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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 N3
管理番号 1410273 
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-24 
確定日 2024-03-26 
意匠に係る物品 GUI 
事件の表示 意願2021− 20930「GUI」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、意匠法第10条の2第1項の規定により分割(原出願:意2021−13081、出願遡及日:2021年6月17日)された、パリ条約による優先権の主張(優先日:2020年12月18日、アメリカ合衆国)を伴う令和3年(2021年)9月28日の意匠登録出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 6月16日付け 拒絶理由の通知(原審)
同年 9月15日 意見書の提出
令和5年(2023年) 1月23日付け 拒絶査定
同年 4月24日 拒絶査定不服審判の請求

第2 本願意匠
本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願意匠の意匠に係る画像は、本願の願書の記載によれば「GUI」であり、本願意匠の態様は願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりである。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、下方左側に隅丸の十字キー形状図形、下方左右に二重円形状図形を配置したものと認められます。
しかしながら、本願の分野において、隅丸の十字キー形状図形及び二重円形状図形を配置することは意匠1及び2に見られるよう公知の手法です。また画像中の図形の配置を各所に変更することは例を挙げるまでもなく、ありふれた手法です。
そうすると、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は、出願前より見られる隅丸の十字キー形状図形を下方左側に、二重円形状図形を下方左右に配置したにすぎず、格別の創意を要するとは認められず、本願意匠は当業者であれば容易に創作をすることができたものと認められます。
(中略)
意匠1
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2020年10月21日
受入日 特許庁意匠課受入2020年12月16日
掲載者 Quentin Guidee
表題 Omega − Google Play のアプリ
掲載ページのアドレス https://play.google.com/store/apps/details?id=
io.github.omega.simulator
に掲載された「スマートフォン用ソフトウェアの計算機能」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ02127740号)

意匠2
大韓民国意匠商標公報 2016年11月30日
ディスプレースクリーン用画像(登録番号30−0883433)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH28449896号)」

第4 当審の判断
以下において、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠の認定
当審では、本願意匠について、以下のとおり認定する(別紙第1参照)。
(1)意匠に係る画像の用途
本願意匠の意匠に係る画像(以下「本願画像」という。)は、「GUI」であり、願書の「意匠に係る物品の説明」には、以下のとおり記載されている。なお、この「意匠に係る物品の説明」の項目名は願書の仕様によるものであり、当審では「意匠に係る画像の説明」として認定する。
「画像図に表されたGUIは、ゲームの起動前の各種操作ために使用可能である。」
また、願書の「意匠の説明」には、以下のとおり記載されている。
「実線で表した部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」
これらの願書の記載によれば、本願は、画像の部分について意匠登録を受けようとするものであり、「画像図」の上部に示された横長長方形状部(破線であり画像の部分を構成しない。内部に「VIDEO GAME DISPLAY」の文字が破線で示されている。)がゲーム表示部であることを踏まえると、実線で表された部分(以下「本願画像部分」という。)は、ゲーム表示部を操作するためのGUIであると認められる。
(2)本願画像部分について
「画像図」において実線で表されている部分は3つあり、本願画像の右下に設けられた二重円形状部(中央に「R」の文字が破線で表されている。以下「Rボタン部」という。)、左下に設けられた二重円形状部(中央に「L」の文字が破線で表されている。以下「Lボタン部」という。)、及びその左上に配された略十字状ボタン部である。
(3)本願画像部分の用途及び機能
Rボタン部の用途及び機能は、ゲーム表示部を操作する上でのいわゆるRボタンに相当し、Lボタン部のそれはいわゆるLボタンに相当し、略十字状ボタン部のそれはいわゆる十字キーに相当すると推認される。
(4)本願画像部分の位置、大きさ及び範囲
縦長の本願画像全体の下方左右にRボタン部とLボタン部が配されており、Lボタン部の左上に略十字状ボタン部が配されている。
Rボタン部とLボタン部は同大であって、その径は本願画像の横幅の約1/7.3であり、略十字状ボタン部の横幅は本願画像の横幅の約1/4.1である。
(5)本願画像部分の態様
ア 「画像図」に表された態様
Rボタン部とLボタン部は二重円形状である。
略十字状ボタン部は、縦棒と横棒の幅と長さが同一であって、幅は長さの約1/3であり、各棒の端部は半円弧状に表されている。

2 引用意匠の認定
原査定における拒絶の理由で引用した意匠1及び意匠2について、以下のとおり認定する。主として本願画像部分に相当する画像の態様について認定する。なお、意匠1及び意匠2の出典や公知日などについては、前記第3のとおりである。
(1)意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠1の用途及び機能
意匠1は、スマートフォン用ソフトウェアの計算機能の画像であり、画像の用途及び機能は、スマートフォン用ソフトウェアの計算に関することである。
イ 本願画像部分に相当する画像の態様
スマートフォンの画像の中央左に略十字状ボタン部が配されており、その態様は、縦棒と横棒の幅と長さが同一であって、幅は長さの約1/3であり、各棒の端部は半円弧状に表されている。
(2)意匠2(別紙第3参照)
ア 意匠2の用途及び機能
意匠2は、ディスプレースクリーン用の画像であり、ゲームの操作に関係するボタン部が設けられているから、画像の用途及び機能はゲーム操作に関することであって、R1、L1と記されたボタン部(以下「R1ボタン部」「L1ボタン部」という。)の用途及び機能は、ゲームを操作する上でのいわゆるRボタン、Lボタンに相当し、略十字状ボタン部のそれはいわゆる十字キーに相当すると推認される。
イ 本願画像部分に相当する画像の態様
破線で表されている部分についても、実線で表されたものとして認定する。
縦横比が約1:1.8である横長長方形状の画像全体の中で、略十字状ボタン部が左側に配されており、その左上にL1ボタン部が配されて、その左右対称の位置にR1ボタン部が配されている。
R1ボタン部とL1ボタン部は二重円形状である。
略十字状ボタン部は、縦棒と横棒の幅と長さが同一であって、幅は長さの約1/3であり、各棒の端部は半円弧状に表されている。

3 本願意匠の創作非容易性について
本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、当業者であれば容易に本願意匠の創作をすることができたか否かについて検討する。
画像を含む意匠において、ゲームを操作するRボタン、Lボタンに相当する部分の形状として二重円形状に表し、また、十字キーに相当する部分の形状として本願画像部分と同様の態様とした画像は、意匠2に見られるように本願の出願前に広く知られている。
しかしながら、本願画像部分のように、縦長の画像全体の下方左右にRボタン部とLボタン部を配して、Lボタン部の左上に略十字状ボタン部を配した画像は、意匠1及び意匠2の画像の態様から容易に想到できたということはできない。本願画像では、画像内のバーチャルな操作対象であるRボタン部とLボタン部が画像全体の下方左右に配置されているところ、通常の物理的なゲームコントローラーにおいてはRボタン部とLボタン部が人差し指が当たる上部に位置していることが一般的であることを勘案すると、この創作は極めて特異であるというべきである。
したがって、原査定における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから、原査定における拒絶の理由、すなわち本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するとの理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲


審決日 2024-03-13 
出願番号 2021020930 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (N3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 成田 陽一
小林 裕和
登録日 2024-04-23 
登録番号 1769667 
代理人 弁理士法人深見特許事務所 

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