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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 N3
管理番号 1410274 
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-27 
確定日 2024-04-09 
意匠に係る物品 Display panel with animated graphical user interface 
事件の表示 意願2021−502989「Display panel with animated graphical user interface」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、パリ条約による優先権(最初の出願:大韓民国、2021年4月28日)を主張する、令和3年(2021年)10月22日の国際意匠登録出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年(2022年) 6月22日付け 拒絶の通報
同年 9月22日 意見書の提出
令和5年(2023年) 1月23日付け 拒絶査定
同年 4月27日付け 審判請求書の提出

第2 本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする国際意匠登録出願であって、本願意匠の意匠に係る物品は、本願の願書の記載によれば「Display panel with animated graphical user interface」(参考訳:「動画グラフィカルユーザーインターフェース付きディスプレイパネル」。以下日本語訳で示す。)」であり、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)は、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりであって、破線で表された部分は、意匠登録を受けようとする部分を構成しない。

第3 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は、径が大きくなる変化をする円を画像中央に
同心円状に配置したものです。
しかし、同心円を画像中央に配置することは意匠1に見られるように公
知であり、円の径が大きくなる変化も意匠2に見られるよう公知です。
そうすると、本願意匠は上記の公知の手法より創作されたものであり、
当業者が容易に創作できたものです。
意匠1
出願日:2017年7月3日
国際登録番号:DM/098192
登録日:2017年7月3日
JPO Application Number: 2021−502989
権利者の氏名/名称:WeDiscover, Inc.
権利者の住所/居所:Sixth Floor, 1801 Century Park West, Los Angels
CA 90067, US
意匠2
出願日 2014年12月29日
出願番号 意願2014−029594
優先日 2014年7月2日
登録日 2015年7月3日
登録番号 意匠登録第1530198号
公報発行日 2015年8月3日
権利者の氏名/名称 アリフコム
権利者の住所/居所 アメリカ合衆国 カリフォルニア 94103,
サン フランシスコ, ロード アイランド ストリート 99, サ
ード フロアー」

第4 当審の判断
以下、本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、本願意匠が、この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。

1 本願意匠
(1)本願意匠について
本願意匠の意匠に係る物品(以下「本願物品」という。)は、「動画グラフィカルユーザーインターフェース付きディスプレイパネル」であって、縦長長方形状の表示パネルの正面のほとんどに、縦長長方形状の画像(以下「本願画像」という。)が表示されており、願書に添付された図面中の「1.1」及び「1.2」によれば、表示パネルの正面外形と、画像の外枠が、破線(意匠登録を受けようとする部分以外の部分)で表されている。
(2)本願画像における意匠登録を受けようとする部分について
本願画像のうち実線で表された意匠登録を受けようとする部分は、「1.1」においては4重の同心円、「1.2」においては径が広がった同心円である(以下、「1.1」及び「1.2」において実線で表された部分を「本願画像部分」という。)。
(3)本願画像部分の用途及び機能
願書の「意匠の説明」の記載「the claimed design relates to the gradual transition from the image in reproduction 1.1 to the image in reproduction 1.2; the concentric circles visualize the voice of the other party in video chatting, and may be enlarged according to the volume of the voice;」(参考訳:「登録を求める意匠は、図1.1の画像から図1.2の画像までの緩やかな遷移に係るものである。同心円はビデオチャットにおける相手側の声を可視化したものであり、声の音量に併せて拡大することができる。」)によれば、本願画像部分の用途及び機能は、他者の声(の大きさ)を可視化すること、である。
(4)本願画像部分の位置、大きさ及び範囲
本願画像部分は、「1.1」においては本願画像の中央部に位置している。以下、4重の同心円を構成する最も小さい円を「円1」、2番目に小さい円を「円2」、その外側の円を「円3」、最も大きい円を「円4」という。
「1.2」においては、円1と円2が本願画像の中央部に位置し、それ以外の円は、一部のみ本願画像内に表されている。
また、本願画像部分の大きさ及び範囲は、「1.1」においては4重の同心円の最大径が本願画像の横幅の約1/2.4を占めており、うち円1の径が本願画像の横幅の約1/5を占めている。「1.2」においては、円1の径は「1.1」の約1.5倍になり、円2〜円4の径も「1.1」よりも大きくなって、円2の径が本願画像の横幅の約1/2を占めるようになり。円3(途切れている)の径が本願画像の横幅の約5/6を占め、円4(途切れている)の径が本願画像の横幅の約4/3を占めるに至っている。
(5)本願画像部分の態様
ア 「1.1」における態様
4重円であって、4重円を構成する4つの円の間隔は等間隔であり、その間隔は、円1の径の約1/6である。
イ 「1.1」における態様
4重円を構成する4つの円の間隔は、外側にいくにつれて大きくなっており、円1と円2の間隔(以下「間隔a」という。)は円1の径の約1/3になり、円2と円3の間隔は間隔aの約1.5倍、円3と円4の間隔は間隔aの約2倍になっている。

