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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D6
管理番号 1410284 
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2024-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-10-11 
確定日 2024-04-16 
意匠に係る物品 傘立て 
事件の表示 意願2022− 23632「傘立て」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、令和4年(2022年)10月31日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。

令和5年(2023年) 2月15日付け 拒絶理由通知書
同年 3月30日 意見書提出
同年 6月26日付け 拒絶査定
同年 10月11日 審判請求書提出

第2 本願の意匠の願書及び添付図面の記載

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「傘立て」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠

原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠(別紙第2参照)
著者の氏名 株式会社ニトリ
表題 ニトリ公式通販 ニトリネット 傘たて メカサ(WH)
掲載箇所 ホーム>収納・衣類収納>玄関収納>傘立て> 傘たて
メカサ
媒体のタイプ online
掲載年月日 2022年3月9日(※)
検索日 2023年2月7日
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:https://www.nitori-net.jp/ec/product/80707
37/
に掲載された傘たての意匠
(※)は、同ページにおいて2022年3月9日に写真付きのレビューの投稿があったことから、引用意匠は少なくとも2022年3月9日には電気通信回線を通じて公衆に利用可能となっていたものと認められる。

第4 当審の判断

1 本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品
本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、いずれも玄関や建物の入り口等に設置して傘を収納・保管するための「傘立て」であるから、一致する。

(2)両意匠の形状等
両意匠の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。

ア 共通点
基本的構成態様として、
(ア)全体は、2つの同径の環状の枠を上下に平行に配し、その間の若干内側に細かいメッシュ状の略縦長円筒体を設け、底面に略扁平逆円錐台形状の底板を設けて傘の収容部とし、その底面の縁沿いに線材を放物線状に湾曲して形成した脚を外側に向かって斜め下に複数本、正面中央から等間隔に取付け、収容部の上下の2つの枠の背面側に、下枠上端から上枠の外側を跨いで垂直上方に延出する細棒状の支柱を2本、約120度の間隔を空けて取り付けて、その上部先端に収容部の枠と同径の略環状の傘支持枠を平行に設けている点、

各部の態様として、

(イ)収容部の高さは、全体の約1/2である点において、共通する。

イ 相違点
(ア)傘支持枠について、本願意匠は、細幅の略横長長円形状の枠を正面中央に隙間を開けて略環状に湾曲したものであって、その隙間から長傘を差し込んで収容することや、枠の先端に折り畳み傘をストラップでひっかけて保管することを可能としているのに対し、引用意匠は、2つの同径の環状の枠を上下に近接して平行に配したものである点、
(イ)脚の数について、本願意匠は4つであるのに対し、引用意匠は3つである点において、相違する。

2 両意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は一致するから、同一である。

(2)形状等の共通点及び相違点の評価
両意匠は、玄関や建物の入り口等に設置して傘を収納・保管するための傘立てであるから、需要者は、主に一般消費者及び販売業者等の取引者であって、当該需要者は、主に、設置時の全体の外観に着目する他、様々な形状の傘の収納・保管のしやすさの観点から具体的態様に注視して観察するものといえる。

ア 共通点の評価
両意匠の属する物品の分野において、共通点(ア)に示す基本的構成態様、及び共通点(イ)に示す収容部の高さを全体の約1/2とした態様は、参考意匠1から3にみられるとおり、両意匠以外にもごく普通に見受けられることから、格別、需要者の注意を引くものとはいえず、共通点(ア)及び(共通点イ)が類否判断に与える影響は小さい。

参考意匠1(別紙第3参照)
特許庁意匠課が2005年8月26日に受け入れた
カメヤマ株式会社発行の内国カタログ『Mesh & Doodles』
第17頁所載の
傘立ての意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC17029434号)

参考意匠2(別紙第4参照)
特許庁意匠課が1988年12月23日に受け入れた
コクヨ株式会社発行の内国カタログ『コクヨ総合カタログ’89』
第508頁所載の
傘立ての意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC01014997号)

参考意匠3(別紙第5参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1324994号
意匠に係る物品「傘立て」の意匠

イ 相違点の評価
まず、相違点(ア)の、傘支持枠の相違については、使用時に特に目につきやすい上端における相違であり、特に、引用意匠の、2つの同径の環状の枠を上下に近接して平行に配したものは、前記の参考意匠2にもみられるように本願出願前より公然知られているのに対し、本願意匠の、細幅の略横長長円形上の枠を正面中央に隙間を開けて略環状に湾曲したものは、本願意匠の出願前には見られないものであって、様々な形状の傘の収納・保管のしやすさにも影響を与える本願意匠独自の造形的特徴であるから、相違点(ア)が類否判断に与える影響は極めて大きい。
一方、相違点(イ)の、脚の数の相違については、両意匠の属する物品分野において常套的になされる改変の範囲内であるから、相違点(イ)が両意匠の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 形状等の類否判断
両意匠の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、両意匠を全体として総合的に観察し、判断した場合、両意匠は、共通点(ア)及び(イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいのに対して、相違点(イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものの、相違点(ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は極めて大きいものであるから、相違点全体が相まって両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。
したがって、両意匠を全体として総合的に観察した場合、両意匠の形状等は、共通点に比べて、相違点が与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形状等は類似しない。

(3)小括
そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、その形状等において類似しないから、本願意匠は引用意匠に類似しない。

第5 むすび

以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲









審決日 2024-04-02 
出願番号 2022023632 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D6)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 渡邉 久美
吉田 英生
登録日 2024-04-22 
登録番号 1769505 
代理人 伊東 忠重 
代理人 伊東 忠彦 

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