形状等
(ア)全体の構成態様
全体が略扁平直方体状であって、平面視略縦長逆U字状のものである。
(イ)平面から見た構成態様
上半部の角部に傾斜面部が形成されており、下端の左右が斜めに屈曲し、下半部の内側には略縦長台形状の浅い凹部が形成されて、その凹部の下端が斜めに屈曲している。当該凹部内には、ボタンと推認される部分が破線(本願部分を構成しない)で示されているので、この凹部はボタン配置部であると認められる。
(ウ)側面から見た構成態様
背面側端部は略「〔 」字状に形成されており、中央右には略倒駒形状部が形成されている。この略倒駒形状部内には複数の縦筋が破線(本願部分を構成しない)で示されているので、略倒駒形状部は滑り止め部であると認められる。上端は、背面側から正面側にかけて中央部でやや膨出しており、下端は水平状である。
(エ)正面から見た構成態様
上下を約2:3に内分する位置に水平状分割線が表されており、同分割線より上側の部分の上半部は略倒「〔 」字状に表され、同分割線より下側の部分は略横長長方形状であって角部が段状に形成されている。その略横長長方形状の内側には、周囲に若干の余地部を残して上下が略扁平凸状の境界線が破線(本願部分を構成しない)で示されており、この境界線内は開口部であると推認されるから、正面の下側部分は開口部を有していると認められる。
(オ)背面から見た構成態様
上半部中央に、前記(イ)の傾斜面部が横帯状に表されている。
(2)本願意匠が具体的な意匠であるか否かの判断
上述したとおり、本願部分の形状等において、ボタン配置部及び滑り止め部と認められる部位が示されており、ボタンは手指で操作され、滑り止めは手指を滑りにくくすることから、それらは本願物品を手に持ったときの保持性や操作性に関係していると解される。また、開口部を有する正面下側部分は、使用者が特に注目する部位であって、本願物品において重要な役割を持つ部位であることが窺い知れる。
そして、本願部分の用途及び機能は、使用者が本願物品を手で持って、目標に向けて本願物品を向けて、ボール、ペレット、投げ縄及び網などの飛翔体を発射することであるから、上記の開口部を有する正面下側部分が、本願部分の用途及び機能を実現するためのものであると認められる。
したがって、本願意匠は、工業上利用できる具体的な意匠であるということができる。

第5 むすび
以上のとおり、本願意匠は、工業上利用できる具体的な意匠であって、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当し、意匠登録を受けることができるものであるから、原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲






審決日 2024-02-07 
出願番号 2022001757 
審決分類 D 1 8・ 14- WY (J6)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 小林 裕和
成田 陽一
登録日 2024-03-26 
登録番号 1767290 
代理人 矢口 太郎 

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