2 引用意匠の認定
当審における拒絶の理由で引用した意匠1及び意匠2について、以下のとおり認定する。主として本願画像部分に相当する画像の態様について認定する。なお、意匠1及び意匠2の出典や公知日などについては、前記第3のとおりである。
(1)意匠1(別紙第2参照)
ア 意匠1の用途及び機能
意匠1は、世界知的所有権機関(WIPO)が登録した国際意匠登録DM/098192の意匠であり、その名称は「Graphical user interfaces(参考訳:「グラフィカルユーザーインターフェース」、以下、単に「GUI」という。)である。「1.2」には携帯情報端末機の正面に画像が表示されていることから、その画像は携帯情報端末機の操作の用に供されるGUIであると認められるが、具体的にどのような用途及び機能を有するかは不明である。
イ 本願画像部分に相当する画像(破線部を含めて認定する)の態様
「1.2」には、画像全体の中央部に、5重の同心円が表されており、その最大径は画像全体の横幅の約7/8を占めており、再小円の径が画像全体の横幅の約2/7を占めている。5重円を構成する5つの円の間隔は等間隔であり、その間隔は、再小円の径の約1/4である。
(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2は、日本国特許庁が登録した意匠登録第1530198号の意匠であり、意匠に係る物品は「情報携帯端末」である。同意匠の意匠公報の記載によれば、主に音楽再生機能を有する携帯情報端末であって、「変化した状態を示す正面図1」〜「同6」に示される画像は、音楽を再生するための操作、および、音楽を停止するための操作の用に供される画像である。ユーザのタップ操作により、音楽再生が開始する用途及び機能を有している。
イ 本願画像部分に相当する画像の態様
「変化した状態を示す正面図1」には、縦長長方形上の画像全体の中央部に、クリーム色の円が表されており、その径は画像全体の横幅の約3/4を占めている。円の外側には、黒色細幅の円環が表されている。
「変化した状態を示す正面図2」では当該円環の幅が太くなり、「変化した状態を示す正面図3」「同4」「同5」になるにつれて円環が更に太くなって円からしだいに離れて灰色に変化していき、「同6」では円環が消失している。
「変化した状態を示す正面図1」から「同6」にかけて、クリーム色の円の位置、大きさ及び範囲は不変である。

3 本願意匠の創作非容易性について
本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、当業者であれば容易に本願意匠の創作をすることができたか否かについて検討する。
画像を含む意匠において、音声や音楽などを円として可視化した画像は、意匠2に見られるように本願の出願前に日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となっている(以下、単に「公然知られている」という。)。また、画像全体の中央部に多重の同心円を表した画像も、意匠1に見られるように本願の出願前に公然知られている。
しかしながら、本願画像部分のように、音の大きさを可視化するために、当初等間隔であった4つの円が、外側にいくにつれて大きくなるように変化し、円2と円3の間隔が間隔a(円1と円2の間隔)の約1.5倍、円3と円4の間隔が間隔aの約2倍となる態様は、意匠1及び意匠2の画像の態様から容易に想到できたということはできない。
したがって、当審における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから、当審の拒絶の理由、すなわち本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するとの理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲









審決日 2024-03-26 
出願番号 2021502989 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (N3)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 成田 陽一
小林 裕和
登録日 2024-04-24 
登録番号 1769843 
代理人 須田 洋之 
代理人 ▲吉▼田 和彦 
代理人 鈴木 博子 
代理人 渡邊 徹 
代理人 山本 泰史 
代理人 倉澤 伊知郎 
代理人 田中 伸一郎 

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