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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7 |
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管理番号 | 1413396 |
総通号数 | 32 |
発行国 | JP |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2024-08-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-11-22 |
確定日 | 2024-07-05 |
意匠に係る物品 | テーブル用脚 |
事件の表示 | 意願2022− 22559「テーブル用脚」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 令和4年(2022年)10月18日 意匠登録出願 令和5年(2023年) 3月27日付け 拒絶理由通知 同年 4月25日 意見書の提出 同年 8月23日付け 拒絶査定 同年 11月22日 審判請求書の提出 第2 本願の意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「テーブル用脚」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものである。(別紙第1参照) 第3 原査定の拒絶の理由及び引用の意匠 原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。 引用意匠(別紙第2参照) 電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日) 2021年10月30日 (公知日は、Amazon.co.jpでの取り扱い開始日で認定) 検索日 令和5年3月20日検索 掲載者 KKL 表題 KKLデスク pcデスク 下棚付き 幅80cm パソコンデスク 机 ゲーミングデスクおしゃれ コンパクト 省スペース 勉強机 学習机 在宅勤務 一人暮らし 組立簡単 ビンテージ 掲載URL https://www.amazon.co.jp/dp/B09F5VH7CF に掲載された、テーブルの写真中、「テーブル用脚」の意匠(ASIN:B09F5VH7CF) 第4 当審の判断 1 本願意匠と引用意匠の対比 (1)意匠に係る物品 本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、共に「テーブル用脚」であるから、一致する。 (2)両意匠の形状等 両意匠の形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。 なお、引用意匠の認定に際しては、本願意匠と同じ向きとして、認定する。また、引用意匠は、左斜め上から見た図のみであるから、正面視における各部の長さの比率等は、概算によるものとする。 ア 共通点 両意匠は、角材をやや間隔を空けて垂直に2本配置して脚部とし、その間の上端付近と下側に脚部と同じ角材をそれぞれ水平に取り付けて横桟としたものである点において、共通する。 イ 相違点 (ア)正面視における縦横の長さの比率について、本願意匠は、約3:2であるのに対し、引用意匠は、約2:1で、引用意匠の方がやや縦長である点、 (イ)脚部及び横桟の端面について、本願意匠は、端面が長辺と短辺の長さの比率を約3:2とする略長方形であるのに対し、引用意匠は、端面が略正方形である点、 (ウ)脚部及び横桟の配置について、本願意匠は、脚部は幅広面を向かい合わせに配置し、上の横桟は幅広面を水平に配置し、下の横桟は幅広面を垂直に配置しているのに対し、引用意匠は、脚部及び横桟の各面は等幅である点、 (エ)上の横桟について、本願意匠は、上端より若干下側に取り付けているのに対し、引用意匠は、正面からみた図の開示がないため不明である点、 (オ)下の横桟について、本願意匠は、下方寄りで、やや背面寄りに取り付けているのに対し、引用意匠は、真ん中付近で、脚部の正背面と面一に取り付けている点において、相違する。 2 類否判断 以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。 (1)意匠に係る物品 両意匠の意匠に係る物品は一致するから、同一である。 (2)形状等の共通点及び相違点の評価 ア 共通点の評価 この種物品の分野において、角材をやや間隔を空けて垂直に2本配置して脚部とし、その間の上端付近と下側に角材をそれぞれ水平に取り付けて横桟としたものが、以下の参考意匠に見られるとおり、本願の出願前から一般に知られていることから、この共通するとした態様は、両意匠のみに共通するものとはいえず、共通点が、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。 参考意匠(別紙第3参照) 文献名:国際事務局意匠公報 公報番号:DM/078119(2012年4月27日発行) 文献名:テーブル 特許庁意匠課公知資料番号:HH2450190400 イ 相違点の評価 相違点(ア)について、正面視における縦横の長さの比率において、引用意匠の方が本願意匠に比べてやや縦長であるが、この種物品の分野においては、常套的になされる改変の範囲内のものであり、格別、需要者の注意を引くものではないから、相違点(ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。 相違点(イ)について、当該物品の分野において、脚部及び横桟に角材を用いることは、前記アに示すとおり一般に知られているものであるが、より具体的な端面形状の相違は、それぞれ意匠上の特徴となり得るものであるところ、両意匠におけるこの相違は、需要者に異なる美感をもたらすものといえるから、相違点(イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。 相違点(ウ)及び相違点(オ)について、本願意匠は、上の横桟は幅広面を水平に配置し、下の横桟は幅広面を垂直に配置することにより、上下の桟に変化をもたらしており、さらに下の横桟を背面寄りのやや奥まった位置に取り付けた態様も比較的目に付きやすく、これらが相まって意匠上の特徴を成しているのに対し、引用意匠は、脚部及び横桟の各面が等幅で変化に乏しいものであるから、需要者に異なる美感を起こさせるものといえ、相違点(ウ)及び相違点(オ)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。 相違点(エ)について、本願意匠の上の横桟の取付け位置は、上端からごく僅かに下がった位置であることに加え、使用時において天板の下側に隠れてさほど目立たないものであることから、ほとんど需要者の注意を引くものではなく、相違点(エ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。 ウ 形状等の類否判断 両意匠の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、共通点は、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものであるのに対し、相違点(ア)及び相違点(エ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものの、これ以外の相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。 したがって、両意匠の形状等を全体として総合的に観察した場合、両意匠の形状等は、共通点に比べて、相違点が両意匠の類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形状等は類似しない。 (3)小括 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、形状等において、共通点が未だ両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して、相違点が両意匠の類否判断に与える影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、両意匠は、需要者に異なる美感を与えているというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。 第5 むすび 以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2024-06-25 |
出願番号 | 2022022559 |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D7)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
富永 亘 |
特許庁審判官 |
内藤 弘樹 山永 滋 |
登録日 | 2024-07-26 |
登録番号 | 1777045 |
代理人 | 弁理士法人藤本パートナーズ |